長期保存が可能で軽量で持ち運びしやすい乾パンは、非常食に用いられることが多い食品です。乾パンは普段の食事で口にすることが少ないため、原材料や栄養価などは詳しく知らない方も多いでしょう。
そのため、乾パンを食べても体に悪い影響が出ないか、気になる方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、乾パンは体に悪いのかどうかを詳しく解説します。また、乾パンのカロリーや糖質、食べる際の注意点もあわせて紹介します。
乾パンの体への影響や、災害時以外の食べ方のポイントを知りたい方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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乾パンは体に悪い?
乾パンに含まれる糖質やカロリーは、実際どのくらいあるのでしょうか。ここでは、乾パンに含まれる糖質やカロリーに焦点を当てて解説した後に、乾パンの糖質とカロリーを、他のお菓子とも比較してみます。
原材料
乾パンは複数のメーカーから発売されており、商品ごとに使用されている原材料は異なりますが、一般的な乾パンの原材料は次のとおりです。
- 小麦粉
- 砂糖
- ショートニング
- 食塩
- イースト
商品によっては、氷砂糖や金平糖などが加えられている場合もあります。
カロリー
一般的な乾パンは、1缶あたり100g程度です。日本食品標準成分表における、乾パン100gあたりのカロリーは、386kcalです※1。乾パン1個は約3gのため、1個あたりで計算すると、12kcalとなります。
炊いたごはん(白米)のカロリーは100gあたり156kcalのため、白米と乾パンを比較した場合、乾パンの方が高カロリーであることがわかります※1。乾パンを食べすぎるとカロリーオーバーになり、太る場合があるため、注意が必要です。
乾パンは非常時でも効率よくエネルギーを補える優れた食品ですが、その分カロリーも高いことを把握しておきましょう。
糖質量
次に、乾パンの糖質量も見ていきます。乾パンの糖質量は、100gあたり75.7g、1個あたりでは2.3gです※1。ごはんの糖質量は、100gあたり35.6gのため、乾パンは糖質が多く含まれていることがわかります※1。
糖質はからだや脳のエネルギー源となるため、不足しないように補うことが大切です。しかし糖質を摂りすぎると、消費されなかった糖質が中性脂肪として蓄積されるため、ダイエット中の方や健康に気をつけている方は、過剰摂取はよくありません。
また、糖質の過剰摂取は、糖尿病や動脈硬化症などのリスクが高まるため、注意が必要です。乾パンのように糖質が多く含まれている食品は、食べる量をコントロールして、食べすぎないように注意しましょう。
他のお菓子と比較
乾パンは他のお菓子に比べて、カロリーや糖質は多いのでしょうか。ここでは乾パンと、ビスケット、クッキー、サブレ、クラッカーなどのお菓子を比較してみます。乾パンと他のお菓子のカロリーおよび糖質は、次の表のとおりです※1。
カロリー(kcal) | 糖質(g) | |
---|---|---|
乾パン | 386 | 75.7 |
ビスケット | 422 | 75.5 |
クッキー | 512 | 61.2 |
サブレ | 459 | 72.2 |
クラッカー | 421 | 72.3 |
乾パンは他のお菓子に比べて、糖質が多く、カロリーが低めであることがわかります。乾パンは災害時のエネルギー補給としての役割を担うため、体や脳を動かすための重要なエネルギー源となる糖質の含有量が、他のお菓子よりも多めです。
乾パンは上記に挙げたお菓子よりもカロリーは控えめですが、ダイエットに適しているような低カロリー食品ではありません。乾パンを食べすぎると太りやすくなるため、乾パンの過剰摂取は控えましょう。
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乾パンに入っている氷砂糖が体に悪い?
