プロランナー・八木さんが実践する食事のポイントとは?(インタビュー前編)

早稲田大学在籍時に、駅伝3冠(出雲・全日本・箱根)、関東インカレ・日本インカレ総合優勝の5冠を達成し、実業団を経て株式会社OFFICE YAGIを設立したプロランナー・八木勇樹さん。彼がプロデュースする「SPORTS SCIENCE LAB」に、完全栄養食“BASE PASTA™”を導入いただきました。

今回は、八木さんにランナーに必要な栄養素や普段からの食生活で気をつけるべきことなどを伺いました。

株式会社OFFICE YAGI

代表取締役 兼 プロランナー

八木 勇樹

早稲田大学在学時に競走部主将を務め、駅伝3冠(出雲・全日本・箱根)、関東インカレ・日本インカレ総合優勝の5冠という史上初の快挙を達成。大学卒業後、旭化成に入社し陸上部に所属。2014年ニューイヤー駅伝では、インターナショナル区間の2区で23分20秒の日本人歴代最高記録をマーク。旭化成を退社し、株式会社OFFICE YAGIを設立。陸上界に変革を起こすべくYAGI RUNNING TEAMを発足し、東京五輪でのメダル獲得のため競技に励みながら、市民ランナーのサポートも行う。

最先端の機器を導入!原宿のプライベートトレーニングスペース「SPORTS SCIENCE LAB」とは

八木さんがプロデュースする「SPORTS SCIENCE LAB(スポーツ サイエンス ラボ)」は、トップアスリートが常駐して指導する完全予約制のトレーニングスペース。会員ユーザーのレベルや目標に合わせてカリキュラム・メニューを設定し、最新鋭の機材を使って競技力向上に向けてサポートしています。

入り口を入ってすぐ目の前にあるランニングマシーン。こちらでは専用のマスクを使って現状の身体能力を測るランニングアビリティを測定し、個々のフォームのクセを改善するために使います。フォームの改善はプロのアスリートも欠かさずに行うステップ。初心者でもこちらを使用して、定期的にフォームチェックを行います。

奥にある3つの部屋にもランニングマシーンが。こちらでは標高の高い場所を疑似的に体験できる「低酸素RUN・WALK」が利用できます。トップアスリートが普段から実践しているトレーニングメソッドを、一般でも使える貴重な場所です。

その他に、地下にはアスリートと同じトレーニング用品を使って身体を鍛えるフィジカルトレーニングができる部屋が用意されています。ランニングだけでなく、本気で体を絞りたい人や健康増進を考えている人向けのスペースがあります。

八木さんにインタビュー!SPORTS SCIENCE LAB設立や食事に対する思い

SPORTS SCIENCE LABをとおして市民ランナーを活性化したい

齋藤:最初に、この「SPORTS SCIENCE LAB」を設立したきっかけを教えてください。

八木:実業団に在籍している際に、もっと上を目指したいと思うようになりまして、今まで培ってきたことを生かしていろんな人へ啓蒙しようと、2016年に独立してここを設立しました。

最初に始めたのは、ランニングチーム「YAGI RUNNING TEAM」の立ち上げ。巷にあるような、ただ集まって走るコミュニティではなく、本格的なトレーニング方法や理論を実践するために始めました。ウォーミングアップ・クールダウンの定義や仕方、トレーニングの意味、心拍管理、ランニングフォーム、動きづくりなどを教えています。

次に、ぼくらの啓蒙したいことが体現できる場を作りたいと思って、この「SPORTS SCIENCE LAB」をオープンしました。完全予約制で会員になってもらう必要があるので、お客様が結果を出していただいて、満足できるサービスを心がけています。そのためにも、最高のサービスが提供できるように、日々チームのレベルも向上させています。

なかには、仕事などの関係で遠くへ引っ越してしまうお客様もいます。でも、こちらへ来られなくなっても「あのときにこう言ってたな」と、ぼくらがアドバイスしたことに気づいてもらえれば、それが一番だと思います。そのような人が増えれば、市民ランナーの活性化につながると信じています。

齋藤:遊びとしてのコミュニティで走るより、プロが教える本格的なコミュニティのほうが成果もやりがいも感じられそうですね! 納得です。ランナーも含めて、本気でスポーツをされる人たちもしくはアスリートが食に気を使うべき理由を教えてください。

八木:アスリートは、日頃から激しいトレーニングをするので、筋肉や疲労回復に関しては一般の人よりとても気を使う必要があります。1日3食を食べるとか、栄養バランスを考えた料理を食べるなどしていると、コンディションが良い状態で保てるので、大切なときに最高のパフォーマンスが発揮しやすくなるんです。

ランニングに関していえば、短距離と長距離とで補給すべき栄養素が異なります。短距離は、トレーニングで筋肉をつけていく必要があるので、多くのたんぱく質を摂取します。一方長距離は、消費カロリーが多いので食事のボリュームが多いです。そこを意識するだけでも体の状態が違ってきますね。

齋藤:短距離と長距離で摂取するものが異なるのは参考になります! 八木さんは長距離の部類に入るかと思うのですが、普段はどのようなものを食べていますか?

