人間が生きていくために必要な栄養素は、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの5つです。これらの5つの栄養素を過不足なく含んでいるものを完全食と呼び、過不足があるものを準完全栄養食といいます。
本記事では、準完全栄養食の食材にはどのようなものがあるのか、準完全栄養食の中でも優れた食材であるサツマイモと牛乳の栄養素や効果について詳しく解説します。
あわせて、準完全栄養食の代わりになる食材も紹介しているため、準完全栄養食について興味がある方や栄養管理に気をつけたい方はぜひ参考にしてみてください。
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準完全栄養食とは
冒頭でも触れたように、準完全栄養食は人間が生きていくうえで必要な栄養素を含んでいるものの、完全には満たしてはおらず、過不足があるものを指します。しかし、準完全栄養食が完全食に劣るかといえば一概にはそうともいえません。
普段の食事で不足しがちな栄養素を重点的に補いたい場合や、外食などが多く食事の置き換えが難しい場合の補助には、過不足がある準完全栄養食の方が向いています。
日々の食事では、完全食や準完全栄養食といわれる食材をメインとし、足りない栄養素を他の食材で補うと栄養バランスのよい食事を摂ることができるでしょう。
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準完全栄養食の食材
準完全栄養食がどのようなものかは理解したけれど、実際にどのような食材があるのかがわからないと思う方は多いでしょう。そこで、準完全栄養食の食材にはどのようなものがあるのかを解説します。
サツマイモ
サツマイモはタンパク質や脂質は少ないものの、炭水化物やビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含んでいる食材です。蒸したり茹でたりしたサツマイモは、食物繊維やポリフェノールの働きで食後の血糖値が上がりにくくなるため、ダイエットに向いています。
茎や葉も食べることができ、調理法が多く飽きにくいなどの理由で、NASA(米国航空宇宙局)が宇宙で栽培できる食材として注目している食材でもあります。
牛乳
牛乳は、生命維持に必要とされる三大栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂質や、日本人に不足しがちなカルシウムをはじめとするミネラル、ビタミンB群などがバランスよく含まれている食材です。とくに、タンパク質は、コップ1杯200mlあたり6.6g含まれており、卵1個と同程度を摂取できます。
また、カルシウムを豊富に含んでいることでも知られており、200mlで成人女性が1日に必要とする量の約3分の1を摂れます。(※1)(※2)
玄米
玄米は、もみ殻のみを取り除いた状態の米のことを指します。精米の場合は取り除かれる胚芽や糠も、玄米では残存しているため、精米とカロリーはほぼ変わらないにもかかわらず、より多くの栄養素を多く含んでいます。
とくにビタミンB群、ミネラル、タンパク質、食物繊維は精米の2〜6倍も含まれています。不足している栄養素は、ビタミンA、D、K、B12、C、カルシウムです。(※2)
納豆
納豆は、大豆を納豆菌で発酵させたものです。タンパク質や炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれているうえ、身体によい働きがあるとされる次のような物質も含んでいます。
ナットウキナーゼ | 血栓を直接分解する 腸内の善玉菌を増やす |
納豆菌ジピコリン酸 | O157をはじめとする大腸菌への抗菌作用 |
ポリアミン | 動脈硬化を予防する 細胞分裂や増殖に必須 |
大豆イソフラボン | 女性ホルモンに似た働きで更年期をサポート 骨粗相症の予防、改善 生活習慣病の予防、改善 |
大豆サポニン | 動脈硬化や糖尿病を予防 免疫力を高める |
不足している栄養素は、ビタミンA、C、D、B12です。(※2)
トマト
