メッキ加工によく使用される金属として知られるクロムですが、実はさまざまな食べ物や食品にも含まれる必須ミネラルの一つです。
クロムは健康を保つのに必要な栄養素と考えられており、必須ミネラルに数えられます。健康を維持するためにはクロムが含まれた食べ物や食品を摂取する必要があるといえるでしょう。
ただし、クロムを摂取する際には注意が必要なポイントもいくつかあります。
本記事では、どのような食べ物や食品にクロムが多く含まれているかを紹介します。また、クロムの健康効果や摂取のポイントまで詳しく解説します。ぜひ参考にしながら効率的にクロムを摂取してみてください。
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クロムとは?
クロムとは簡単にいえば、さまざまな食べ物や食品に含まれる必須ミネラルの一つで、三価クロムと六価クロムの2種類があります。
ここでは、クロムの特徴や種類を詳しく解説します。
必須ミネラルの1つ
クロムは、日本人の食事摂取基準(2020年版)において基準を設定された13種類の必須ミネラルのうちの一つです※1。必須ミネラルは体の組織を作る原料となり、体の働きを調節する働きがある栄養素です。
必須ミネラルには、体内に多く含まれている多量ミネラルと、少ししか含まれていない微量ミネラルの2種類があります。
多量ミネラルとは、カルシウムやマグネシウム、リンなどです。微量ミネラルには、鉄や銅、亜鉛、クロムなどが含まれています。クロムは体内で最も少ない必須微量ミネラル量です。
体内では、リンパ節や歯、肺などに多く存在しているほか、筋肉や血液にも存在しています。
クロムはさまざまな食べ物や食品に含まれています。どのような食べ物や食品に含まれているかはのちほど詳しく紹介するため、参考にしてみてください。
クロムの種類
クロムは大きく分けると、形態により次の2種類に分けられます。
- 三価クロム
- 六価クロム
食べ物や食品に関係があるのは三価クロムですが、知識として六価クロムについても理解しておくとよいでしょう。
ここでは、それぞれのクロムの種類の特徴について詳しく解説します。
三価クロム
三価クロムはクロム化合物の酸化数が+3のもので、自然界の動物や植物、土中などに幅広く存在しています。食べ物や食品に含まれているのは多くが三価クロムで、肉類や野菜類、魚介類などに幅広く含まれています。
三価クロムは毒性がないため、体に有害ではないのも特徴の一つです。そのため、以前はメッキ処理で通常使用されていた六価クロムに変わり、現在では三価クロムが使用されています。
六価クロム
六価クロムはクロム化合物の酸化数が+6のものです。
六価クロムは工業的に製造されたクロムで、メッキや顔料、防腐剤などに使用されます。三価クロムを酸化剤により人工的に高温で燃焼させて生成します。
六価クロムは自然界にはまず存在しない物質で、水に溶けやすい性質を持つことも特徴です。六価クロムには毒性があり、肺や胃腸、気道などに障害を引き起こすほか、発がん性も指摘されています。
体に有害なため、国内では自主規制により使用が禁止されている化学物質です。
クロムが多く含まれている食べ物・食品
クロムは健康の維持に欠かせないため、食べ物や食品からの摂取がおすすめです。クロムは、肉類や野菜類、魚介類など幅広い食べ物や食品に含まれています。
具体的には、どのような食べ物や食品にクロムが含まれているか紹介します。
肉類
肉類でクロムが多く含まれている食べ物や食品は次の通りです。含まれているクロムの量(100gあたり)も記載しているため、摂取する際の参考にしてください※2。
- レバーソーセージ:13μg
- ロースハム:12μg
- ビーフジャーキー:11μg
- 豚肉ロース:3μg
- ばらベーコン:1μg
肉類では、生肉よりも加工食品にクロムは多く含まれています。加工肉には飽和脂肪酸や食品添加物が多く含まれているケースもあるため、摂り過ぎには注意しましょう。
野菜類
次に野菜類でクロムが多く含まれる食べ物や食品を紹介します※2。
- ドライトマト:11μg
- ドライパセリ:38μg・パセリ 生:4μg
- ほうれん草 :2μg
- たかな 生:4μg
- ひろしまな 生:3μg
