BASE BREAD®で得た「何かが変わる」期待感〜車椅子フェンシング・河合紫乃さん〜

車椅子フェンシング女子日本代表の河合紫乃さん。小学生から社会人まで、17年間バドミントンを続けてきた彼女は、日本のトップで活躍を続けていました。しかし、ケガによる手術を通じて、下肢不全麻痺が残ることとなりました。

そして、河合さんはいま車椅子フェンシングを通じて、世界の強豪と戦い続けています。そんな彼女がBASE BREAD®を愛用する理由と、からだづくりで大切なことを聞きました。

もくじ

大けがからの車椅子フェンシングとの出会い

ー車椅子フェンシングとはどのように出会ったんですか?

河合さん 私は4年前に障害者となったんですが、それまではバドミントンをずっと続けていました。大学で団体全国優勝チームに所属していたし、社会人でも実業団選手だったので、車椅子でもメダルを狙えるバドミントンをやろうと思っていました。

ですが、私のなかで葛藤があったんです。今までずっとバドミントンを続けていたけれど、車椅子ではまったく勝手が変わる。正直に、「あまりやりたくないな」と感じてしまいました。

そこで、バドミントンと同様に対人競技で、駆け引きが重要であること、片手でできるスポーツでパラリンピックを狙えるものはないかなと探していた時、フェンシングを見つけました。

ーそのときから、パラリンピックを視野に入れていたんですね。

河合さん そうですね。やるからにはパラリンピックを目指したい。中途半端にはやりたくないと思っていました

ー車椅子フェンシングの魅力は、どんなところにありますか?

河合さん 相手の心を読んで、嫌がるポイントをつくという駆け引きでしょうか。あと、車椅子フェンシングは車椅子を固定して行なうため、至近距離での駆け引きを行なうこととなります。

フェンシングにはエペ、フルーレ、サーブルという3種目があり、私はエペという、顔も含め上半身全体を攻撃していい種目を行っています。いかに速く相手を突くかという駆け引きは、なかなか緊張感がありますよ。

私は「下後手」といって、小指あたりのギリギリガードで隠れていない部分を狙う攻撃をよく行います。相手との距離も近くて非常に狙いづらいんですが、そこから展開を広げるのが得意なんです。

ーピンポイントを突く感じがかっこいいですね!試合中は、どんなことを考えてプレーしているんですか。

河合さん 常に先の展開を予想します。「そうくるなら、次はこう動こう」と考えて、常に1本1本のプレーで相手の裏をかくことが必要です。考えないと勝てない緊張感があって、楽しいです。

ゼロからはじまったからだづくり

ーはじめて車椅子フェンシングをしてみたとき、どんな感想でしたか?

河合さん 私がスポーツに復帰した頃は、障害者で寝たきりの状態で、体重が落ちて筋力もなかたたまえ、ものすごく身体が重く感じました。このままじゃいけないと思って、まずは1年間かけて身体を戻すことにしたんです。

とは言え、筋力も体力もなくなったので、食事もしっかり摂って筋トレもしてと、やることはたくさんありました。当時は入退院を繰り返して薬も服用していたので、身体がなかなか言うことを聞いてくれなくて。

それでも、徐々に世界の舞台で戦えるようになるにつれ、世界との壁を痛感して「もっと強くならないと!」と思い、トレーナーをつけて本格的に食事やトレーニングと向き合うようになりました。

ー車椅子フェンシングはどこが強豪国なんですか?

河合さん フェンシング発祥の地であるヨーロッパが、やはり強いですね。日本はまだまだマイナーで、東京と京都でしか練習できませんでした。2020年はコロナ禍もあって練習ができなかったので、富山の実家に帰ってどうしようか悩んでいたんです。

そこで、日本代表コーチのいる香川に移って練習を継続することになりました。

ーそれで今、香川に住んでらっしゃるんですね。トレーニングでは、具体的にどんなことをしているんですか?

河合さん 大きな筋肉を鍛えると逆にすばやく動けなくなるので、筋トレはほぼ行いません。その代わり、頭と身体をフルに活用した反復練習を中心に行います

障害者と一口に言っても、使えない部分や動かせる部分は人によってバラバラです。私は左のお腹から脚にかけて麻痺しているので、右足、左手で椅子を押さえて身体を支えます。その部分を意識しながら、練習しています。

あと最近は、海外の試合をビデオで撮影して、相手選手を研究するようになりました。私は車椅子フェンシング歴がまだ2年なので、基礎を身につける上での考え方や形を学ぶのに非常に役立ちます。

あとはコーチが相手選手の得意なプレーを真似てくれて、それを対策したり。フェンシング歴の長い選手はさまざまな技や突き方をするので、とても勉強になりますね。

太らずに動けるからだをつくるための食事

ー食事はどんなことを意識しているんですか?

