ベースフードの考える「健康」第1回:健康に必要な栄養ってなに?

こんにちは。ベースフード株式会社、代表の橋本舜です。

完全栄養食「BASE PASTA®」の開発・販売以降、ありがたいことにBASE FOOD®シリーズは、2021年8月に累計販売数1,000万食を突破しました。この数字は、栄養とおいしさの両方を求めるみなさまの思いに、わたしたちが微力ながら貢献できた証だと感じています。

そんなBASE FOOD®をつくるうえでのスタンスを、これまで深くお伝えする機会はなかったと思います。そこで、今回から全4回の連載記事を通して、わたしたちが大事にする健康についての考えを発信していきます。みなさまが健康な日々を送る、ヒントや指針となれば幸いです。

橋本舜(はしもと しゅん)
ベースフード株式会社 代表取締役 1988年生まれ、大阪府出身。東京大学教養学部卒業後、株式会社DeNAに新卒入社。駐車場シェアリングや自動運転移動サービス等の立ち上げに従事。新規事業を担当し、社会課題と向き合う中、健康維持・病気予防の個人および社会における重要性を強く認識する。 2016年に「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」をミッションとするベースフード株式会社を設立し 、完全栄養の「BASE PASTA®」を開発。その後、「BASE BREAD®」「BASE Cookies™」の販売も開始し、さらなる新商品の開発、国内での普及及び海外展開に尽力している。
もくじ

栄養に関する基準はたったひとつ。それは「栄養バランス」

情報社会と呼ばれる現代。インターネットやテレビ、雑誌、本では数多くの健康に関する情報が紹介されています。「バナナはダイエットにいい」「魚を食べるとカルシウムが1日〇mg摂取できる」「この飲料にはレモン〇個分のビタミンCが含まれています」

こうした情報から、「明日から〇〇をたくさん食べよう」と思い、実践する人も多いでしょう。しかし、ここで注意点があります。それは、健康やダイエットを目的とした食事で、「栄養バランス」以上に重要なことはないということです。

たんぱく質は、筋肉や臓器などを構成するために必要な、いわば身体の「材料」です。たんぱく質を摂取することは重要ですが、その反動で他の栄養素の摂取量が不足したら…?健康的な生活は送れず、筋トレやダイエットもうまくいかないでしょう。

ひとつの栄養素の摂取量を満たすだけでは、健康を実現できません。

厚生労働省は、「日本人の食事摂取基準」という資料を策定し、発表しています。これは専門家によるチームが、日本人の健康維持・増進、生活習慣予防のために必要な、栄養素の摂取量の基準をまとめたものです。

「日本人の食事摂取基準」は、5年に一度改訂され、内容がアップデートされています。ここでは、必要なあらゆる栄養素の推奨摂取量が記載されています。

  • ビタミンCは100mg/日
  • カルシウムは650mg/日
  • たんぱく質は50g/日

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より)
※数字はすべて、18~29歳女性のものを記載しています。

「ビタミンCを毎日100mgとりましょう」というのは、栄養バランスの基準の一部を抜粋したにすぎません。健康や予防には、すべての栄養素の基準を満たすことが重要なのです。だからこそ、わたしたちは栄養バランスという言葉を、何よりも大事に製品開発をしてきました。

自動車の100万倍複雑な、人間のメカニズム

ベースフードがなぜ、栄養バランスをことさら強調するのか。自動車を例にしてみましょう。

自動車のパーツのほとんどは消耗品です。そのため定期的にメンテナンスをして、安全・快適に運転できる状態を保ちます。車体の洗車、タイヤの交換、ガソリンの補充、冷却水の補充、バッテリーの交換など、チェックすべきことはたくさんあります。

こうした各部品は、互いが密接に関係しています。ガソリンによって得たエネルギーを使い、バッテリーが発電してヘッドライトの照明などに利用する。すべての機能が正常に働いて、はじめて自動車は安全に動きます。