乾パンの種類によっては、乾パンと一緒に氷砂糖が入っている場合があります。乾パンを食べすぎると、中性脂肪がつきやすくなったり、体に不調をきたしたりする恐れがありますが、乾パンに入っている氷砂糖は体に悪いのでしょうか。
ここでは、氷砂糖が乾パンと同じパッケージに入っている理由や、氷砂糖のカロリーや糖質について、解説します。
氷砂糖が入っている理由
乾パンに氷砂糖が入っている理由には、次の2つが挙げられます。
- 糖質補給のため
- 唾液の分泌を促して食べやすくするため
氷砂糖は砂糖の主成分であるショ糖を結晶化したものです。乾パンは災害時の非常食に用いられることが多いですが、災害時は食料が不足しやすいため、乾パンに氷砂糖を入れることで、エネルギー源となる糖質の補給に役立ちます。
乾パンは水分が少ないため、食べると口が渇きやすくなりますが、氷砂糖を口に含むことで、口腔内の唾液が増えて乾パンが食べやすくなります。災害時は飲み物が十分にあるとは限りません。
そのような場合でも、乾パンに氷砂糖が入っていれば、水分がなくても乾パンが食べやすくなります。
カロリー・糖質量
氷砂糖100gあたりのカロリーは394kcal、糖質量は100gです。一般的に乾パン1缶(100g)につき、15g程度の氷砂糖が入っているため、1缶あたりの氷砂糖のカロリーは59kcal、糖質量は15gです。
乾パンに含まれている氷砂糖は、たとえ重量が少なくても、カロリーや糖質量は低くはないため、食べすぎると太りやすくなります。体重増加が気になる場合は、乾パンのみでなく、氷砂糖の食べすぎにも気をつけましょう。
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乾パンに含まれる主な栄養
乾パンのカロリーや糖質量はわかりましたが、乾パンにはその他にどのような栄養素が含まれているのでしょうか。ここでは、乾パンに含まれる主な栄養素を解説します。
炭水化物
乾パンに一番多く含まれている栄養素は、炭水化物です。乾パン100gあたり、78.8gの炭水化物が含まれています※1。炭水化物と糖質は混同されやすいですが、炭水化物は糖質と食物繊維の総称のことであるため、厳密には炭水化物と糖質は異なります。
炭水化物のうち、糖質はエネルギーとして使用されますが、食物繊維はエネルギーとして使用されません。炭水化物の大部分は糖質のため、炭水化物が豊富な乾パンは災害時のエネルギー補給に適しています。
たんぱく質
乾パンにはたんぱく質も含まれており、100gあたりのたんぱく質量は9.5gです※1。たんぱく質は、筋肉や臓器、髪の毛、皮膚などの体を構成する成分や、ホルモンや酵素、抗体などの体の機能を調整する成分となる重要な栄養素です。
そのため、たんぱく質の摂取は健康な体作りにはかかせません。たんぱく質は糖質や脂質同様に、エネルギーを産生する栄養素でもあるため、たんぱく質が含まれている乾パンは、災害時のエネルギー補給に役立ちます。
ミネラル・ビタミン
乾パンには、ミネラルやビタミンなどの栄養素も含まれています。ミネラルやビタミンは、直接エネルギーを産生するわけではありませんが、体の調子を整える働きがあるため、健康な体を維持するために欠かせない栄養素です。
乾パンには、糖質の代謝をサポートするビタミンB1や、強い抗酸化作用があり血液の流れをよくするビタミンEなどのビタミンが含まれています。またミネラルは、骨を強くするカルシウムや、貧血を予防する鉄や銅などが含まれています。
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災害時以外に乾パンを食べる際の注意点
災害時のために乾パンを常備していても、乾パンにも賞味期限があるため、賞味期限が迫ってくると、災害時ではなくても乾パンを食べる場合があるでしょう。災害時のエネルギー補給に適している乾パンですが、災害時ではないときに食べる場合には、気をつけるべきポイントがあります。
ここでは、災害時以外に乾パンを食べる際の注意点を解説します。ぜひ普段の生活で乾パンを食べる場合の参考にしてみてください。
食べすぎない
先ほど解説したように、乾パンはカロリーや糖質が低い食品ではありません。そのため、災害時以外に乾パンを食べる場合は、食べすぎないように注意しましょう。
糖質は体や脳のエネルギー源となりますが、過剰摂取するとエネルギーとして使用されなかった分が中性脂肪として蓄積されるため、太りやすくなります。間食のカロリーは1日あたり200kcalが目安です※2。
乾パン1個は12kcalのため、災害時以外で乾パンを食べる場合は、1日16枚以内を目安に食べるとよいでしょう。乾パンを食べる際は、缶から器に少量移して食べると食べすぎ防止につながるため、ぜひ試してみてください。
食べる時間帯を考える
