健康食品として近年、注目を集めている食品が全粒紛を使用したパンや焼き菓子です。小麦の粒まるごと挽いて製粉する全粒紛は、白さこそ普通の小麦粉に劣るものの、栄養素の多くを残す点が大きなメリットです。
今回は、全粒紛が持つ、健康効果が期待される栄養素について解説します。さらに、全粒紛を使用した食品としてBASE FOODを取り上げ、特徴や商品ラインナップなど詳しく紹介しています。
記事を最後まで読めば、全粒紛を手軽かつ便利に摂取する食品、BASE FOODの理解が深まるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
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全粒粉とは
全粒粉(ぜんりゅうふん)は、小麦を粒ごとすべて挽き、粉にしたものです。全粒粉の特徴、小麦粉との違い、風味や食感について解説します。
全粒粉の特徴
小麦の一部を使用する小麦粉と異なり、全粒粉は表皮を含めてまるごと製粉します。外皮が含まれているため、色は茶褐色です。外皮とは、小麦の粒の殻を指します。硬く、小麦全体の約15%を占めており、ふすま(ブラン)とも呼ばれています※1。
食物繊維を多く含み、通常の小麦粉100gに含まれる食物繊維は2.7gなのに対し、小麦全粒粉には11.2gも含まれています※2。なかでも不溶性食物繊維が大半を占める点が特徴です。不溶性食物繊維は、排便の回数や量を増やすなど整腸作用があることもわかっています。
このように、全粒粉は栄養価が高いことが特徴です。次に小麦粉との違い、風味と食感について詳しく解説します。
全粒粉と小麦粉の違い
全粒粉と小麦粉の違いは次のとおりです。
全粒粉 | 小麦粉 | |
---|---|---|
使用する小麦の部位 | すべて | 表皮と胚芽を除いた胚乳部 |
色 | 茶褐色 | 白 |
100gあたりのカロリー※2 | 320kcal | 349kcal |
100gあたりの食物繊維※2 | 11.2g | 2.5g(薄力粉1等) |
小麦の部位は、外皮と胚芽、そして胚乳に分かれます。小麦に占める割合は次のとおりです※1。
小麦の部位 | 小麦に占める割合 |
---|---|
外皮 | 約13.5% |
胚芽 | 約2.5% |
胚乳 | 約84% |
表皮には、繊維質やタンパク質・カルシウムなどが含まれています。そして、胚芽には、脂質・タンパク質・ミネラル・ビタミンなど栄養素が多く含まれています。この表皮と胚芽を製粉の過程で取り除いた小麦粉は、白さが際立つ反面、栄養素の多くを失ってしまいます。
小麦をまるごと製粉した全粒粉は、色味は茶色がかっているものの、栄養価は小麦粉に比べて高い点がメリットといえるでしょう。
全粒粉の風味・食感
全粒粉は硬い表皮を含んでいるため、噛みごたえある食感が特徴です。風味は香ばしく、パンやクッキー、パスタなどの材料として使われます。
欠点としては、小麦粉と比べて粘りのもととなるグルテン量が少なく、パンや焼き菓子を作る際にまとめにくいことが挙げられます。そのため全粒粉に通常の小麦粉(薄力粉、強力粉)を混ぜ合わせ、加工しやすくした商品も多く発売されています。
全粒粉に含まれる栄養素
表皮と胚芽をまるごと挽き込んだ全粒粉は、胚乳のみで製粉した小麦粉に比べ、高い栄養価を持ちます。ここでは全粒粉に含まれる豊富な栄養素について解説します。
食物繊維
全粒粉が持つ、さまざまな栄養価のなかでも特筆すべきものが食物繊維です。
食物繊維の1日あたりの必要摂取量と、100gあたりの食品別食物繊維量は次のとおりです。
食物繊維の必要摂取量(1日あたり)※3 | |
---|---|
成人男性 | 20g |
成人女性 | 18g |
食品別の食物繊維の含有量※2 | |
---|---|
全粒粉 | 11.2g |
小麦粉(薄力粉1等) | 2.5g |
ゴボウ | 5.7g |
食物繊維が豊富なことで知られるゴボウよりも、全粒粉は約2倍もの食物繊維量を誇ります※2。食物繊維は、整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目され、第6の栄養素といわれています。