トマトは、ビタミンCやE、カリウム、食物繊維などをバランスよく含んだ食材です。なかでもトマトの赤色色素のリコピンは強い抗酸化作用があり、抗酸化作用を持つことで知られているβカロテンの2倍、ビタミンEの100倍もの効果があるといわれています。
抗酸化作用は細胞を酸化させてしまう働きがある活性酸素を除去する働きで、血流をよくすることで生活習慣病の予防や改善の効果が期待できるほか、美肌効果、免疫力アップなどの働きがあります。ただし、トマトは水分を多く含んでおり、食べ過ぎると身体を冷やしすぎてしまうため注意が必要です。
ブロッコリー
ブロッコリーは、ビタミン、タンパク質、ミネラル、食物繊維を含んでおり、ビタミンCは100gあたりの含有量がピーマンの約2倍、レモンの約1.4倍の140mgもあります。ビタミンCは熱に弱い栄養素ですが、ブロッコリーはゆでても55mgを摂ることができるため、ビタミンCを補給したいときにおすすめの食材です。
また、ブロッコリーは野菜にもかかわらず、タンパク質を多く含んでいるため、ダイエット中に摂りたい食材の一つです。
バナナ
バナナは果物の中でも炭水化物を多く含んでいる食材ですが、カロリーは白米の半分程度です。食物繊維を含んでおり消化もよいため、主食の代わりや離乳食に使われたり、便秘の予防や改善に効果がある果物として用いられたりしています。
そのほかにも、バナナにはビタミンB群、タンパク質、食物繊維、ミネラル、アミノ酸、抗酸化作用があるポリフェノールも豊富に含まれています。不足している栄養素は、タンパク質やカルシウムです。(※2)
ヨーグルト
ヨーグルトは牛乳に乳酸菌を入れて発酵させた発酵食品で、含まれている栄養素は牛乳とほぼ同じです。しかし、乳酸菌の働きによってより消化、吸収されやすい特性があります。
乳酸菌には、悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整える、コレステロール値を下げる、免疫力を高める、老化を抑制するなどの働きがあるため、積極的に取り入れるようにしましょう。不足している栄養素には、ビタミンCや鉄分、食物繊維が挙げられます。(※2)
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サツマイモ・牛乳は準完全栄養食の中で最も優れている食材
ここまで準完全栄養食の詳細を紹介しましたが、サツマイモや牛乳はその中でもとくに優れている食材だといわれています。どちらも不足している栄養素があるものの、身体に必要な栄養素を多く含んでいます。
サツマイモは置き換えがしやすく、牛乳はそのまま飲めるため手軽に毎日摂取できるのも評価が高い理由の1つです。(※2)
準完全栄養食サツマイモの主な栄養素
サツマイモのカロリーは、皮つきの場合は100gあたり127kcal、皮なしの場合は126kcalです。白米100gと比べると糖質はあまり変わりませんが、カロリーは白米の156kcalに比べて低いため、置き換えダイエットもできます。
また、サツマイモは皮にも栄養素が含まれています。そのため、食べる際には皮も一緒に食べるとよいでしょう。ここでは、サツマイモの主な栄養素を詳しく解説します。
ビタミンC
サツマイモ100gには、ビタミンCが25mg含まれています。ビタミンCは熱に弱い物質ですが、サツマイモに含まれるビタミンCは他の野菜に比べて熱に強いため、加熱してもビタミンCを摂れます。
また、ビタミンCには高い抗酸化作用があります。そのほかにも、鉄分の吸収を高めて貧血を予防、改善する、肌にハリをもたらすコラーゲンの生成に必要なビタミンEの活性を高めるなどの効果も期待できる栄養素です。
食物繊維
食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があります。水溶性食物繊維は血糖値の急上昇を防いだり、コレステロールを体外に排出する、善玉菌を増やすなどの効果があり、不溶性食物繊維には腸のぜん動運動を促したり、善玉菌を増やすなどの働きがあります。
皮つきのサツマイモ100gに含まれている食物繊維の量は、水溶性食物繊維が0.9g、不溶性食物繊維が1.8gです。
ビタミンB1
サツマイモには、0.10mgのビタミンB1が含まれています。ビタミンB1は水溶性ビタミンの1つで、糖質を体内でエネルギーに変換する際に必要な栄養素です。
