糖質制限中はタンパク質の摂取が大切！糖質制限のメリットと正しいやり方を解説

糖質制限ダイエットでは、摂るべき栄養素が摂られていないと、なかなか体重が減らない場合があります。糖質制限の効果が出ない要因として、タンパク質をはじめ、体に必要な栄養素が摂れていない可能性があるでしょう。

また、やみくもに糖質を制限するのみでは結果につながらないばかりか、体調を崩す原因にもなりかねません。糖質制限ダイエットは正しいやり方で取り組めば、体重が減る以外にも多くのメリットが得られます。

本記事では、糖質制限中におけるタンパク質摂取の重要性や正しいやり方などを解説しています。正しい糖質制限ダイエットのやり方を理解し、健康的に糖質制限ダイエットに取り組めるように、ぜひ参考にしてみてください。

糖質制限（炭水化物制限）の特徴と効果

まず、糖質制限ダイエットを効果的なものにするために、糖質制限の特徴と効果を理解しましょう。

糖質とタンパク質の関連性や各栄養素の特徴を把握すれば、摂るべき栄養素の重要性が認識できるため、糖質制限の効果はより一層高まります。

糖質制限に取り組むうえで、糖質やタンパク質に関する知見を深め、糖質制限ダイエットの効果を高めていきましょう。

そもそも糖質とは

糖質とは、炭水化物、タンパク質、脂質からなる3大栄養素のうち、炭水化物に分類される栄養素の1つで、消化分解されない食物繊維以外のものを糖質と呼びます。

主に、お米やパン、麺類などに含まれています。体内で分解されると脳や神経に必要なブドウ糖となり、生命維持活動を支える重要な栄養素として機能します。

一方で、糖質を多く取り過ぎると、消費しきれなかった分のエネルギーが脂肪に変わり、体内に貯蔵された結果、肥満へとつながるでしょう。

また、糖質の過剰摂取は、肥満のほか糖尿病や高血圧、心疾患などの生活習慣病のリスクも高まります。糖質は、多く摂り過ぎても、極端に減らし過ぎてもいけない栄養素といえます。

糖質制限の特徴

糖質制限は、糖質を含む食事を減らし、糖質の摂取量を生命活動維持に必要な最小限まで抑える食事法です。

ただし、すべての食事量を減らすわけではありません。糖質制限下ではご飯やパンなどの糖質を多く含む食品は控えますが、糖質以外のタンパク質や脂質、食物繊維は積極的に摂取できます。

また、糖質以外の栄養素には摂取量に関しての制限がないため、食事量をセーブする必要はなく、食べたい分を食べられるでしょう。

一般的なダイエットに取り組んでいると、カロリーを意識して食事量を抑制し、空腹を伴う過酷なものとなりがちです。その点、糖質制限は空腹を伴わず、健康的に痩せられるダイエット法といえます。

タンパク質と糖質の関係性

糖質を摂取すると体内の血糖値が上昇しますが、タンパク質を同時に摂れば、糖質単体で摂取したときよりも、血糖値の上昇を抑えられるでしょう。

なお、糖質を摂取すると血糖値が上昇し、膵臓からインスリンと呼ばれる血糖値を下げるホルモンが分泌されます。インスリンには、タンパク質が分解されてできるアミノ酸に働きかけ、筋肉合成を促す効果があります。

インスリンにより筋肉合成量を増やし、基礎代謝を上げるためにも、筋肉の元となるタンパク質の摂取は欠かせません。

インスリンとアミノ酸による筋肉合成促進効果により筋肉量を増やす観点からも、タンパク質は必要といえるでしょう。

糖質と糖類の異なる点

混同されやすい糖質と糖類ですが、糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもので、糖類は糖質から多糖類を除いたものを指します。

多糖類とは、ブドウ糖や果糖などの単糖分子が集まった集合体で、でんぷんやオリゴ糖などがあげられます。

また、糖類は、多糖類以外の単糖類や二糖類の総称となり、主に砂糖、麦芽糖、ブドウ糖などを指します。糖質と糖類も炭水化物のなかに分類されていますが、同じものではありません。