また、便通を整えて便秘を防ぐうえで欠かせないものであり、肥満や脂質異常症・糖尿病・高血圧など生活習慣病の予防・改善にも効果が期待できます。
ビタミンB1
全粒粉は、普通の小麦粉よりビタミンが豊富です。とくに、ビタミンB1、B2、B6を多く含みます。ビタミンBは、体内のさまざまな代謝に必要な酵素の働きを補っています。
エネルギー源や体の構成成分となる、糖質、脂質、タンパク質だけを摂取しても、ビタミンB群が不足していると体内の代謝はスムーズに行われません。なかでも、ビタミンB1は糖質の分解に大きく関わっており、糖質をエネルギーに変換する作用を持ちます。
カリウム
人体に必要なミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きがあります。ナトリウムを排出する作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節する上で重要な栄養素です。
カリウムは海藻類のほか、野菜やフルーツに多く含まれています。カリウムの含有量が多い食品の1つがバナナです。
100gあたりのカリウム含有量※2 | |
---|---|
バナナ | 360mg |
全粒粉 | 330mg |
強力粉 | 89mg |
表のとおり、全粒粉にはバナナに匹敵するカリウムが含まれています。普通の小麦粉(強力粉)との比較では、全粒粉のカリウム量は約4倍です※2。主食として全粒粉のパンやパスタを選択すれば、カリウムを効率的に摂取することが可能です。
マグネシウム
マグネシウムも、カリウムと同じく人体に必要なミネラル分のひとつです。マグネシウムは、体内の代謝機能のサポートをしたり、カルシウムやリンなどと共に骨を作り出したりする働きを持ちます。
マグネシウムの1日あたりの摂取推奨量は次のとおりです※4。
成人男性(18~29歳) | 340mg |
成人男性(30~64歳) | 370mg |
成人女性(18~29歳) | 270mg |
成人女性(30~64歳) | 290mg |
全粒粉には100gあたり140mgのマグネシウムが含まれています※2。全粒粉を使用した食品を毎日食べれば、安定してマグネシウムの補給が可能です。
鉄
鉄は、血液に取り込まれた酸素を、人体のすみずみまで運ぶ働きを持つミネラルです。日本人が不足しやすいとされる栄養素のひとつであり、不足することで鉄欠乏生貧血を発症します。
そのため、日頃から意識して摂取することが大切と言えるでしょう。全粒粉に含まれる鉄の量は、100gあたり3.1mgです※2。
成人女性(18~49歳)の1日あたりの鉄の摂取推奨量は10.5mg(月経ありの場合)とされています※5。全粒粉が使用された食品を選べば、不足しがちな鉄分も補えるでしょう。
亜鉛
亜鉛は免疫反応の調節などに作用し、身体の成長と維持に必要な栄養素です。また、味覚を正常に保つ働きがあり、食べ物をおいしいと感じるのに欠かせない栄養素です。
亜鉛の1日あたり摂取推奨量は次のとおりです※5。
成人男性(18~29歳) | 11mg |
成人女性(18~49歳) | 8mg 妊娠中:10mg 授乳中:12mg |
全粒粉には、100gあたり小麦粉(強力粉)の約4倍に相当する、3.0mgの亜鉛が含まれています※2。
全粒粉を使用した食品を食べることで期待できる効果
全粒粉は、小麦粉をまるごと使用したことで、表皮と胚芽に含まれる多くの栄養価を失っていない点がメリットです。このため、全粒粉を使用した食品を食べれば、数々の健康に有益な効果が期待できます。
ここでは、全粒粉に含まれる栄養素から、期待できる効果を紐解いてみます。
便秘の改善
全粒粉に含まれる数多くの成分の中で、最初に挙げられるものが食物繊維です。特に、不溶性食物繊維を多く含み、食品としては、ゴボウを代表とする野菜のほか玄米などに多く含まれます。
