つけ麺とラーメンはどちらも日本の国民食として広く愛されていますが、具体的な違いを知らずに楽しんでいる方もいるでしょう。
つけ麺とラーメンの主な違いは、茹でたあとの麺の処理やスープの濃度、温度などです。
それぞれの違いや特徴を正しく理解できると、好みや気分、体調にあわせた一杯を選びやすくなります。本記事では、つけ麺とラーメンの違いや健康への影響、失敗しない選び方について解説します。
また、罪悪感なくラーメンを楽しみながら、健康管理も重視したい方におすすめのベースラーメンもあわせて紹介するため、ぜひ参考にしてください。
【この記事の結論】
- つけ麺とラーメンの決定的な違いは、麺を冷水で締める工程の有無とスープの濃度
- 麺の量や提供の仕方にも違いがある
- 麺量が多いつけ麺のほうがカロリーが高くなりやすい
- ラーメンはスープを飲み干すと脂質と塩分の摂りすぎになりやすい
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つけ麺とラーメンの決定的な違いとは(比較表あり)

つけ麺とラーメンの大きな違いは、茹でたあとの麺の処理とスープの濃度です。ほかには、麺の量や提供状態も異なります。
両者の違いをまとめた比較表は、次のとおりです。
【つけ麺とラーメンの違い一覧】
| 項目 | ラーメン | つけ麺 |
|---|---|---|
| 麺の温度 | 熱々(茹で上げ直後) | 冷たい(冷水で締める)※あつもり可 |
| 茹でる前の麺の量(並) | 130g〜160g程度 | 200g〜250g程度 |
| スープ濃度 | そのまま飲める濃度 | 濃いめ(割りスープ前提) |
| 提供状態 | スープに麺が入った状態で提供される | つけ汁と麺は別の器で提供される |
各項目について詳しく解説します。
最大の違いは「麺を冷水で締める」工程の有無
つけ麺は、茹で上げた麺を冷水で十分締めてから提供されます。冷水で引き締まった麺は、強いコシと弾力が特徴です。温かいつけ汁に冷たい麺をつける食べ方が一般的ですが、冷たい麺を入れることでスープが冷めるのを避けたい場合には、あつもりにするとよいでしょう。
あつもりとは、一度冷水で締めた麺を再度お湯にくぐらせ、温かい状態で提供するスタイルのことです。一方、ラーメンには麺を冷水で締める工程はありません。茹で上がった麺と熱々のスープは、一つの器で提供されます。
スープの役割:飲むための「スープ」か、浸すための「タレ」か
ラーメンのスープは、そのまま飲むことを前提として味のバランスが整えられています。一方、つけ麺のスープ(つけ汁)は、麺をつけて食べるタレとしての役割を持つため、塩分や旨味を濃縮して作られることが多いです。
つけ麺のスープには、次のような工夫がなされています。
- 濃厚な旨味: 煮干しやかつお節などの魚介類、鶏ガラや豚骨などを煮込んで旨味を引き出す
- 深みやコク:香味野菜、醤油や味噌などの調味料を加えてさらに煮込み、濃厚で深みのあるスープに仕上げる
- 高い粘度: 麺にスープが十分絡むよう、とろみを調整する
つけ麺とラーメンとでは、スープの役割が異なるため濃度にも違いがあり、基本的にラーメンはサラッと、つけ麺はどろっとしたスープに仕上げます。
【一覧表】麺量・温度・味の構成要素を比較
つけ麺とラーメンの麺量、温度、味の構成要素の違いをあらためてまとめた一覧表は、次のとおりです。
| 項目 | ラーメン | つけ麺 |
|---|---|---|
| 麺量(並盛・茹でる前) | 130~160g程度 | 200~250g程度 |
| 温度 |
|
|
| 味の構成要素 |
|
|
つけ麺とラーメンとでは、麺の量に加えて温度管理の違いも大きく、熱々で提供されるラーメンと異なり、つけ麺は冷たい麺との一体感を重視して、スープを熱くしすぎない店舗もあります。
また、ラーメンのタレや出汁は店舗や地域によりさまざまで、味わいは多種多様です。対して、つけ麺のスープはつけダレとしての役割があるため、多くの店舗で独自性よりも、濃厚でオーソドックスな味付けに仕上げることが重視されます。
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【数値検証】つけ麺とラーメン、太りやすいのはどっち