ドライトマトやドライパセリなど、水分がなくなることで栄養が凝縮された乾燥野菜にクロムが多く含まれています。
魚介類
魚介類でクロムを豊富に含んでいるのは次のとおりです※2。
- サザエ 生:6μg
- まさば 生:2μg
- あわび 生:6μg
- 牡蠣 生:3μg
魚介類では、サザエやまさば、あわびなどにクロムが多く含まれています。
まさばはクロムのほかにも、DHAやEPAが豊富なことでも知られています。さばの水煮缶は煮込み料理や炒め物、和え物など幅広く使用できる点がメリットです。
穀物
穀物の中でクロムを豊富に含んでいる食品を紹介します※2。
- ライスペーパー:18μg
- そば粉:4μg
- 玄米粉:6μg
- ビーフン:4μg
- 小麦粉全粒粉:3μg
穀物の場合、クロムは糠や胚芽に存在し、精白の過程で失われてしまうため、クロムを摂取する目的であれば未精白の穀物製品がおすすめです。
以上がクロムの多く含まれている食べ物や食品です。ほかにも、あおさやあおのり、ひじきなどの海藻類や、紅茶や青汁などの飲料にも多く含まれています。
とくに、あおさには100gあたりのクロムが160μgと、1日に必要なクロムの量をかなり上回る量が含まれています※2。海藻類からクロムを摂取する場合は、過剰摂取にならないように気を付けましょう。
クロムの健康効果
クロムは必須ミネラルの一つですが、具体的には次の3つの健康効果が挙げられます。
- 血糖値のコントロール
- 脂質の代謝を促進する
それぞれの健康効果について詳しく解説します。
血糖値のコントロール
クロムの健康効果の一つは、血糖値のコントロールです。血糖値は血液中に含まれるブドウ糖の濃度で、血糖値が高いと血液が濃くなり、脱水症状や糖尿病になるリスクがあります。
健康な体は、膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンが血糖値を低下させる働きをしていますが、クロムには、インスリンの作用を強める働きがあると考えられています。
クロモデュリンと呼ばれるオリゴペプチドには3価クロムイオンが結合しており、インスリン受容体に働きかけ、インスリンの作用を強めると考えられています。
実際にインスリンの血糖コントロールに問題がある糖尿病患者にクロムを補給した結果、血糖コントロールが改善したとの報告もあります※1。
脂質の代謝を促進する
クロムには脂質の代謝を促進する健康効果もあると考えられています。海外の研究では動物実験により、クロムの摂取によりコレステロールのバランスが改善したという実験結果があります※3。
さまざまな研究が行われていますが、現段階ではヒトへの治療においてクロムが脂質異常症に有意的に効果があるとは言い切れず、さらなる研究が期待されます。
クロムは脂質のほか、炭水化物やタンパク質の代謝にも関係があるとされているミネラルです。
クロムの1日の目安量
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人1人1日当たりの目安量を、男女ともに10μgと設定しています※1。
μgは100万分の1gを表しています。つまり、必要とされる量は非常にわずかなため、通常の食事をしていればクロムの不足は生じないでしょう。
もし、クロムが不足すると糖や脂質、タンパク質の代謝異常や、成長障害、動脈硬化などの症状が現れる可能性があります。クロム欠乏症の治療では、クロムを補給する場合があります。
反対に、クロムを過剰に摂取すると、吐き気や下痢、睡眠障害などの原因になる場合があるでしょう。クロムは過剰に摂取しても健康であれば尿として排出されるため、通常の食事から摂る分には過剰摂取の心配は少ないでしょう。
また、クロムは普段の食事で必要量の摂取が十分可能であるため、通常はサプリメントで補給する必要はありません。
クロムを効率よく摂取するポイント
通常の食事をしていれば問題なく摂取できるクロムですが、吸収率が低いミネラル成分でもあります。
クロムは小腸から吸収されますが、吸収率は1%ほどです※1。マグネシウムの吸収率は約30~50%であることを考えるとかなり低いといえるでしょう※4。
さらに吸収されたクロムの多くは尿として排出されます。