炭水化物のなかに糖質があり、糖質のなかに糖類が含まれているイメージですが、糖質自体を構成している元分子をたどると、糖類であるブドウ糖や果糖になります。

糖質制限で期待できる効果

糖質制限は、健康的に体重を減らせるばかりか、太りにくくなる効果が期待できるでしょう。糖質を摂取すると、血糖値の上昇を抑えるため、摂取量に応じた量のインスリンが分泌されます。

インスリンには血糖値調整機能のほか、脂肪蓄積効果があり、多く分泌されると脂肪がつきやすくなる傾向があります。

糖質制限により糖質の摂取量を制限することでインスリンの分泌量が少なくなるため、糖質を脂肪に蓄積させずに消費できるようになります。

また、摂取する糖質が減ると、急な血糖値の乱高下も抑えられ血管への負担が小さくなるほか、高血糖による糖尿病や心疾患などの生活習慣病の発症リスクも下げられます。

糖質制限のメリット

糖質制限には、次のようなメリットがあげられます。

効果を実感しやすい
簡単にチャレンジしやすい
筋肉が減りにくい
過度な食事制限は不要
精神的なストレスが少ない
美肌効果が期待できる

それぞれの特徴について解説します。

効果を実感しやすい

糖質制限を始めると、体重減少のペースが比較的早いため、効果を実感しやすいでしょう。

糖質の制限により、体内に蓄積されていた脂肪がエネルギーへ変換され、体内の脂肪量が少しずつ減少していきます。

脂肪には水分も多く含まれているため、脂肪の減少とともに体内の水分量が減り、結果的に体重の減少へとつながります。

水分には一定の重さがあるため、減少すると体重が顕著に減っていく様子が数値でみてとれるでしょう。

さらに、脂肪と水分量の減少は見た目の変化にもあらわれやすい傾向にあります。

また、糖質制限による水分量の減少は、糖質制限を始めてから2週間程度と早期にあらわれやすい点も、効果を実感しやすい理由です。

簡単にチャレンジできる

糖質制限は、糖質を制限するのみのシンプルで簡単なダイエット法となるため、チャレンジしやすい点が特徴です。

始めるためにお金がかからないばかりか、特別な準備の必要もなく、いつでも手軽に始められます。また、途中で糖質制限を止めてしまったとしても、再開するタイミングも自由です。

食事量の制限による空腹のストレスや過酷な運動など、取り組むうえでモチベーションを下げる要素もあまりありません。

糖質をうまく制限できなかったとしても失敗した感覚が小さいため、何度でもチャレンジしやすいダイエット法といえるでしょう。

筋肉が減りにくい

糖質制限では、筋肉が減りにくい特徴があります。ほかの食事制限によるダイエットに取り組んだ場合、体重の減少とともに筋肉量も減りやすい傾向があります。

筋肉量が減ると体内の基礎代謝量も少なくなり、ますます痩せにくく太りやすい体質になるでしょう。

また、基礎代謝量の減少は、リバウンドを引き起こす可能性を高めます。糖質制限に取り組むと、タンパク質の摂取により筋肉量が減少しないため、基礎代謝量が落ちた太りやすい体質にはなりにくいといえます。

むしろ基礎代謝量が増え、痩せやすい体質が手に入るでしょう。

過度な食事制限は不要

過度な食事制限は、糖質制限中は不要です。糖質制限は、食事量を減らすものではなく、糖質を制限するダイエット法です。カロリー制限を設けているわけではないため、糖質の摂取量さえ制限できれば問題ありません。

食事では、糖質以外の肉や魚、野菜などは、制限なく食べられます。

糖質以外の食べ物を多めに食べた場合、糖質に比べ消化に時間がかかるため、意識しなくても間食や食事量が減る可能性もあるでしょう。

精神的なストレスが少ない

糖質制限のメリットに精神的なストレスの少なさがあげられます。食事制限や過酷な運動によるダイエット法では、ダイエットに取り組んでいる期間に大きなストレスを抱える場合が多いものです。

その点、糖質制限では、過酷な食事制限を取り入れる必要がありません。

ダイエットが失敗するよくある原因には、ダイエット中に受けるストレスも影響しています。そのためダイエットを成功させたい場合、なるべくストレスを受けないように取り組んでいく必要があります。

