BASE FOOD Deli「BASE PASTA ボロネーゼ」開発担当者にお話を聞きました

2023年、BASE FOOD®︎から新シリーズ「BASE FOOD Deli」が登場します。シリーズ第一弾として2月から発売されるのが「BASE PASTA®︎ ボロネーゼ」。その開発を担当した4名のみなさんにお話を聞きました。

プロフィール(左から)

 

井出昌志 いで・まさし(ベースフード)

過疎化が進む農村の統合を提唱する大学教授のプロジェクトに携わるなかでベースフード代表と知り合い、2018年に入社。「BASE PASTA ボロネーゼ」では、完全栄養の麺の開発の、全体的な技術的サポートを担当。

 

大貫卓也 おおぬき・たくや(味の素㈱ 食品研究所)

味の素㈱に入社後、家庭用製品の素材・商品開発やCVS向け調味料の開発を経験。現在は、加工食品分野におけるおいしさの設計を担当する。「BASE PASTA ボロネーゼ」の開発では、ソースのレシピや工業化支援を担当。

 

山川武司 やまかわ・たけし(㈱Thank you)

「ラ・ロシェル」にてフレンチの鉄人・坂井宏之のもとで修行。その後、様々なジャンルの料理を経験し、㈱味の素コミュニケーションズに入社。現在は独立し、食に関するサポートに従事。「BASE PASTA ボロネーゼ」の開発では、ソースのレシピを担当。

 

西田征矢 にしだ・せいや (ベースフード)

大学院で「長期的で心理的負担の少ないダイエット」を目標としたダイエットフードについて研究したのち、2022年ベースフードに入社。「BASE PASTA ボロネーゼ」の開発では、井出とともに完全栄養の麺の開発を担当。

 

もくじ

冷凍パスタ開発の裏側と、めざしたこと

――Deliシリーズ「BASE PASTA®︎ボロネーゼ」が2月8日に発売されます。開発にはどのような経緯があったのでしょうか。

井出:BASE FOOD®︎の商品開発の根底にある「かんたん・おいしい・からだにいい」ものをつくる、というところに立ち返ると、冷凍食品の開発は必然でした。
冷凍することで保存料などを使用しなくて済むし、レストランのクオリティに最も近づくことができるんです。
そこで、まずはBASE PASTAの開発ですでに知見があったパスタの冷凍商品の開発からとりかかることにしました。

 

西田:今回はまず、社内評価が最も高かったボロネーゼから販売をスタートした形ですね。

 

――開発は味の素さんにもご協力いただいたと聞いています。二社での開発はどのように進めたのでしょうか?

井出:ベースフードは「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」というミッションを掲げているので、社内のメンバーは主食にフォーカスしようという方針をとっています。
そこで、麺の開発はベースフードが行い、ソースの開発は味の素さんにお願いすることにしました。

味の素さんは工場の細かなハンドリングまでを考慮して開発することを得意としていらっしゃるので、非常にありがたかったんですよ。
たとえば、レシピに「中火」と書いてあってもその感覚は人によってちがいますから、工場で一定の品質でつくるためにはその「中火」の強さを具体的な数値に落とすなどの調整が必要なんです。そういった調整の部分までご担当いただけたのが心強かったです。

 

大貫:それで、冷凍パスタのためにあたらしくつくられた麺を井出さんが当社に持ってきてくださり、それにあわせていろんなソースをためし、工場で再現できるかどうか確認し……という流れです。

 

山川:井出さんから「目標はレストランのソース」と聞いていたので、レストラン品質で、しかも麺と相性がよいソースをどれだけクオリティ高くレシピに落とし込めるかというのが挑戦でした。
手づくりのソースをそのままレシピに落とすだけなら簡単ですが、工場で量産できるレシピにするとなるとハードルがありますから。

 

工場との協働で実現したレストラン品質のボロネーゼソース

――「BASE PASTA®︎ボロネーゼ」のソースにはゴロゴロしたジューシーなお肉がたくさん入っていますよね。それもこだわりのひとつなのでしょうか。

山川:ゴロゴロ感は一番こだわったポイントですね。
開発に着手する前にチームのみんなで市販されているソースを何十種類とためしたのですが、「せっかくBASE PASTA用にゼロからつくるのだから、麺にあうだけでなく、特徴のあるソースにしよう」と話をして。
そこで、レストランで出てくるような、お肉がゴロゴロしていて煮こみ感のあるソースをつくることになりました。