また、脳や神経系が正しく働くために必要な栄養素でもあり、皮膚や粘膜の健康維持にも重要な役割を果たしています。
カリウム
サツマイモには、カリウムが380mg含まれています。カリウムは身体に欠かせない必須ミネラルの1つで、体内で合成できないため、食事から摂る必要がある栄養素です。
カリウムには、浸透圧を調整して細胞の内と外のバランスを維持したり、血圧の調整、カルシウムの吸収をよくして骨を健康に保つなどの効果があります。また、神経細胞が正常に働くために必要な栄養素でもあります。
レジスタントスターチ
レジスタントスターチはデンプンの一部で、小腸では消化吸収されずに大腸まで運ばれ、食物繊維と似た働きをする成分です。また、食後の血糖値の上昇を抑える働きや、腹持ちをよくして食事の量を減らす働きも期待できます。
レジスタントスターチは加熱すると消化がよくなり、冷めると再び消化されにくくなります。そのため、レジスタントスターチの効果をより大きくするためには、冷めた状態で食べるとよいでしょう。
ポリフェノール
ポリフェノールは多くの植物が持つ色素や苦み、渋み成分のことで、抗酸化作用があります。ポリフェノールには多くの種類があり、一般的なサツマイモに含まれているのはクロロゲン酸で、色が赤紫のサツマイモに含まれているポリフェノールは、アントシアニンです。
サツマイモのポリフェノールは、表皮の下約5mmのところに多く存在しているため、皮を剥いてしまうとポリフェノールも失われてしまいます。ポリフェノールの効果を得たい場合は、皮は剥かずに皮ごと食べるとよいでしょう。
βカロテン
βカロテンは黄色や赤、オレンジなどの色素を持つ野菜や果物に含まれている栄養素で、強い抗酸化作用があります。体内で必要な量のみビタミンAに変換され、夜盲症を予防、改善したり、皮膚や粘膜を健康に保ったりするために必要な成分です。
サツマイモにはβカロテンが40μg含まれています。
ビタミンE
ビタミンEは、油脂に溶ける性質がある脂溶性ビタミンです。高い抗酸化作用があるため、不足すると活性酸素の被害を受けやすくなり、生活習慣病のリスクが高くなったりシミやしわができやすくなったりします。
サツマイモには、ビタミンEが1.0mg含まれています。
準完全栄養食サツマイモから得られる効果
準完全栄養食のサツマイモを摂取すると得られる効果には、次の5つがあります。
- 生活習慣病の予防
- シミ対策・美肌効果
- 血糖値上昇の抑制
- 腸内環境を整える
- 肌のターンオーバー促進
それぞれについて詳しく解説します。
生活習慣病の予防
活性酸素は、細胞を酸化させる働きがあるため、生活習慣病の原因となる物質です。たとえば、血管に作用すると血管を硬くして動脈硬化や心疾患の原因となったり、蓄積されると細胞にストレスを与えてがんの原因となったりします。
また、インスリンの分泌を低下させる働きもあるため、糖尿病を引き起こす場合もあります。サツマイモは、ビタミンEやC、βカロテン、ポリフェノールなど抗酸化作用がある栄養素を多く含んでいるため、生活習慣病の予防や改善に効果が期待できる食材です。
シミ対策・美肌効果
活性酸素は皮膚の脂質を酸化させ、過酸化脂質の発生を促します。過酸化脂質は自然に排出されないため、肌に蓄積され、蓄積された部分にメラニン色素が集まりシミをつくることがあります。
また、活性酸素は皮膚に作用すると皮膚を老化させるため、しわやたるみの原因になる物質でもあります。一方、サツマイモには、抗酸化作用がある栄養素が多く含まれているため、シミ対策や美肌効果も期待できます。
血糖値上昇の抑制
糖質が体内に入り血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されますが、血糖値が急降下して血管にダメージを与えるため、動脈硬化の原因となります。水溶性食物繊維は大腸内で水分を吸収し、粘着性があるため糖質が消化管で吸収されるスピードを緩やかにする働きがある栄養素です。
水溶性食物繊維を多く含むサツマイモを摂取することで、血糖値の急上昇を抑え、動脈硬化を予防、改善できるでしょう。
腸内環境を整える