こうしたメカニズムは、人間も同じです。

たんぱく質は胃から腸を通り、アミノ酸にまで分解されて肝臓に貯蔵されます。こうした一連の流れには、ビタミンB2が積極的に働きます。これはほんの一例です。体内では無数の化学反応が連鎖発生し、その結果わたしたちの身体が維持できているのです。

自動車の整備マニュアルに反して、ガソリンだけ2倍入れたりバッテリー液だけを2倍入れたりすれば、自動車は故障するでしょう。同様に、人間も食事摂取基準に反して、ビタミンCだけを2倍摂取したりたんぱく質だけを2倍摂取すれば、健康を損なってしまいます。

「日本人の食事摂取基準」は、多数の研究による科学的根拠を通じて、「各栄養素をこれくらい摂取すれば、もっとも病気のリスクを減らせる」という観点でつくられています。

これらは、現時点でハッキリしているもっとも正しいであろう食事です。それを守り食生活に取り入れることで、もっとも高確率に健康維持・増進を実現できると、わたしたちは考えています。

意外と見落とされがちな「量の概念」

一方で、食事や栄養のことを調べれば調べるほど、いったいなにを食べればわたしたちは健康でいられるのかと、悩んでしまうこともあります。世間では「これを食べれば健康!」という情報と同じくらい、「これを食べるのは危険!」という情報も多いからです。

なぜ、こうした情報を目にして混乱したり、食の選択を誤ってしまうのか。そこには、「量の概念」が見落とされているからだと、わたしたちは考えています。いくつか、事例を踏まえて紹介させてください。

①機能はあるが効果はない

あるラーメン屋さんで、脂たっぷりの豚骨ラーメンを食べた後、脂肪の吸収を抑えてくれる飲料水を購入しました。この飲料は、直前に食べたラーメンで摂取した脂肪10gのうち、0.1gの吸収を抑えてくれました。しかし、ラーメンを食べた人にとって、その効果は微々たるものと言えるでしょう。果たして、それを飲む理由はあるでしょうか?

②見方次第で、どんな物質も危険に見える

DHMO(デオハイドロオキシゲン)をご存じでしょうか。これは無色、無臭、無味で液体の物質で、過剰摂取で死に至ることもある、非常に危険な存在なのです。一刻も早く、DHMOを規制しないといけません!

…種明かしをすると、DHMOは水を元素記号に沿って言い換えた言葉です。水はわたしたちにとって必要不可欠ですが、大量に摂取すれば、健康を害するおそれもあります。

③日本の「残留農薬基準」

皆さんは、ADI(一日摂取許容量)をご存知でしょうか?これは、「個々の農薬有効成分について、人が一生涯にわたって毎日摂り続けても、健康上なんら悪影響がないと考えられる一日あたりの摂取量の上限」を意味する数値です。ADIは、実験動物に毒性影響が認められなかった「無毒性量」と呼ばれる量から、さらに安全性を考慮して通常その100分の1が、農薬として使用できる量と決められています。(参考:農薬工業会

その基準を満たした食材が、わたしたちが足を運ぶスーパーに並べられているのです。

バランスと量の概念で、もっとも健康になる道を

どんなに健康的な食品も、量が少なければ効果を発揮しません。一方で過剰に摂取すれば、病気のリスクが高まることがあります。感情的に「これ怖いからやめよう」となる時も、量で安全性をチェックする考え方が、健康を考えるうえで非常に重要な考え方です。

ベースフードは食事摂取基準に基づき、栄養と原材料のバランスを絶妙に調整した製品を販売しています。バランスと量の調整が、お客さまの健康にもっとも貢献できるからです。

第2回となる次回の記事では、現代人が食習慣を考える上で欠かせない、ある2つの「基準」についてご紹介します。

 

ベースフードの考える「健康」
第1回:健康に必要な栄養ってなに?
第2回:食事にまつわる2つの基準
第3回:栄養・運動・睡眠の「バランス」が健康の土台を作る
第4回:食事から考える幸せな生き方
もくじ