大貫:お肉のサイズは工場でできる最大のサイズで、通常の2倍ほどのひき肉です。工場にもご協力いただいて実現することができました。

山川:お肉以外にベースのあじわいにもこだわって、デミソースに香味野菜の香りをくわえることでコクを出しています

 

――とても贅沢感のあるソースだなと思いましたが、そんな工夫があったんですね。山川さんは料理のプロであるシェフでいらっしゃいますが、現時点での商品に何点をつけられそうですか?

山川:まだこれからよくなっていく予定なので難しいですが、高得点をあげたいです。麺とソースがあわさった一つの料理として、いいところまでこられたと思います。

 

しっかり食べたいときも、BASE FOODを

――「BASE PASTA®︎ボロネーゼ」は一品で十分お腹いっぱいになれますし、夜にもぴったりですよね。

西田:そうですね。今までBASE FOOD®︎は朝・昼中心でしたが、このボロネーゼが出ることによって、夜も健康なラインナップで揃えられるようになったと思います。

 

井出:ダイエットやトレーニングをしていると食べるものの制限も大変だったりしますから、そういう方にも喜んでいただけるんじゃないかと思います。

――確かにそうですね。食事制限中にボロネーゼパスタはなかなか食べられないですよね。

井出:たんぱく質も36.7g入っているので、冷凍庫に入れておくと助かる商品になれるんじゃないかなと思っています。

 

――「BASE PASTAボロネーゼ」はDeliシリーズの第一弾ということで、今後の新商品の登場もたのしみです。少しだけどんな商品が出るかヒントを教えていただけませんか?

井出:日本ではあまり食べられていない、外国のソースをつかったパスタも今後登場する予定です。ユーザーのみなさんによろこんでいただけるおもしろいものができたと思うので、たのしみに待っていただけたらと思います。

 

豊かな食文化を、現代にあわせて進化させたい

――ありがとうございます。最後に、これを読んでいるみなさんに向けてメッセージをお願いします。

大貫:「BASE PASTA®︎ボロネーゼ」は味がしっかりしているので、ワインなどを飲みながら食べるのもいいかなと個人的に思っています。ワインであれば健康にもいいですし、お酒が好きで健康を意識している人にも食べてもらえるかなと。夜にぴったりだと思いますね。

 

山川:今は商品としていいところに辿り着けたという安堵感があります。ですが、今後も麺が改良されていくと思うので、それにあわせてソースも進化させないといけない。どんどん一緒に進化していければと思います。

 

西田:わたしは修士のときにダイエットフードについて研究していたのですが、「健康=努力しないといけないもの」とほとんどの人が思っているところがあるなと当時から感じていました。その固定観念を覆すために、今と同じような食生活で食事の栄養素だけが置き換わった状態をつくりたいと思っています。それが実現できたら努力は必要ないですよね。
そのために、味や香りといった狭義のおいしさだけでなく、体験や気持の変化など広義のおいしさもふまえて、これからも開発していきたいと思っています。
「健康的だから」というより「おいしいから」という理由で食べていただけるようにしたいです。

 

井出:現在冷凍パスタは 200円をきるような非常に安いものが一般的になっています。「BASE PASTA ボロネーゼ」のように本物のお肉を使ってしっかりおいしさを出すような試みをしている冷凍パスタは、徐々に増えてきてはいるものの、まだ圧倒的に少ないので、これを受け入れてもらえるだけの土壌があるのかというのが開発担当者としては最も気になるところです。

わたしたちは、完全栄養食は今の食文化と地続きであるべきだと考えています。
ですので、「BASE PASTA ボロネーゼ」も、栄養の面では画期的でありながら、現在みなさんに親しまれている麺の食感や食べ応えを目指して開発をしています。そうでないと麺にあわせるソースも既存のものを踏襲できず、食の文化の歴史が途切れることになってしまうからです。

これまで築かれてきた豊かな食文化を大事にしながら、みなさんの健康もサポートできる商品をつくっていきたいと思っているので、たのしんでいただけたらうれしいです。

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