空腹感によるイライラや食事量の少なさに対する不満などから解放される糖質制限は、精神的にも安定して痩せられるダイエット法といえるでしょう。

美肌効果が期待できる

糖質制限には、美肌効果が期待できます。美肌を保つ条件には、アミノ酸がバランスよく含まれた良質なタンパク質の摂取が求められます。

糖質制限中は、意識して肉や魚、卵、大豆などの良質なタンパク質や脂質を摂取するため、良質なタンパク質による美肌効果が期待できるでしょう。

また、皮膚のバリア機能を担う角質細胞にもタンパク質が不可欠です。

タンパク質の摂取により肌のハリや弾力もキープされるほか、シワや肌荒れなどの肌トラブルの予防改善につながります。

糖質制限のデメリット

糖質制限に取り組む際に想定されるデメリットを知っておくことで、不安を抱えずに取り組めるでしょう。

糖質制限のデメリットは、次の3つです。

体調が悪くなることがある
効果の感じ方は個人差が大きい
食事の量が極端に減ることがある

それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

体調が悪くなることがある

糖質制限に取り組んでいると、体調が悪くなる場合があります。体調が悪くなる要因は、極端な栄養バランスの偏りです。

糖質制限中、野菜を一切摂らずに肉や揚げ物などを中心とした食生活を送ると、太る原因となるでしょう。

たんぱく質の摂取が許されるといっても、野菜を摂らないと体内に必要な栄養素や食物繊維が足りない状態になります。

必要な栄養素が足りなくなると、動悸、めまい、息切れ、便秘などの不調を引き起こしかねません。糖質制限中は、たんぱく質ばかりの栄養バランスが偏った食生活を送らないようにしましょう。

効果の感じ方は個人差が大きい

糖質制限の効果には、個人差が大きい点を認識しておく必要があります。すぐに効果が実感できると聞いて始めた糖質制限でも、人から聞いたほど効果が得られないとやる気も失ってしまうでしょう。

しかし、効果が出るまでの期間には個人差があります。なかなか痩せられないからといってすぐに諦めるのではなく、長期的に取り組んでみましょう。

糖質制限に効果が出やすい方の特徴は、日頃から糖質の摂取量が多かったり、血糖値が高いという方です。

一方、脂分の多い食生活を送っている場合、脂肪によって太っている可能性が高いため、効果が出るまでには時間がかかるでしょう。

食事の量が極端に減ることがある

糖質制限を始めると、食事の量が極端に減る場合があります。体重の減少が数値としてみえると、効果の実感から体重を増やしたくない感覚になり、無意識に食事量を減らしてしまいがちです。

また、タンパク質や食物繊維の消化に時間がかかることで、食事量の低下につながる場合もあるでしょう。

いずれのパターンでも食事量を減らすと、体調不良を引き起こす可能性があるため、糖質制限のなかでも必要な栄養素の補給が大切です。

糖質制限の方法と効果を高めるポイント

糖質制限の方法と効果を高めるポイントは、次のとおりです。

肉や魚でタンパク質を摂取

糖質制限中は、血糖値の上昇抑制や筋肉量の維持のためにタンパク質の摂取は欠かせません。タンパク質の摂取は、糖質制限での減量効果を左右します。

食事制限によるダイエットでは、食事の量自体を減らすためにタンパク質も減らしますが、糖質制限ではタンパク質の摂取量は減らさずに多めに摂るようにしましょう。

主に、肉や魚に含まれる良質なタンパク質を意識して摂取しましょう。

肉や魚といってもどのメニューでも食べてもよいわけではなく、調理法には気を配り、できるだけ唐揚げやとんかつなどの揚げ物の摂取は控える必要があります。

また、タンパク質は食品によってそれぞれのアミノ酸スコアが異なるため、複数のタンパク質の摂取を心掛けましょう。

食物繊維を摂取

糖質制限中は、食物繊維の摂取も大切です。

食物繊維が多く含まれる野菜や海藻、きのこ類には、生命維持に欠かせないビタミンやミネラルがたっぷりと含まれています。また、消化されにくい性質から、食物繊維による腸内環境を改善する効果も期待できるでしょう。

