私たちがエネルギーに変えることができる栄養素はたくさんありますが、大きく分類すると、5大栄養素と呼ばれる「タンパク質」「炭水化物」「脂質」「無機質」「ビタミン」の5つに分かれます。
特に「タンパク質」は、体を構成する重要な成分のひとつであり、体内の反応に欠くことのできない酵素、ホルモンなど重要な生命現象に関与しています。そのなかでも最近、注目が集まっているのが「植物性タンパク質」。大手食品会社で健康志向を意識した商品が開発されたり、大豆ミートが新聞で取り上げられるなど、話題を呼んでいます。
肉や魚などの動物性タンパク質でないのはわかるけれど、いったいどんな食べ物からとればいいんだろう?そんな方のために、毎日の食事に手軽に「植物性タンパク質」を取り入れる方法をご紹介します。
植物性タンパク質とは
米、小麦、大豆など、植物に含まれるタンパク質のことを「植物性タンパク質」と呼びます。
植物性タンパク質をとるメリットとしては、脂肪が少なく、動物性タンパク質のように飽和脂肪酸が過剰になる心配が少ないことがあげられます。
なかでも代表的なのが「大豆タンパク質」。脂肪と大豆タンパク質を同時に摂取すると、大豆に含まれる大豆サポニンが腸内で脂肪の再吸収を阻害し、さらに排泄を促進するという作用をもっています。
タンパク質をとりたいけれど、肉や魚などの動物性タンパク質では飽和脂肪酸が気になる……。そんなときに活躍してくれるのが「植物性タンパク質」といえます。
植物性タンパク質を多く含む食品
ひとことに「植物」といっても、その種類は穀物や野菜、豆類などさまざま。いったいどのような食品にタンパク質が含まれているのでしょうか。今回は植物性タンパク質の代表である「豆類」と「種実類」の中で、タンパク質含有量が多い食品をランキング形式でご紹介します。
※数値は100g中に含まれるタンパク質の成分値
豆類 TOP5
1位:湯葉(干し) 53.2g
2位:凍り豆腐(乾) 49.4g
3位:きな粉(脱皮大豆・全粒大豆) 36.8g・35.5g
4位:大豆(国産・乾) 35.3g
5位:あずきあん(さらしあん) 26.2g
出典:「新食品成分表」斎藤正光(2005)、一橋出版株式会社
種実類 TOP5
1位:らっかせい(煎り) 26.5g
1位:かぼちゃの種(煎り・味付け) 26.5g
3位:バターピーナッツ 25.5g
4位:ごま(煎り) 20.3g
5位:カシューナッツ(フライ・味付け) 19.8g
出典:「新食品成分表」斎藤正光(2005)一橋出版株式会社
きな粉やごまなど、身近な食材もランクインしていますね。種実類はナッツなど、おつまみとして販売されているものも多いので、カロリーや脂質などのバランスを見ながら取り入れるのがよさそうです。
植物性タンパク質を手軽に取り入れられるメニュー
いくら体に良いとわかっていても、必要以上の手間がかかると面倒で続けられないもの。そこで、スーパーなど身近な場所で手に入れられる食材をつかって、かんたんに植物性たんぱく質を取り入れられるおすすめメニューを3つご紹介します。
1. 甘い物が欲しいときに「ハニーナッツ」
アーモンドやくるみなど、栄養価の高いナッツを煎って蜂蜜につけた「ハニーナッツ」。栄養豊富で美容によいと評判で、メディアでもよく取り上げられていますよね。
ナッツは上で紹介した「種実類」に属し、植物性タンパク質が多く含まれている食品。自宅でつくることができるほか、蜂蜜専門店などで購入することができます。
さまざまな種類があるので、好みや効果に合わせて選んでみるのもたのしみのひとつ。たとえばアーモンド(乾燥・100g)には、若返りのビタミンと呼ばれるビタミンEが31.2mgも含まれているなど、タンパク質以外にも嬉しい栄養素がいっぱいです。
くるみはαリノレン酸という美と健康に欠かせない良質な油を豊富に含んでおり、飽和脂肪酸が多いのが嬉しいですね。蜂蜜は、ビタミン・ミネラルを多く含んでいますが、カロリーは砂糖の約2/3程度。お肌や体に嬉しい天然の甘味料です。
2.「豆乳きなこ」をアイスやホットで
豆乳は大豆を原料としているので、大豆由来の成分を豊富に含んでいます。また大豆イソフラボンの含有量が高く、強い抗酸化作用を持っているので、老化の防止や肌をみずみずしく保ち、更年期障害や血行不良の予防にもなります。
豆乳のタンパク質含有量は3.6gと決して多くはありませんが、同じく大豆を原料とするきな粉と合わせて飲むことで植物性タンパク質を効率よく摂取できます。
温めて飲んでも栄養価は落ちないので、季節や体調に合わせてアイスやホットで飲むと良いでしょう。鍋を使って加熱する場合は、沸騰させると豆乳の成分が固まって分離してしまうため、弱火でじっくりとあたためるのがポイントです。甘みが欲しい場合は、蜂蜜やオリゴ糖を足してもおいしいですよ。
3. 粉末だし付きの高野豆腐でかんたん調理
高野豆腐(凍り豆腐)は「タンパク質の王様」と言われているほど、とても栄養価が高い食品。「乾物でしょ?調理が面倒そう……」というイメージをお持ちの方もいるしれませんが、「粉末だし付き」の高野豆腐ならかんたんに調理できます。
作り方はいたってシンプル。フライパンに規定の分量の水と粉末だしを入れ、沸騰したら高野豆腐を入れます。あとは10~15分煮詰めればできあがりです。
火を使うのも面倒、という人は電子レンジでラップをかけずに5~10分加熱すればOK。おかずの一品にするもよし、汁気を切ってお弁当に入れるのもおすすめです。高野豆腐が余ったら、卵とじにしてご飯にかけて食べてもおいしいですよ。
「植物性タンパク質」を食生活に取り入れよう
植物性タンパク質は、豆類や種実類を中心にいろいろな食品に含まれています。今回紹介した以外にも、スーパーで購入できるものがたくさん。大豆由来の食品を取り入れてみたり、自分がよく購入する食べ物にはタンパク質がどのぐらい含まれているのか調べてみたりするのもおもしろいですよ。
ただし、健康な食生活は「継続」こそが大事。一時的に摂取すれば良いものではなく、日々の習慣にすることが大切です。まずは「間食をナッツにする」「おかずに大豆製品を選ぶ」など、おいしい!と感じられるものを毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
監修:星野春香、長沼里奈(管理栄養士)
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