ベースフードの考える「健康」第2回:食事にまつわる2つの基準

みなさん、こんにちは。ベースフード株式会社、代表の橋本舜です。

前回よりスタートした、BASE FOOD®を作るうえでの健康のスタンスを、全4回でお送りする『ベースフードの考える「健康」』。前回は、食事と健康を考えるうえで欠かせない、栄養の基準についてご紹介しました。

第2回となる今回は、現代人が健康を考えるうえで、ぜひ知っておきたい食事にまつわる「もう1つの基準」もご紹介したいと思います。

もくじ

食事摂取基準とハーバード食事プレート

今回お伝えしたい2つの基準。それは「日本人の食事摂取基準」と「ハーバード食事プレート」です。「日本人の食事摂取基準」は、前回も触れましたね。

「日本人の食事摂取基準」は、「健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、エネルギー・栄養素欠乏症の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すもの」です(厚生労働省より引用)「日本人の食事摂取基準」は5年に一度改訂され、内容がアップデートされています。

それに対して、ハーバード食事プレート(Healthy Eating Plate /「健康的な食事プレート」)とは、ハーバード公衆衛生大学院の栄養学専門家によって作られました。「健康にいい食材」「健康にわるい食材」やそれぞれのカテゴリーの食材バランスを分かりやすく解説し、健康でバランスの取れた食事の手引として、世界各国の言語で翻訳・紹介されています。

ハーバード食事プレートでは、全粒穀物・豆類等の健康的なタンパク源・野菜や果物・オリーブオイルなどの健康的な油、で構成される食事を推奨しています。ベースフードを監修するカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部助教授の津川 友介氏も、自著でこのプレートについて触れています。

栄養の基準、食材の基準

この2つの基準を紹介した背景は、「日本人の食事摂取基準」は栄養をもとにした基準なのに対して、「ハーバード食事プレート」は食材をもとにした基準という違いがあることに起因します。

どういうことなのか、人類と健康の歴史から説明させてください。

人類は有史以来、常に飢餓や栄養失調のリスクがそばにありました。15~18世紀の大航海時代には、栄養失調によって多くの船員が壊血病となり、命を落としています。しかし、地中海でオレンジ、レモンを食べながら航海する船員は、壊血病になる人が少なかったのです。

なぜ、柑橘類が壊血病に有効なのか。後年科学者たちの研究により、オレンジやレモンに含まれるビタミンCが、壊血病リスクを下げると判明しました。

「Aの食材が、Bの病気に効果的だ」から「Aの食材に含まれるビタミンCという栄養素が、Bの病気に効果的だ」へ、より詳細な事実が解き明かされてきたわけです。

そして現代、先進国を中心に世界ではもうひとつの食の問題と直面しています。それが「飽食」による肥満や生活習慣病です。これらは、人類の歴史で見れば極めて最近生まれた問題であり、研究者は現在進行系で「健康にいい食材」「健康にわるい食材」を調べ続けています。

オリーブオイルや全粒穀物を食べている人を調べると、そうでない人と比べ生活習慣病のリスクが低い。ですがまだ、それらの中の何の栄養素によるものか、はまだはっきりとしていません。このように、健康にいい影響を与えることが判明している食材を積極的に摂ろうというのが、「食材の基準」であり、その最新研究をまとめたものが、「ハーバード食事プレート」なのです。

両方の基準を満たすことが、現代版の「賢い食事」

現代社会には、栄養不足と飽食というふたつの食の問題があります。意外と見落とされがちですが、日本など先進国に住んでいても、栄養不足のリスクは隣り合わせなのです。

例えば、わたしたちは大航海時代のように壊血病で悩まされる機会は多くありません。しかし、一人暮らしでついファストフード中心の生活にすると、ビタミンCの欠乏は十分起こり得るので、病気や体調不良の原因になっているかもしれません。ビタミンCは熱に弱いため、ほとんどの食材に火が通るファストフードではビタミンCが少ないからです。加えて、日本人女性は鉄分とたんぱく質が不足がちとも言われます。

これら栄養不足の問題を解決するために、不足している栄養素のサプリメントを摂取することは有効といえるでしょう。ただ、それだけでなく、「ハーバード食事プレート」で紹介されている健康にいい食材を積極的に食べ、健康にわるい食材を控えるようにすることで、健康的な毎日を送ることができます。

「栄養の基準」と「食材の基準」。この2つの基準をできるかぎり満たした食事こそが、現代版のもっとも賢い食事と言えると思います。全粒穀物や豆類を主な食材とし、かつ栄養バランスのいい、ベースフードを役立てていただけると、うれしいです。

第3回の記事では、健康で重要な3要素~食事(栄養)と運動と睡眠~について、それぞれがいかに関係しあい、私達の健康を守ってくれているのかお話したいと思います。

橋本舜(はしもと しゅん)
ベースフード株式会社 代表取締役 1988年生まれ、大阪府出身。東京大学教養学部卒業後、株式会社DeNAに新卒入社。駐車場シェアリングや自動運転移動サービス等の立ち上げに従事。新規事業を担当し、社会課題と向き合う中、健康維持・病気予防の個人および社会における重要性を強く認識する。 2016年に「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」をミッションとするベースフード株式会社を設立し 、完全栄養の「BASE PASTA®」を開発。その後、「BASE BREAD®」「BASE Cookies™」の販売も開始し、さらなる新商品の開発、国内での普及及び海外展開に尽力している。
ベースフードの考える「健康」
第1回:健康に必要な栄養ってなに?
第2回:食事にまつわる2つの基準
第3回:栄養・運動・睡眠の「バランス」が健康の土台を作る
第4回:食事から考える幸せな生き方
もくじ