サツマイモに豊富に含まれている食物繊維には、善玉菌のえさとなり腸内環境をよくする働きがありますが、レジストスターチも食物繊維に似た働きで腸内環境を整えます。また、サツマイモ特有の成分であるヤラピンは、便をやわらかにして腸のぜん動運動を促すため、便秘の解消にも有効です。
サツマイモに含まれている不溶性食物繊維は、便の量を増やすことで腸を刺激します。すでに便秘で悩んでいる方が過剰に摂取すると便秘が悪化する場合があるため、摂取には注意が必要です。(※3)
肌のターンオーバー促進
ターンオーバーとは、一定の周期で古い角質が剥がれ落ち、新しい皮膚に生まれ変わることです。ターンオーバーの周期は年齢によって異なり、20代では約28日周期、30代では約40日と年代が上がるにつれて遅くなります。
ターンオーバーには、皮膚の材料となるタンパク質や、肌の新陳代謝をよくするビタミンB群、抗酸化作用が高いビタミンCやE、ミネラルなどが必要です。サツマイモには、ターンオーバーに必要な栄養素が多く含まれているため、ターンオーバーの促進効果が期待できます。
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準完全栄養食牛乳の主な栄養素
食品衛生法では、成分調整をしていない牛の生乳を加熱殺菌し、包装したものを「牛乳」と位置づけています。また、牛乳以外にも、特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳などがあります
牛乳のカロリーは100gあたり61kcalです。人間の乳に比べるとカルシウムが約4倍、タンパク質が約3倍も含まれているため、成長期の子どもやダイエット中の方にとくにおすすめの食材です。
ここでは、準完全栄養食牛乳の主な栄養素を詳しく解説します。(※2)
タンパク質
タンパク質は多数のアミノ酸が結合した化合物のことで、約20種類のアミノ酸でつくられています。
人間の身体の約15〜20%はタンパク質でできており、臓器や筋肉、ホルモンの材料になったりエネルギー源になったりします。
牛乳に含まれるタンパク質は、20種類のアミノ酸がバランスよく含まれており、非常に良質なタンパク質です。牛乳100gには、タンパク質が3.3g含まれています。
脂質
脂質は三大栄養素の1つで、水には溶けません。1gで9kcalものエネルギーをつくりだすため、生きていくために重要なエネルギー源の一つです。
脂質を摂りすぎるとエネルギーが過多で肥満の原因になりますが、不足すると必要なエネルギーが足りずに血管や細胞膜が弱くなり、脳出血などを引き起こす可能性もあります。そのため、ダイエット中でも必要な量を摂取することが重要です。
牛乳には、脂質が100gあたり3.8g含まれています。
炭水化物
炭水化物はタンパク質、脂質とともに三大栄養素の一つで、エネルギーの素となる栄養素です。主に主食とよばれるものに多く含まれ、栄養学的には食物繊維と糖質に分かれています。
糖質は体内で1gあたり4kcalのエネルギーを作り出し、脳や神経組織などのエネルギーとして活用されています。とくに脳は1日に約120gのブドウ糖を消費するため、炭水化物が不足すると注意力や判断力の低下、疲労感などが起こり、改善されないと意識障害を起こす可能性もあります。
近年では糖質カットのダイエットが人気ですが、適量を摂るよう心がけることが重要です。牛乳には100gあたり4.8gの炭水化物が含まれています。
カルシウム
牛乳はカルシウムを多く含んでいる食材として知られており、牛乳100gには110mgのカルシウムが含まれています。カルシウムは骨や歯をつくるミネラルで、体内のカルシウムの99%は骨と歯にあります。
そのほかの1%は血流の維持や筋肉活動などに使われており、生命維持や活動に重要な役割を果たしている栄養素です。成人男性の1日のカルシウム推奨摂取量は737〜789mg、女性は660〜667mgといわれています。
そのため、コップ1杯(約200ml)の牛乳を飲めば、1日に必要な量の3分の1を摂取できます。(※1)
ビタミンA
ビタミンAは水に溶けにくく油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンで、体内でレチノール、レチナール、レチノイン酸の3つに変換されます。皮膚や粘膜、視力の維持、免疫力の強化などに関係しており、抗酸化作用もある栄養素です。