タンパク質のみに偏ると腸内の悪玉菌が増殖し、腸内環境が乱れるばかりか、悪玉コレステロールにより血流が悪くなり、動脈硬化の原因にもなりかねません。

健康的に体重を落としていくためにも、糖質制限中はしっかりと食物繊維を摂取しましょう。

脂質は制限せずに摂取

3大栄養素である脂質は、糖質制限において、気にせずに摂取しても問題ありません。

脂質は、体内に取り入れたあと直ぐに脂肪に変わるわけではなく、細胞形成をサポートしたり、脂溶性ビタミンの吸収を保護したりする役割を担っています。

むしろ、野菜や海藻などから摂取したビタミンの吸収率を高めるために摂取した方がよい栄養素といえるでしょう。

体内の脂質が低下すると、エネルギー変換がうまく機能しない、細胞形成がサポートされないなどにより、疲れやすさや抵抗力の低下を引き起こします。

なお、脂質は体内で吸収されにくい性質を有しているため、取り過ぎた分すべてが使われるわけではありません。

食事のカロリーを計算する

糖質制限はカロリー制限により痩せるダイエット法とは異なります。

しかし、実際に糖質制限に取り組んでいると、糖質以外の食事によるカロリー量が気になる場合もあります。

カロリーを計算してみると、糖質以外の食品で満腹になっていたとしても、思ったほどカロリーが摂れていない場合もあるでしょう。

糖質制限によってカロリーが若干増える分は問題ありませんが、カロリーが少ないと不調の要因となるため注意が必要です。

食事のカロリーを計算すれば、糖質制限によりカロリー摂取が少ない状況を可視化でき、改善できる場合があります。

ストレスを溜めないやり方を見つける

糖質制限の効果を高めるためには、ストレスを溜めないようにしましょう。糖質制限は、ほかのダイエットと比較すると、ストレスのかかりにくいダイエット法です。

しかし、場合によっては、ご飯や麺類、お菓子など好みの食べ物が自由に食べられない状況に、大きなストレスを抱えるケースもあります。ストレスを抱えたまま取り組んでいては、糖質制限の継続が困難になるでしょう。

自身に合ったストレスを溜めないやり方を見つけ、無理をしなくても継続できるように工夫しましょう。

糖質制限の注意点

糖質制限の注意点は、次の3つです。

ダイエットに成功しないこともある

糖質制限では、ダイエットに成功しない場合もあります。必ず成功すると思い過ぎて取り組むと、結果が出なかったときのモチベーションの低下につながります。

元々の体質や体調、食生活によって個人差があるものと認識し、無理して成功に固執しすぎないようにしましょう。

また、短期間の目標体重を決めると、結果が伴わない場合に長続きしません。コツコツ継続して、痩せやすい体質の獲得を目指しましょう。

過度な糖質制限をしない

糖質制限では、過度な糖質制限に注意が必要です。糖質は、脳や体を動かすためのエネルギー源となる重要な栄養素です。

過度に糖質制限を進めてしまうと、体内から糖質が足りなくなり、疲れやすさや集中力不足につながりかねません。完全に糖質を制限するのではなく、適度な摂取を心掛けましょう。

適度な運動が必要

適度な運動を糖質制限に取り入れると、より高い効果が得られます。運動の種類は、有酸素運動と筋トレが最適です。とくに、糖質制限ではタンパク質を多く摂取するため、筋トレと相性がよいといえるでしょう。

タンパク質が多い状態で筋肉トレをすれば、筋肉量も効果的に増え、基礎代謝も多くなります。その結果、体内の糖質が代謝されやすくなり、糖質制限の効果の向上につながります。

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まとめ

糖質制限は、誰でも手軽に取り組めるダイエット法です。

しかし、食事量を減らす必要がないとはいえ、ただ単に糖質を制限すればよいものではありません。糖質制限のやり方を誤ると、体調を崩したり、リバウンドしたりと、思ったような結果につながりにくくなります。

タンパク質や食物繊維、脂質のバランスよく摂取し、正しい方法で糖質制限をすれば、さまざまなメリットが得られるでしょう。

本記事で解説した糖質制限のやり方や効果を高めるポイントを活用し、健康的な痩せ体質を手に入れてみてください。