全粒粉に含まれる食物繊維の量は、100gあたりでゴボウの約2倍、玄米の約4倍の食物繊維が含まれています※2。不溶性食物繊維は胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ便の量を増やすとともに腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促す効果があります。
全粒粉を使用したパンやパスタを主食に加えることで、快適なお通じが期待できるでしょう。
太りにくい
全粒粉は血糖値の急激な上昇を防ぐため、小麦粉と比べて太りにくいと言われています。その理由は、GI値の違いにあります。
GI値とは、Glycemic Index(グライセミック インデックス)の頭文字を取った言葉です。食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖濃度を計ったものです。
食品ごとにGI値が設けられており、GI値が低い食品は血糖値の上昇を穏やかにする働きがあります。GIが70以上の食品を高GI食品 56~69の間の食品を中GI食品 55以下の食品を低GI食品と定義しています※6。
全粒粉のGI値は普通の小麦粉よりも低く、消化吸収までにかかる時間が緩やかです。このため血糖値が上がりにくくなり、空腹感をおぼえるまでの時間も、普通の小麦粉を摂取した時より遅くなります。
そのため、食べる量が抑えられ、太りにくくなるといえるでしょう。
疲労回復
疲労回復効果がある栄養素としてはビタミンB群が知られています。全粒粉には、ビタミンB群が多く含まれており、特にB1・B2・B6が多いのが特徴です。
いずれも、エネルギー代謝に関わり、疲労解消の元となる栄養素で、疲れた体を癒すのに役立ちます。
高血圧の予防・改善
積極的に摂取することで、高血圧の予防・改善が期待できる栄養素がカリウムやマグネシウムです。カリウムは、食塩の主成分であるナトリウムを体外に排出しやすくすることで血圧を低下させるほか、塩分の摂り過ぎからくるむくみの解消も期待できます。
一方マグネシウムは、血管を広げる作用によって、高い血圧を低下させます。全粒粉にはカリウムとマグネシウム、どちらも豊富に含まれています。
普通の小麦粉(強力粉)と比較すると、その量はマグネシウムで約6倍、カリウムで約4倍です。※2。通常食べているパンを全粒粉のパンに替えることで、血圧のコントロールやむくみの解消につながる可能性があります。
貧血の予防・改善
貧血を予防し、改善に導く栄養素が鉄分です。鉄分は、普通の小麦粉(強力粉)には100g中わずか0.9mgしか含まれていません※2。
一方の全粒粉の100gあたりの鉄分含有量は3.1mgで、強力粉の3倍以上です※2。1日に必要な鉄分の推奨量は18~64歳の女性では月経なしの場合6.5mg、18~74歳の男性では7.5mgです※5。
日本人に不足しやすいといわれる鉄分も、全粒粉の食品を意識的に摂取することで、摂取推奨量の多くをまかなえるでしょう。
全粒粉食品を選ぶ際のポイント
さまざまな健康効果が期待できる全粒粉を使用した食品は、パンや麺類など種類も豊富です。ここでは全粒粉食品を選ぶ際のポイントを2点紹介します。
全粒粉の含有量が多い食品を選ぶ
全粒粉を使用した食品の代表がパンです。現在、市販されている全粒粉入りパンの多くは、製造のしやすさやコスト面を根拠に、強力粉を混ぜ合わせています。
健康効果を期待する方は、栄養価が高い全粒粉の割合に注目してみてください。できれば全粒粉を100%使用したものがおすすめです。
無添加の食品を選ぶ
全粒粉を使用した食品であっても、食品添加物が含まれていないものを選ぶことも良いでしょう。厚生労働省は、食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用を認めています。
しかし、少しずつ食品添加物の摂取を重ねることによる、将来への悪影響についてはまだ解明されていません。無添加かつ全粒粉を使用した食品は、数も多くはなく価格も高めです。気軽に手に入れることは簡単ではないでしょう。
しかし、安全に豊富な栄養素による健康効果を期待するなら、無添加のものを選ぶことが最適解と言えます。
全粒粉を使用しているBASE FOODなら手軽にからだのケアができておすすめ!