災害時以外に乾パンを食べる際は、太りやすい時間帯を避けて、太りにくい時間帯に食べることが大切です。人の体内には、体内時計を調整するBMAL1(ビーマルワン)と呼ばれる遺伝子が存在します。
ビーマルワンは脂肪の合成を促進する働きがあることで知られており、22時から2時の間に増加して、14時から15時の間に減少する性質があります※3。そのため、夜遅くに食べ物を食べると脂肪がつきやすく、14時から15時あたりに食べると、脂肪がつきにくくなるでしょう。
体に脂肪をつけたくない方は、日中に乾パンを食べることをおすすめします。
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乾パンが非常食に向いている理由
乾パンは非常食として用いられる食品の代表格です。非常食といえば、乾パンを思い浮かべる方も多いですが、具体的に乾パンのどのような点が非常食に向いているのでしょうか。
ここでは、乾パンが非常食に適している理由を解説します。
調理の手間が不要
乾パンが非常食に向いている理由の一つに、調理の手間が不要な点が挙げられます。地震や台風などの災害発生時は、電気やガス、水道などのライフラインが停止する可能性がありますが、そのような場合でも、乾パンなら調理不要ですぐに食べられます。
また、箸や皿を使用しなくても、手でつまんで手軽に食べられるところも、乾パンが非常食に適しているポイントです。
長期保存できる
乾パンは常温で長期保存できることも、非常食に向いている理由に挙げられます。乾パンの賞味期限は、缶タイプで約5年、袋タイプで約1年です。
災害はいつ起こるか分からないため、日頃から非常食をストックしておく必要があります。乾パンのような長期保存可能な食品は、一度購入すればしばらくは買い替える必要がないため、購入コストを抑えられます。
乾パンは軽量で持ち運びもしやすいため、いざという場合に備えて、日頃から乾パンを備蓄しておくとよいでしょう。
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非常食にBASE BREADもおすすめ
非常食には、体に必要な栄養がバランスよく配合されているBASE BREADもおすすめです。BASE BREADなら災害時でも調理不要で手軽に食べられるうえに、一般的なパンに比べて日持ちするため、非常食に適しています。
BASE BREADは原材料に小麦全粒粉を使用しているため、糖質が控えめでヘルシーなパンです※。乾パンの糖質が気になる方も、BASE BREADなら安心して食べられるでしょう。
ここでは、BASE BREADの特徴や魅力を詳しく解説します。乾パン以外の非常食にも興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
※BASE BREADチョコレートと、日本食品標準成分表2020年版(八訂)より、菓子パンあんなしとの比較(同量)
手軽に必要な栄養を摂取できる
BASE BREADは1食(2袋)で1日に必要な栄養素の1/3を摂取できる完全栄養食です※。BASE BREADには、たんぱく質や食物繊維、26種類のビタミンやミネラルがバランスよく含まれています。
ほかの食品と組みあわせて食べなくても、BASE BREAD単体で体に必要な栄養素が補えるため、栄養不足になりやすい災害時の栄養補給に最適です。BASE BREADは菓子パンや食事パン、総菜パンなど種類が豊富なため、自身の好みにあったパンを非常食として常備できます。
※1食で、栄養素等表示基準値に基づき、他の食事で過剰摂取が懸念される、脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む。
賞味期限は約1か月
BASE BREADの賞味期限は約1か月です。一般的なパンの賞味期限は数日程度のため、BASE BREADは日持ちがするパンといえます。
常温で約1か月の保存ができるため、BASE BREADはローリングストックにもおすすめです。ローリングストックとは、日頃から多めに食料を買って置き、使用したらその分を買い足して、備蓄食料が常にある状態を維持する方法です。
BASE BREADを常に家庭に常備しておき、賞味期限が近いものから食べて、食べた分を買い足すことで、災害が起きた場合の食料として使用することができます。災害はいつ発生するかわかりません。万が一の場合でも、BASE BREADをローリングストック用の食品として常備しておけば安心でしょう。
継続コースがお得
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乾パンに関するよくある質問
ここでは、乾パンに関するよくある質問を3点取り上げて、回答をまとめました。乾パンについて疑問が残っている場合は、ぜひ参考にしてみてください。
ダイエット中に食べてもよい?