また、プロビタミンAは体内で必要な量のみビタミンAに変換されるものの総称で、βカロテンやαカロテン、βクリプトキサンチンなどが挙げられます。牛乳には、レチナールが38gμ、βカロテンが6μg含まれています。
ビタミンB2
ビタミンB2は、タンパク質や炭水化物、脂質の代謝やエネルギーの生産に必要な酵素を助ける働きがあります。とくに脂質の代謝を多く助け、皮膚や粘膜、髪、爪の細胞の再生にも関係しています。
「発育のビタミン」ともよばれており、成長期の子どもにはとくに不足なく与える必要がある栄養素です。牛乳には、ビタミンB2が0.15mg含まれています。
ビタミンB12
ビタミンB12は、水にはやや溶けにくいものの、水溶性ビタミンに分類されています。アミノ酸や脂質の代謝に関わり、赤血球をつくったり、神経系の正常な機能や細胞分裂や合成に関わっています。
また、脳の機能や認知機能に影響を与えるなど、体の重要な機能に多数関係している栄養素です。そのため、不足すると貧血を起こしたり、神経障害や認知機能の低下を起こしたりします
牛乳にはビタミンB12が0.3gμ含まれています。
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準完全栄養食牛乳から得られる効果
ここでは、準完全栄養食牛乳より得られる7つの効果を解説します。
腸で善玉乳酸菌を増やす
牛乳に含まれている糖質や乳糖は分解されにくく、腸まで届いてビフィズス菌のえさになり、善玉乳酸菌を増やします。また、牛乳に含まれているタンパク質の中には、分解されてビフィズス菌を増やす働きがあるものも存在しています。
そのため、牛乳を飲み続けると腸内環境の改善が可能です。
腸の炎症を抑える
近年の研究により、牛乳に含まれる成分の1つであるラクトフェリンには、炎症を抑える効果があることが判明しました。また、ラクトフェリンには、抗菌活性があるほか、腸内細菌のバランスを整えたり内臓脂肪を減らすなどの働きがあるともいわれています。
便秘を防ぐ
牛乳に含まれている乳糖(ラクトース)は、腸内で乳酸や酢酸に変換され、便をやわらかくしたり、ぜん動運動を促したりして便を排出しやすくする働きがあります。また、腸内環境も整えるため、牛乳を飲むことで便秘の予防、改善に効果が期待できます。
便秘改善に牛乳を飲むときは、起床後すぐにコップ1杯程を飲むと効果的です。水分を補給するとともに胃腸を刺激するため、便意が発生します。
カルシウム・鉄分の吸収促進
牛乳に含まれている乳糖やタンパク質の一種であるカゼイン、リンにはカルシウムの吸収をよくする働きがあります。また、乳糖には鉄分の吸収をよくする働きも期待できます。
ただし、カルシウムは摂りすぎると鉄や亜鉛などのミネラルの吸収を妨げるため、摂取量には注意してください。カルシウムの1日の推奨摂取量は、18〜29歳男性で800㎎、30〜74歳男性で750㎎、75歳以上の男性で700㎎、18〜74歳女性で650㎎、75歳以上の女性で600㎎です。
熱中症予防
熱中症の予防には水分補給が有効ですが、スポーツドリンクの場合、水分やナトリウムをはじめとするミネラルが尿としてすぐに排出されてしまいます。牛乳は水分を保持する働きがあるため排出されにくいうえに、ナトリウムを含んでいます。
また、熱中症の予防には、体温を調節する働きがある血液量を増加させることが効果的です。息が弾む程度の運動を15〜30分おこなった直後にコップ1杯の牛乳を飲むことで、血液量を増加させることが期待できます。
過酸化脂質を防ぐ
脂質が活性酸素の働きにより酸化すると過酸化脂質になります。過酸化脂質は細胞膜の機能を損なったり、細胞やDNAを傷つけ、がんや生活習慣病の原因となるなどの悪影響を及ぼします。
牛乳に含まれているビタミンEは、脂質の代わりに酸化され、過酸化脂質の増加を防ぐ働きを持つ栄養素です。
胃痛・胸焼けの改善
胸焼けや胃痛の原因には胃粘膜の損傷が挙げられますが、牛乳には胃に膜を張る働きがあります。また、牛乳に含まれているタンパク質には、胃粘膜の保護や胃粘膜の修復作用もあります。
ただし、牛乳が胃に膜を張る効果は長くは続かないため、胸焼けを感じた場合は直後に飲むことがポイントです。