河合さん フェンシングはスピード勝負なので、動きが遅くならないように「太ってはいけない」というのが大前提です。一方で、栄養を意識してなるべくしっかり食べるようにすることも重要です。

そのため、たんぱく質や炭水化物など、バランスよく食べるようにしています。現在はアスリートフードマイスターや栄養士の方がサポートしてくれているので、彼らに教わりながら「考えて食べる」ようにします。

ー太ってはいけないけれど、ちゃんと食べないといけないわけですね。

河合さん 特に私は健常者とは違い、車椅子ばかりの生活で筋肉を使わない分、気を抜くとすぐに代謝が落ちてしまいます。そのため、健常者の方より太りやすいんです

練習があるからたくさん食べても大丈夫じゃないの?とも言われますが、たしかに体力は使うものの、意外と動き自体は大きくありません。食べた分太ってしまうけど、食べないとパワーが出ない。このバランス調整が難しいですね

ー車椅子フェンシングをはじめて、食習慣にはなにか変化があったんですか?

河合さん 病気になって体質が変化したのか、お肉など脂っこいものがあまり食べられなくなってしまいました。けれどたんぱく質はしっかり摂取したかったので、脂質の少ない鶏肉を多く食べるようになりました

それ以外にも、練習後のエネルギー補給では、しっかり栄養のあるものを食べなきゃいけないなと、車椅子フェンシングを始めてから意識するようになりました。バドミントン時代は、栄養について何も考えていなかったんです(笑)。

勝つためには食事も重要だなと、今では痛感しています。

ーそうなんですね。

河合さん 私は血糖値が下がりすぎると体調を崩してしまうので、1日5食でいわゆる「小鳥食い」としています。空腹の状態を続けるよりも、ある程度お腹が満たされている状態を維持した方が、コンディションがいいです。だから甘いものも、我慢しすぎるとストレスが溜まってしまうので「食べたいと思ったら食べよう」と考えています。

「何かが変わるかも」という期待感

ーBASE FOOD®を知ったのはいつですか?

河合さん 2020年5月頃なので、新型コロナウイルスの感染症が拡大してからですね。ソフトボール選手の友達に教えてもらったことが最初のきっかけでしたが、全国にいる知り合いのアスリートが、結構食べていたんです。

BASE FOOD MAGAZINEでインタビューされたバーティカルランナーの小山孝明くんも友達で、BASE FOOD®ユーザーの1人でした。

最初に知った時は、「パン一つで全部の栄養素がそろうなんてすごく楽だな」と思いました。練習後は疲れているので、食事をつくるのが面倒で…。手軽に食べられるものはいくつもありますが、身体のことを考えると何でもいい、というわけではありません。

これさえ大丈夫と思えるのは、すごい安心ですよね。

ー実際に食べてみたときの感想も教えてください。

河合さん チョコ味が美味しかったです!メープルもよかったです。新発売されたカレーパンも、はやく食べてみたいなあ(笑)。BASE BREAD®は、練習後の小腹が空いた時にそのまま食べます

Instagramをみるとさまざまなアレンジをして食べている人も多いですが、私は基本的にそのまま食べています。

ーBASE BREAD®を食べるようになって、練習や生活習慣で「変わったな」と感じたところはありますか?

河合さん 栄養に対する意識が変わったかなと思います。私はいまも病気が原因で、白血球の数値がひっかかったり鉄分が不足したりします。

少しでもコンディションをよくしたいので、いろんな工夫をしてきたし、BASE FOOD®もそのひとつです。栄養面で信頼ができるので、「これを食べたら何か変わるんじゃないか」という期待感があります

周りのアスリート仲間も、特にすすめたわけじゃないのにみんなBASE FOOD®を食べ始めているんです。「おいしそう!」「僕も食べてみたい」って。SNSで載っているアレンジを試す人もいて、みんな「おいしい!」と食べています。

アスリートとして、タレントとして「諦めないこと」を伝えたい

ーうわあ、そのリアクションはとてもうれしいです…。河合さんの今後の目標も、ぜひ聞かせてください。

河合さん もちろん、2021年の東京パラリンピックに出場することです。事前に行われる2つの大会で出場枠が決まるので、そこに照準を合わせています。私は車椅子フェンシングでは後発組にあたるので、2024年のパリパラリンピックに向けても準備したいです。

私はアスリートでありモデル・タレントでもあるので、個人として世の中のバリアフリーの概念を変えるための発信も続けたいなと思っています

ーすてきな活動ですね。

河合さん 私は障害者になったことで、「当たり前は当たり前じゃない」ということに気づきました。歩けること、食事を普通に食べられることに感謝しなきゃいけないなって。

そのうえで、アスリートやモデル活動を通じて「諦めないこと」を伝えたいです。どんな状況でも目標をもって、夢に向かって挑戦することが大事だよって。

ー諦めない河合さんの姿が、たくさんの人を勇気づけると思います。パラリンピック出場に向けて、これからも食事の面から応援させてください!

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