ラーメンよりつけ麺のほうが、カロリーが高くなりやすいため並盛を完食した場合、つけ麺のほうが太りやすい傾向があります。ただし、ラードを大量に使用したり、背脂をたっぷりトッピングしたりするラーメンは、つけ麺より太りやすいこともあります。
どちらもヘルシーな料理ではないため、食べ方を工夫して健康管理につなげるとよいでしょう。たとえば、糖質を控えたい場合は麺を減らす、脂質と塩分を気にするならスープを残す食べ方が有効です。
それぞれの目安となる数値を参考にしながら、健康維持に役立つ食べ方や注意点を解説します。
カロリー比較:麺量が多い「つけ麺」が実は高カロリー
カロリーの総量のみで比較すると、麺の量が多いつけ麺の方が高くなる傾向があります。文部科学省の『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』によると、中華麺(生)100gあたりのカロリーは249kcalです ※1。
つけ麺(生麺250g)とラーメン(生麺150g)のカロリー目安の比較表は、次のとおりです ※1。
| 項目 | 麺のみのカロリー(茹でる前) | 総カロリー |
|---|---|---|
| 塩ラーメン | 374kcal | 438kcal |
| 醤油ラーメン | 374kcal | 440kcal |
| 味噌ラーメン | 374kcal | 621kcal |
| つけ麺 | 623kcal | 844kcal |
※料理1杯分
つけ麺はラーメンよりも麺の量が多いことが一般的なため、同じ並盛でもカロリーに差が生じやすいです。大盛りや特盛りを注文すると、カロリーはさらに増えるため注意が必要です。
カロリーコントロール中につけ麺を食べる際は、麺少なめで注文できる店舗を選ぶことをおすすめします。
塩分・脂質比較:スープを飲み干す「ラーメン」のリスク
ラーメンはスープを飲み干すと、塩分や脂質の摂りすぎになる場合があります。つけ麺とラーメン、1食あたりの塩分および脂質量を比較した表は、次のとおりです ※1。
| 項目 | 塩分 | 脂質 |
|---|---|---|
| 塩ラーメン | 6.79g | 11.0g |
| 醤油ラーメン | 6.75g | 9.1g |
| 味噌ラーメン | 6.8g | 18.9g |
| つけ麺 | 5.6g | 21.0g |
※料理1杯分
上記の数値はあくまで目安で、濃厚こってり系や背脂がたっぷり入ったラーメンなどは、塩分や脂質の量がさらに高くなる傾向があります。
つけ麺の脂質は高めですが、麺をつけ汁に浸すスタイルであるため、スープさえ飲み干さなければ、摂取量を抑えられます。対して、ラーメンはスープを完飲すると、1食のみで1日に推奨される塩分摂取量を超える可能性があるため注意が必要です。
厚生労働省が定める1日あたりの塩分摂取目安量は、男性が7.5g、女性が6.5g未満です ※2。高血圧治療をしている方は、6.0g未満が推奨されています ※2。
健康を意識する場合は、ラーメンのスープは残すことをおすすめします。
結論:糖質制限なら麺を減らす、脂質制限ならスープを残す
健康管理中に麺類を食べる際は、自身の優先順位にあわせ、工夫して食べることが重要です。糖質を抑えたい場合は、麺の量が比較的少ないラーメンを選ぶか、つけ麺の麺を少なめでオーダーするとよいでしょう。
脂質や塩分を控えたい場合は、スープを飲み干さないことが効果的です。加えて次のような食べ方を実践すると、栄養バランスの偏り対策や基礎代謝の維持につながります。
- 【野菜を増やす】 野菜が多いメニューを選ぶ、追加で野菜をトッピングする
- 【たんぱく質を摂る】 チャーシューや卵などの具材から、筋肉の構成要素となるたんぱく質を補う
- 【食べる順番】 食物繊維、たんぱく質、炭水化物の順で食べて血糖値の上昇を緩やかにする
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状況別・失敗しないメニューの選び方