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準完全栄養食の代わりにベースフードの摂取もおすすめ
ここまで、準完全栄養食について詳しく解説してきましたが、「不足した栄養素を補うことが難しそう」「調理が面倒で毎日続けにくい」「嫌いな食材が多い」と感じる方も多いでしょう。そこで、準完全栄養食の代わりにベースフード(BASE FOOD)を摂取する方法をおすすめします。
主食をベースフードに置き換えるのみで、手軽に栄養バランスのよい食事を摂ることができます。ベースフードはベースフード株式会社が開発、販売しており、BASE PASTA、BASE BREAD、BASE Cookiesの3種類がある完全栄養食です。※16 ※17 ※18
ベースフードの特徴には、次の2つがあります。
- ベースフードのみで必要な栄養素が摂取できる
- 豊富な種類で飽きない
それぞれの特徴について詳しく解説します。
ベースフードのみで必要な栄養素が摂取できる
ベースフードの最大の特徴は、1食で1日に必要な栄養素の3分の1が摂れることです。タンパク質やビタミンB群、食物繊維などの栄養素が約30種類も含まれているため、主食と置き換えるだけで栄養バランスの取れた食事を摂ることができます。※15
1日3食の主食をすべてベースフードにすれば、それのみで1日に必要な栄養素をすべて摂ることも可能です。栄養バランスのよい食事は、毎日続けることで効果を発揮します。※15
毎食、食材に含まれている栄養素をチェックして必要な量を取り入れることは難しいですが、ベースフードなら手軽に実行できるでしょう。
豊富な種類で飽きない
毎日食べ続けるためには、飽きないことも重要です。ベースフードは商品ラインナップが豊富なため、飽きずに食べ続けることができます。
ここでは、ベースフードの種類について詳しく解説します。
ベースフードの種類
ベースフードには、BASE PASTA、BASE BREAD、BASE Cookiesの3種類があり、それぞれに数種類のフレーバーがあります。
BASE PASTA
BASE PASTAは、あまり手間をかけずに使用できます。
別途ソースを用意するのは面倒と思う方には、2種類のソースがついた特製ソース4食セットもおすすめです。
BASE BREAD
BASE BREADには、食パンタイプは、そのままでもおいしいですが、ジャムやバターを塗ったり、ハムや野菜を挟むなどのアレンジもしやすいため、飽きずに食べ続けやすい点が特徴です。カレーパン以外はそのままでも食べられますが、レンジやオーブントースターで温めると食感が変わるため、その違いも楽しめるでしょう。
ミニ食パン、メープル、シナモンは1袋2個入りのため、量を調整したい場合にもおすすめです。
BASE Cookies
BASE Cookiesはおやつとして楽しめる完全栄養食で、忙しいときの朝食代わりや小腹がすいたときの間食に、時間をかけずに栄養を摂ることができます。
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まとめ
サツマイモと牛乳は、準完全栄養食の中でもとくに優れた食材で、不足している栄養素はあるものの身体に必要な栄養素を多く含んでいます。準完全栄養食は毎日摂り続けたいものですが、料理が面倒だったり飽きてしまったりしがちです。
そこで、準完全栄養食の代わりに完全栄養食のベースフードの使用をおすすめします。ベースフードは、1食で1日に必要な栄養素の3分の1を摂ることができます。※15
そのまま食べることができるものが多く、パンタイプ、パスタタイプ、クッキータイプと種類も豊富なため、飽きることなく手軽に毎日食べられます。気になる方はぜひ試してみてください。
《参考元》
※1 厚生労働省|「日本人の食事摂取基準(2020年版)
※2 文部科学省|日本食品標準成分表2020年版
※3 農林水産省|消費者の部屋|さつまいもの切り口から出る白い液体はどんな働きがあるのですか
監修:工藤まりえ(管理栄養士)
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけでなはなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。