全粒粉を使用している食品として、現在人気を得ているものがBASE FOODです。完全栄養の主食を開発した、ベースフード株式会社が2017年から販売を開始しました。※15
累計販売数は1億袋を超え、定期購入者は17万人以上にのぼるなど、今では多くの支持を得ています。手軽に全粒粉のメリットを得る食品として、BASE FOODはおすすめです。
ここからはBASE FOODの特徴と、販売中の3つの商品について紹介します。
からだに必要な栄養素が豊富
原材料の基盤として、BASE FOODは全粒粉を使用しています。含まれる栄養素は、食物繊維のほか、ビタミン、ミネラル、タンパク質など26種類にのぼります。
主食に取り入れれば、バランス良く不足しがちな栄養素を取り入れられるでしょう。UCLA医学部助教授であり、健康食関連のベストセラー作家でもある津川友介氏も、これまでの数多くの研究結果に基づき、BASE FOODは健康によいと支持しています。
BASE FOODの種類
BASE FOODのラインナップは現在次の3種類です。
- BASE BREAD
- BASE PASTA
- BASE Cookies
それぞれ解説します。
BASE BREAD
主原料の全粒粉にプラスして、チアシードや昆布など、栄養価が高い食材を加えた、パンタイプのBASE FOODです。
手軽な個包装を採用し、風味はプレーン、レーズン、チョコレートなど豊富なフレーバーを展開しており、毎日でも飽きにくく食べやすい工夫が施されています。
BASE PASTA
ベースフード株式会社が初めて開発した商品がBASE PASTAです。全粒紛をベースに、米ぬか、小麦胚芽、昆布など栄養豊富な食材をさらに加えています。
麺のタイプは和風や中華風にアレンジ可能なアジアンと、濃厚なパスタソースと相性がよいフェットチーネ、それぞれ太さと食感が異なる2つが用意されています。
さらに、それぞれの麺のタイプに適したパスタソースも販売しています。アジアンには、花椒(ホアジャオ)の刺激が心地よい、ピリ辛台湾まぜそばソース、フェットチーネには、肉と玉ねぎのうまみが溶け込んだ、コクと旨みのボロネーゼソースがおすすめです。
BASE Cookies
主食以外に、おやつや夜食に好適な商品がBASE Cookiesです。ココア、アールグレイ、抹茶、ココナッツなど豊富な種類のフレーバーをラインナップしています。
賞味期限は注文日から約2か月で、常温で長期保存できる点がメリットです。
まとめ
今回は、全粒粉に含まれる栄養素について詳しく解説しました。全粒粉は、食物繊維を筆頭に、カリウムやマグネシウムなどのミネラル、日本人に不足しがちな鉄分や体内で生成されない亜鉛など、さまざまな栄養が豊富です。
全粒粉の栄養素を、手軽かつ便利に摂取できる食品が、完全栄養食のBASE FOODです。※15 BASE FOODには主食として調理不要なパンタイプ、アレンジレシピが楽しめるパスタタイプに加え、間食におすすめのクッキータイプなど全3種類が用意されています。
継続してお得に購入したい方は、公式サイトからの継続コースが好適です。記事をぜひ参考にして、自身に最適なBASE FOODを選んでみてください。
<参考文献>
※1 一般社団法人製粉振興会|小麦粒の内部構造
※2 文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※3 厚生労働省|「日本人の食事摂取基準(2020年版)|1-4炭水化物
※4 厚生労働省|「日本人の食事摂取基準(2020年版)|1―7 ミネラル|(1)多量ミネラル
※5 厚生労働省|「日本人の食事摂取基準(2020年版)|1―7 ミネラル|(2)微量ミネラル
※6 シドニー大学|GIについて
監修:前島悠里(管理栄養士)
短期大学卒業後、栄養士として調理や献立作成に携わる。食を通し、より多くの人の役に立つことを目標に管理栄養士の資格を取得した。その後は、老人保健施設にて栄養管理や栄養指導に従事した。現在は、予防医療に力を入れ、特定保健指導やダイエット指導に従事している。