食事の満足度を高めるためには、その日の気分や体調にあわせて最適な一杯を選ぶことが重要です。麺のコシと風味を味わいたいとき、体を温めたいとき、食事時間を短縮したいときにおすすめのメニューをそれぞれ紹介します。
「麺そのもの」のコシと風味を味わいたいとき
おいしい麺を思い切りすすりたい気分の日には、つけ麺が適しています。冷水で引き締まった麺は、温かい麺とは異なる強いコシと弾力が生じます。
噛むほどに広がる小麦の香りや、つるつるとした喉越しは、つけ麺ならではの魅力です。とくに、自家製麺を使用している店では、麺そのものの個性が際立つでしょう。
麺の食感を最優先したいときは、太麺を噛みしめて食べることで満足感を得られるつけ麺がおすすめです。
最後まで熱々で体を温めたいとき
寒い冬の日や、冷房で体が冷え切った日には、ラーメンをおすすめします。熱々の状態で提供されるラーメンは食べると、体の内側から温まります。
器から立ち上る湯気や、スープと麺が一体となった温かさは、冷えた体に染み渡るおいしさです。体を温める効果をさらに高めたい場合は、次のメニューも検討するとよいでしょう。
- 【辛味のあるラーメン】 唐辛子やスパイスの作用で発汗を促し、代謝を高める
- 【とろみのあるラーメン】 あんかけラーメンや広東麺などは保温性が高く、最後まで熱々の状態を味わえる
- 【味噌ラーメン】 味噌や生姜が使用されていることが多く、体が温まりやすい
猫舌や食事時間を短縮したいとき
食事を手短に済ませたいときには、冷ます時間を短縮できるつけ麺が非常に食べやすく便利です。また、麺が冷たいつけ麺は、熱々のスープにつけても適温になりやすいため猫舌の方でも食べやすく、口の中を火傷するリスクを減らせます。
麺を浸す時間を調整すると、より好みの温度で食べやすくなるでしょう。さらに、ラーメンのように早く食べないと麺が伸びる心配がないため、食べるペースがゆっくりな方にもおすすめです。
短時間で快適に食事を楽しみたいときに、つけ麺はよい選択肢となります。
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BASE RAMENが「ラーメン好きで健康を気にする人」に選ばれる理由

ベースラーメンは、ラーメンのカロリーや塩分が気になる方に、新しい選択肢として注目されています。罪悪感なく食べられるように栄養バランスを重視して作られており、おいしさと健康を両立させたい現代人のためのラーメンです※24。
ラーメンを食べながら健康を維持したい方にベースラーメンをおすすめする3つの理由を、詳しく解説します。
一般的な麺と比較して塩分約30%OFF
ベースラーメン1個あたりの塩分量は4.4gで、一般的な中華麺(カップ麺)と比較して塩分量が約30%もカットされています※24 ※26。専門店のラーメンやカップラーメンの中には、スープを飲み干すと1食で1日あたりの塩分摂取目安量を超えるものもあるため、食べる量を考える必要があります。
しかし、塩分量のチェックや摂取量の調整が毎回続くと、手間に感じられラーメンを素直に楽しめなくなるでしょう。一方、塩分が控えめなベースラーメンなら、安心して食べられます※24。
カップ麺なのに33種類の栄養素が摂取できる
ベースラーメンは、1食でからだに必要な33種の栄養素がバランスよく摂れる商品です※15。たんぱく質や食物繊維はもちろん、普段の食事では不足しがちなビタミンやミネラルまで効率よく摂取できます。
麺類を主食にすると栄養バランスが偏りやすいと感じ、ラーメンを我慢している方は、健康維持に役立つベースラーメンを新たな選択肢に加えるとよいでしょう。
ベースラーメンは、過剰摂取を控えたい塩分は控えながら、1食で1日に必要な栄養素の1/3を摂取できる頼もしい存在です※15。
好みで選べる本格的な味わい
ベースラーメンの種類と特徴は、次のとおりです。
- 鶏ガラ醤油ラーメン:旨味成分が多い最高ランクの醤油と、利尻昆布の出汁を使用。食べ飽きしないスッキリとした後味
- 味噌ラーメン:2種類の信州味噌をブレンド。豊かな香りとまろやかな風味が感じられる
ベースラーメンは、忙しい現代人のライフスタイルにあわせて、調理の手間を減らしています。お湯を注いで4分待つのみで、誰でも手軽に本格的なラーメンが食べられる点が魅力です。
仕事で疲れて帰宅した夜や、時間のない日の昼食でも、さっと準備してすぐに栄養バランスのよい食事が摂れるでしょう。
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自宅で作る際の麺とスープの使い分け