乾パンはカロリーや糖質が低い食品ではないため、ダイエット中の場合は食べすぎないようにしましょう。乾パンは災害時でもエネルギー補給ができるように、糖質が多く含まれています。
糖質は体や脳のエネルギー源となる重要な栄養素ですが、摂りすぎるとエネルギーとして使用されなかった分の糖質が中性脂肪として蓄えられてしまいます。少量ならダイエット中でも乾パンを食べても大丈夫ですが、食べすぎると中性脂肪がつきやすくなるため、注意が必要です。
乾パンのみでなく乾パンに入っている氷砂糖も、カロリーや糖質が高いため、食べすぎないように気をつけましょう。
発がん性のある成分が含まれている?
乾パンそのものは、直接的な発がん性は認められていませんが、製造過程で生成される物質のなかには、発がん性が指摘されているものもあります。ビスケットやクッキーなどの穀類を使用した焼き菓子や、じゃがいもを揚げたポテトチップスやフライドポテトには、アクリルアミドと呼ばれる成分が多く含まれています。
アクリルアミドは炭水化物が多く含まれているものを120℃以上の高温で加熱した場合にできる物質で、発がん性が指摘されているため、摂りすぎには注意が必要です。乾パンも小麦粉を加熱して製造されており、アクリルアミドが生成されている可能性があります。
そのため、健康に気をつけている方は、乾パンの過剰摂取は控えた方がよいでしょう。乾パンに限らず、特定の食品ばかり食べていると、栄養のバランスが偏ります。健康な体を維持するためにも、バランスのよい食事を心がけることが大切です。
乾パンのアレンジ方法は?
非常食として乾パンを備蓄している場合、賞味期限が近づいてくると乾パンの消費に困ることもあるかもしれせん。乾パンをそのまま食べることに飽きてしまった場合は、乾パンをアレンジして食べてみてはどうでしょうか。
たとえば、乾パンを細かく砕けばパン粉として代用できるため、乾パンをフライの衣として使用することもできます。また、砕いた乾パンをサラダのトッピングにしたり、クルトンのようにスープに浮かべたりして食べるアレンジもおすすめです。
乾パンが余ってしまった場合は、ぜひ試してみてください。
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まとめ
本記事では、乾パンのカロリーや糖質量に焦点を当てて、乾パンが体に悪いのかどうかを解説しました。乾パンは災害時のエネルギー補給には適していますが、乾パンに含まれるカロリーや糖質は低くないため、食べすぎると太る恐れがあります。
ダイエット中の方や健康に気をつけている方は、乾パンを災害時以外に食べる際は、1日16個以内を目安に、太りにくい時間帯である14時から15時ごろに食べるとよいでしょう。非常食には完全栄養食のBASE BREADもおすすめです。
BASE BREADには体に必要な栄養素がバランスよく含まれているため、災害時の栄養補給に最適です。BASE BREADは賞味期限も約1か月あり、ローリングストック用の食品にも適しています。
非常食のバリエーションを増やしたい方は、ぜひBASE BREADも取り入れてみてはどうでしょうか。
<参考文献>
※1 文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
※2 厚生労働省|e-ヘルスネット|間食のエネルギー(カロリー)
※3 港区みなと保健所健康推進課|働くあなたのスマートライフ〜働き盛り世代の健康ハンドブック〜
監修:宮本ゆか(管理栄養士)
町役場やドラッグストアでの管理栄養士を経験後、農業の手伝いや、無添加の中華料理店で勤務を通じて、食と健康の重要性を実感。2022年からはフリーランスの管理栄養士兼Webライターとして、執筆を中心に活動しています。