八木:ごはんと卵、味噌汁といった定食がメインです。くわえて、魚類は食べるようにしていて、夜は肉を食べることが多いです。でも、海外遠征では日本食が食べられるのはほとんどないので、その土地で買える食材を使って食べています。人によっては、カップラーメンやインスタント系を食べる人もいるようです。

また、日本でも宿泊先によって環境が異なるので、洗い物をできるだけなくす意味でも、丼ものやパスタなどを食べることが多いです。ただ、パスタはどうしても炭水化物がメインの栄養素なので、どうしても栄養素が足りないと感じます。「昼だからいい」とか「1食だけだから問題ない」と思ってつい食べてしまうのですが、プラスのイメージで食べることはありませんね。

齋藤:宿泊先に左右されるのは難しいですね。そういえば、学生時代や実業団時代はどのような食事をされていたのですか?

八木:ぼく個人では特にこだわっていませんでしたね。指導もされていませんでした。
早稲田大学時代は、管理栄養士の福本さんがすべて料理を作ってくださって、献立もすべてご自身で考えていたんです。しかも、どれも美味しい! 栄養バランスを考えなくても、自動で摂取できていました。

トレーニング・レース前後の栄養摂取タイミングが重要

齋藤:話を戻しますが、食事をとるタイミングで意識していることはありますか?

八木:レースやトレーニングが始まる4時間前までに、食事をすませるようにしています。食べ物を消化するのに3時間は必要で、くわえてレース前に1時間ほどウォーミングアップをします。そうすると、実質4時間は空ける必要があるんです。しかし、フルマラソンなどの多くのエネルギーを必要とするレースでは、ウォーミングアップ開始の1時間前に消化が早くエネルギーに変わりやすいバナナを食べるなどの工夫をしています。

あと、レースやトレーニング後の摂取タイミングも重要です。早めに食事をしてほしいですね。グリコーゲンが枯渇しているので、摂取時間が遅れると筋力がつかなかったり疲労が残ってしまったりします。終わってから30分以内に食べることをおすすめしています。

しかし、環境によって厳しい人もいると思うので、その場合はサプリメントやプロテインなどで補って、その後に食事をすると良いです。サプリメントやプロテインはあくまで補助なので、それをメインの食事として考えないようにしてもらいたいです。

齋藤:摂取タイミングはスポーツをされる人にとっては覚えておくべきポイントですね! 一方で、過去に「失敗した!」という食事はありますか?

八木:たくさんあります(笑)。食に気を使っていなかったときは、トンカツや天ぷらなど好きな揚げ物をつい食べていました。そうすると、胃もたれで翌日のトレーニングに支障をきたすことが多かったんです。体全体がむくみやすくなったり、なかなか絞れなかったりといったこともありました。当たり前ですよね(笑)。

要は、食べたいものをとりあえず食べて、その分走って消費するという生活でした。「これでは意味がない!」と思い、定食やBASE PASTA™を食べるようにしています。

家に置く食べ物は健康的なものを。日頃からの環境づくりが大切

齋藤:食べたいものを食べて運動で帳消しにする生活を送っていたのは意外でした(笑)。八木さんがSPORTS SCIENCE LABを始めて、日々の食事でお客さんにアドバイスしていることはありますか?

八木:栄養補給の摂取タイミングのほかは、トレーニングやレース後には体が欲しているものを先に摂取するように伝えています。喉が乾いていたら水分を補給して、おなかが空いていたら主食類を食べて、といったことです。

反対におすすめしていないのが、終わった後にお酒を飲むことですね。ランニングのご褒美や労いで、走ったあとにすぐに飲む人が多いですが、脱水症状になっている状態でアルコールをとると、内臓に負担がかかるので疲労回復が遅れる可能性があります。まずは体が欲しているものを摂取して、それから好きなものを食べたり飲んだりすることが理想です。

あと、自分の身近にあるものを少しずつ変えていってほしいです。たとえば、家にチョコレートやポテトチップスなどたくさんのお菓子があるとします。あれば、絶対に食べてしまいますよね。ぼくも食べてしまいます。家に米があれば、炊いて食べますし、バナナがあるとそのまま剥いて食べます。

家にあるものや蓄えているものがあると、それを軸にした食生活になりやすいんです。栄養素のあるものを置いているか、嗜好品だけを置いているかで、日々の食生活が大きく変わってきます。なので、健康に良くないものは意識的に買わないようにして、栄養素が含まれているものを身近に揃える環境にすることが大切だと思います。

ランナーが気をつけるべき食事法と環境づくり
  • 揚げ物やお菓子類は食べず、栄養バランスが良い定食(和食)がベター
  • 食事はレース・トレーニングが始まる4時間前までに、終わった30分以内に食べる
  • 日頃の環境づくりも大切! 家にはお菓子類ではなく栄養素が高いものを置く

後半では、トレーニングやレースだけでなく普段の食生活でも食べているというBASE PASTA™の魅力を伺います。