インド発祥のスポーツ、カバディ。日本では「カバディ、カバディ…」とつぶやきながら試合をするイメージが有名ですね。「走る格闘技」と呼ばれ、攻守交代制で緻密な戦略と個人プレー、チームプレーが入り混じるカバディは、2021年4月に放送されたアニメ『灼熱カバディ』で注目を浴びています。
2014~2018年まで日本代表の主将を務め日本のカバディ界を牽引し、インドのプロリーグ経験もある下川 正將(しもかわ・まさゆき)さん。彼にカバディの魅力と、身体づくりで大切にしていることを迫りました。
走る格闘技「カバディ」の魅力
ー下川さんは、いつからカバディを始められたのですか?
下川さん 大学時代です。当時はカバディという名前すら知りませんでした。しかも、きっかけはすごくささいなことだったんです。
大正大学に入学したとき、部活動紹介の中にカバディ部があって。「有名人がカバディ部にいるらしい!」という噂を聞いて、新入生歓迎会も参加無料だったこともあり、一度訪れてみました(笑)
カバディは7人で行う攻守交代制のスポーツで、攻撃側は1人相手陣地に入り、相手選手にタッチして自陣に戻ると、タッチできた人数分ポイントになります。守備側は、相手選手を捕まえれば得点です。
いわば鬼ごっこみたいなルールですよね。僕は中高と野球を経験していて、結構体力に自信がありました。最初は「こんなの簡単だろう」とたかをくくっていたのですが、全然相手をタッチできないし、簡単に捕まってしまう…。
「シンプルなルールなのに、なんて奥深いんだろう」と。どんどん夢中になり、本気でのめり込んでいきました。
ーそのころから、日本代表にもなりたいと思っていたんですか?
下川さん まったく意識していなかったですね。ただ、学生時代は身近に日本代表がいる環境で練習していて、先輩が世界で戦う映像も何度も観ていました。自分もいつかはこうなりたい!と思うのに、時間はかかりませんでしたね。
ーなるほど。今日はオンラインで取材しているんですが、画面越しでも下川さんの体格のすごさがひしひし伝わります。
下川さん ありがとうございます。カバディは競技特性上、コートから相手をはじきだすなど、ラグビーに近いプレーも要求されます。最近では特に、世界的にフィジカルが重要視されているんですよ。
当たり負けしない、ケガをしない身体。そのうえで俊敏性、瞬発力がとても大切なスポーツです。
ーなんというか、カバディのイメージが一変するようなお話ばかりですね。
下川さん カバディは、他にはないスポーツだと思える点がたくさんあります。攻撃時は、相手陣地に一人だけしか入ることができないため、一次的に完全な個人競技となります。一方で、守備では全員で力を合わせ戦略を練り相手を捕まえます。2つの競技を味わえるようなスポーツなんです。
しかも、野球と異なり、守りでも相手選手を捕まえればポイントになるのが面白いですよね。守備も攻撃も、全員が主役になれるのがカバディのよさだと思います。
ー敵陣地に乗り込んで、得点して帰ってくるなんて、なんだかヒーローっぽいですね。
そうですね。やはり攻撃時、相手囲まれながらも味方が生還すると、すごく盛り上がります。しかもカバディは、まったく同じ状況で試合が続くわけではありません。攻撃時に捕まった選手、守備時にタッチされ逃げられた選手は、コート外で待機しなくてはいけません。
7人という人数が欠けてしまうことで、戦略も激変します。実際にルールを覚えると、その目まぐるしい展開に飽きることなく、試合を楽しめますよ。
カバディに求められる身体をつくるために
ーカバディには、どんな能力が求められますか?
下川さん 先ほど話した当たり負けしない身体、俊敏性、瞬発力のほかに、状況判断能力も求められます。たとえば守備の時、相手にタックルをして逃げられると、相手が触った選手+相手に触った選手の人数分、向こうに得点が入ってしまいます。
味方がタッチされ、相手を捕まえられない場合、大量失点を防ぐためにあえて追わないという判断にも迫られるんです。コンマ数秒で失点につながる一瞬の勝負なので、ちょっとでも弱気になるとそのまま均衡が崩れてしまいます。そういう意味では、強いメンタルも非常に重要ですね。
ーとてもシビアなんですね。下川さんは、どんなプレーを得意としているんですか?
下川さん 国際大会では、選手の体重は85kgに制限されています。海外選手だと、180cmオーバーで制限いっぱいの体重が非常に多いです。それに対して、僕は身長170cm、体重75kgと決して体格で恵まれてはいません。
そのため、一瞬でふところに入り、スペースを見つけて逃げるスピードや、相手をうまく誘い出して避ける機動力を武器にしています。
とはいえ、今はフィジカルが重視されている時代です。どんなにテクニックがあっても、体重差で動きがつぶされてしまいます。スピードが落ちない、でも体重差で圧倒されないための体格管理を、細かく意識しています。
ー身体づくりでは、どんなことを意識しているんですか?