専門店のようなつけ麺を自宅で楽しみたい場合、専用の麺やスープがなくても、一般的なラーメンの材料で代用できます。本格的な味わいに近づけるためには、生麺の茹で方や冷やし方、つけ汁の作り方に工夫が必要です。
自宅でつけ麺を手作りする際に重視すべきポイントを2つ紹介します。
市販ラーメン麺での代用方法
スーパーで手に入るラーメン用の生麺を代用する際は、次の2点を意識するとよいでしょう。
- 麺はたっぷりのお湯で茹で、麺の太さにあわせて茹で時間を調整する
- 流水でよく冷やし、もみ洗いでぬめりを取る
麺1玉に対して約1Lのお湯を沸かし、細麺は3~4分、中太面は4~5分、太麺は5~7分を目安に茹でましょう。1本食べてみて、麺の中心に針先くらいの芯が残った状態が理想です。
ザルにあげた麺は流水でよく冷やしてから、両手でもみ洗いをしてぬめりを十分取ります。水気を切ったあと、さらに手で軽く麺を押して残った水気も切るとつけ汁が薄くなりにくいです。
本格的なつけ汁を作るコツ
市販のラーメンスープを使用してつけ汁を作る場合、記載されているお湯の量より少なめに注ぎ、好みの濃さに調整しましょう。ラーメンと同じ濃度では、麺をつけたときに味が薄く感じるため、濃いめに希釈してください。
さらに、次の調味料や具材を加えることで、より本格的な味に近づきます。
- 【酢と砂糖】 酢小さじ2杯、砂糖小さじ1杯程度加えると、つけ麺特有の甘酸っぱさとコクが出る
- 【魚類の粉末だし】 鰹や煮干しなどの粉末だしを加えると、魚介豚骨のような濃厚な風味が加わる
- 【具材を煮込む】 豚バラ肉や長ネギを炒めてスープと一緒に煮込むと、脂の甘みと旨味が溶け出る
手軽な材料をプラスすると、いつものラーメンスープを濃厚なつけ汁にアレンジできます。
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つけ麺とラーメンに関するよくある質問(FAQ)

最後に、つけ麺とラーメンに関するよくある質問にQ&A形式で回答します。つけ麺がなぜラーメンではないといわれるのか気になる方、つけ麺の正しいマナーやスープ割りを注文するタイミングについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
つけ麺はなぜ「ラーメンではない」と言われるのですか?
ラーメンとは、中国から伝わった麺料理を日本人向けにアレンジしたもの全般を指すため、大きなくくりではつけ麺もラーメンの一種です。
ただし、調理工程や麺の量、スープの濃度や、提供の仕方、温度などさまざまな違いがあるため、別の料理ジャンルとして支持されています。
つけ麺の正しいマナーはありますか?
つけ麺には厳しいルールはありませんが、おいしく食べるためのポイントはいくつか存在します。麺をスープにつける際、一度に大量の麺を入れるとスープの温度が急激に下がるため、一口分ずつ、麺の全長の2/3程度を浸して食べることをおすすめします。
麺をすする際の音は、日本国内のラーメン店やつけ麺店であれば、風味を楽しむ行為として許容されており、マナー違反とはなりません。
スープ割りの注文タイミングはいつですか
スープ割りを注文するタイミングは、麺が完全になくなったときが一般的です。スープ割りとは、麺を食べ終わったあとに残った濃いつけ汁を、出汁やお湯で割り飲みやすくするサービスのことです。
だしポットがテーブルに置いてある店舗もあれば、店員に声をかけたら提供される店舗もあります。
油そばとの違いは何ですか
油そばとつけ麺の大きな違いは、スープがほぼない状態で提供されることです。油そばは、丼の底にある特製の醤油タレと油を、茹でたての熱い麺全体に絡めて食べます。
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まとめ

つけ麺とラーメンの違いは、茹でた麺を冷水で締める工程の有無や麺の太さ、量、スープの濃度、提供温度などです。また、それぞれの特徴にも違いがあり、つけ麺は麺そのものの風味や食感を直接楽しめる一方、ラーメンは熱々のスープと麺の一体感が魅力です。
カロリーを抑えたいときは麺の量を減らし、塩分を控えたいときはスープを残すと健康維持に役立ちます。健康を気遣いつつ、ラーメンを残さず完食したいときや、罪悪感なく楽しみたい場合には、栄養バランスが整ったベースラーメンを取り入れることも選択肢の一つとなります。
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<参考文献>
※1 文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
※2 農林水産省|適塩でおいしく食べよう

監修:松浦ひとみ(管理栄養士)
大学にて応用栄養学、食品科学に加え栄養教育など幅広く学び、管理栄養士免許、栄養教諭免許を取得。給食提供だけでなく、食育、アレルギー対応、離乳食講座や食事の指導・相談・提案などへ重点的に取り組む保育園の管理栄養士として勤務。さらにオンラインフードクリエイターの資格取得後は、フードライターとして料理写真の撮影に従事。さらにWeb上メディアにて記事執筆、レシピ開発・監修のほか、オンライン食事指導など、フリーランス管理栄養士として活動する。