下川さん やはり食事とトレーニング量ですね。トレーニングは身体を大きくする意識で、高重量のウェイトトレーニングを取り入れるようになりました。いわゆるBIG3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)を中心に、部位別に分けてトレーニングしています。
最近では、パーソナルトレーナーに教わりながら、より瞬発力・俊敏性を高める動作トレーニングもしていますね。
ートレーニングの試行錯誤で、特に効果を感じたものはありますか?
下川さん ブルガリアンスクワットという種目が一番きつくて、効果があると感じています。
カバディの競技特性上、相手にタッチをしに行く時や細かい切り返し動作の時など、片足に体重をかける瞬間が多々あります。それに加えて、試合中は低い体勢で動き続けることが大切です。
ブルガリアンスクワットは「片方ずつの臀部に体重がしっかり乗っているか」「股関節まわりをうまく使えているか」など、臀部を強化すると同時に身体の使い方をより意識して鍛えることができます。
ブルガリアンスクワットを行うことで、その感覚を養うことができ、パフォーマンスアップにつながるのではないかと期待しています。
気軽・手軽に必要な栄養を摂取できる
ー食事で意識していたことは、どんなことですか?
下川さん 1日5食を心がけるようにしました。一度の食事でおなか一杯食べるというよりは、小分けにして食べるという感じです。僕は太りやすい体質なので、脂質と糖質を抑えつつ、たんぱく質を体重の3倍の量(単位は「g」)摂るようにしました。
何より重要なのが、当たり前ですがバランスよく食べることです。たんぱく質もプロテインに頼りすぎず、食材から摂るようにして。野菜、肉、魚と、まんべんなく栄養素を摂るようにしました。
3食だけでなく、朝・昼の間、昼・夜の間に間食いれて、回数増やして細かく分けて、一度におなか一杯ではなく、小分けでカロリー多すぎず少なすぎず、
ー身体作りをきっかけに、食べることが増えた食材はありますか?
下川さん 午前中は、バナナやキウイなどのフルーツを食べていました。昼、夜は野菜を多めにしましたね。食材は絞っていませんでしたが、よく鶏むね肉、ブロッコリー、アボカド、人参、豆類などを食べていました。
間食はBASE FOOD®一択です。朝に食べることもありましたね。間食は勤務の合間の隙間時間で摂っていたので、手軽に食べられる+たんぱく質をはじめとした栄養素が豊富という点は、とても助かりました。
ー隙間時間というと、やはりメインで食べていたのはBASE BREAD®ですか?
そうです。甘いのが好きなので、チョコやメープルをよく食べています。あと、新商品としてBASE Cookies®が出たじゃないですか。ちょっと小腹がすいたとき、以前ならお菓子を間食することも多かったんですね。
でも、お菓子だと栄養やカロリーバランスが崩れてしまいます。そんな悩みに、BASE Cookies®はベストだと思います。今後は小腹が空いても、捕食として積極的に食べられるのでとても楽しみです。
ーBASE FOOD®はいつ頃から食べ始めたんですか?
約8ヶ月前くらいだと思います。もともと完全栄養食にも興味があって。プロテインだと接種できるのはたんぱく質だけで、水がないと飲めないし、どうしても空腹感を覚えてしまうなと。実際に食べてみて、本当にいいものだなと再認識しました。
BASE BREAD®はそのまま食べることが多いですが、休日の朝食や昼食は、BASE PASTA®で料理することも多いです。普段はパスタソースと和えることが多いですが、最近タイの焼きそば「パッタイ」風に料理すると、すごくおいしいことに気づいたんですよね(笑)。
ーパッタイ風!今度私も試してみます(笑)。
下川さん BASE FOOD®は隙間時間や練習後に、必要な栄養素を手軽にすばやく摂取できるのが大きな魅力です。種類が多くて飽きないし、成分にも添加物がないので、安心感も大きいです。
経験を積んで30代になり、若いころのように勢い任せでは難しい場面も出てきました。プレースタイルも変化していますし、身体のケアやその日のコンディションも細かく意識するようになりました。最近は食事や運動だけでなく、睡眠の重要性も強く感じるようになりましたね。
カバディの魅力を日本にもっと広めたい
ーそうした下川さんのケアやパフォーマンスの向上に、BASE FOOD®が役立っていたらうれしいです。最後に、今後の目標を教えていただけますか?
下川さん 新型コロナウイルスの影響は、世界中に及んでいます。ライバル国も練習できない状況が続いていますが、だからこそ今何をやるかで、大きな差が出ると感じています。
日本代表としては、4年に1度のアジア競技大会が、来年2022年に中国・浙江省の杭州市で開催されます。そこでメダルを獲れるよう、パワーアップの準備をしている最中です。そして、2026年のアジア大会は愛知県で開催されます。母国開催でやる以上、金メダルを目指して頑張りたいですね。
さらに、競技者としての目標に加えて日本でのカバディ普及にも力を入れたいです。『灼熱カバディ』の影響で認知度は上がりましたが、競技を続ける環境やマイナー競技ゆえの資金難など、問題は山積みです。ちゃんとカバディという競技でお金を生み出し、選手が生活できるようになるにはどうすればいいのかを考えながら、日本カバディ界の発展を目指したいですね。
オリンピック競技以外にも、たくさんの魅力あるスポーツがあります。その中の一つであるカバディの魅力について、より多くの方々に届けていきたいです。