そのため、クロムを効率よく摂取するためには注意すべき点もいくつかあります。具体的には次の3つのポイントです。
- ビタミンCと一緒に摂取する
- シュウ酸の摂取に注意する
- BASE FOOD®から摂取する
クロムを効率よく摂取するポイントを詳しく解説します。
ビタミンCと一緒に摂取する
クロムを効率よく摂取するためには、ビタミンCと一緒に摂取しましょう。クロムは吸収率が低いですが、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が上がります。
ビタミンCはパプリカやキウイなど果物や野菜に多く含まれている栄養素です。ビタミンCは熱に弱い性質があることから、生の状態で摂取しましょう。
また、調理する際は水や熱に接する時間を短くしたり、煮出して汁物にしたりといった工夫が必要です。
ビタミンCが水溶性である特徴を活かして、ジュースやスムージーで摂るのもおすすめです。クロムとビタミンCの両方を豊富に含んでいるものには青汁があります。
シュウ酸の摂取に注意する
2つ目のポイントとして、シュウ酸と一緒に摂取する際に注意する点が挙げられます。
クロムはシュウ酸と一緒に摂取すると吸収が妨げられてしまいます。シュウ酸はほうれん草やさといもなどの野菜に含まれています。
野菜に含まれるアクの成分の「シュウ酸」はクロムの吸収を阻害するため、野菜を調理する際はアクをとりましょう。シュウ酸はクロムのみでなく、カルシウムや鉄分の吸収も阻害する働きがあります。
また、シュウ酸を摂り過ぎると尿路結石の原因ともなるため、シュウ酸を多く含む食べ物や食品の摂り過ぎには注意が必要です。
BASE FOOD®から摂取する
クロムを効率よく摂取したいなら、BASE FOOD®から摂取するのもよい方法です。
BASE FOOD®は体に必要な栄養が詰まった完全栄養食で、クロムも含まれています。BASE FOOD®1食分で1日に必要なクロムの1/3を摂取でき、BASE FOOD®のみで1日に必要なクロムを摂取するのに役立つでしょう(BASE BREAD®の場合)。
BASE FOOD®については次の項目で詳しく解説します。
体に必要な栄養素を摂取するならBASE FOOD®がおすすめ!
BASE FOOD®にはクロムを含む26種のビタミン・ミネラルが配合されていることから、体に必要な栄養素を効率的に摂取したいと考えている方にはBASE FOOD®がおすすめです。
ここでは、BASE FOOD®の特徴や商品ラインナップを紹介します。
クロムを含む26種のビタミン・ミネラルを摂取できる
BASE FOOD®はクロムを含む26種のビタミンやミネラル、 たんぱく質、 食物繊維などの栄養素を摂取できる商品です。
クロムのみでなく、ほかの必要なビタミンやミネラルを一緒に摂取できるのは大きなメリットといえるでしょう。
BASE FOOD®の商品ラインナップ
BASE FOOD®はパスタタイプとパンタイプ、クッキータイプの3種類があります。
多くの量を食べたいときや、朝忙しいために手軽に食事したいとき、またおやつを食べたいときなど状況にあわせて自由に選べるのもメリットです。
BASE FOOD®の商品ラインナップを詳しく紹介します。
BASE PASTA®
BASE PASTA®はパスタタイプのBASE FOOD®で、基本的には麺の種類により次の2種類に分けられます。
- アジアン
- フェットチーネ
アジアンは細麺で、和風や焼きそばなど、アレンジの幅が広い特徴があります。フェットチーネはもちもち食感の平打ち麺で、クリーム系の濃厚ソースによくあうでしょう。
上記の2種類は麺のみでソースは自由に用意できますが、ソースがセットになった「特製ソース4食セット」もあります。
BASE PASTA®の麵によくあうボロネーゼと台湾まぜそばの2種類のソースがセットされているため、手軽に食べられて忙しいときに便利です。
BASE PASTA®はほかのBASE FOOD®に比べて量が多く、栄養素も豊富に含まれていて、たくさん食べたいときにおすすめです。
また、BASE PASTA®には「デリシリーズ」と呼ばれる冷凍タイプもあります。調理済みのボロネーゼのパスタで、レンジで温めるのみで食べられる点が特徴です。
帰宅後疲れて自炊したくないときや、忙しいときでもタンパク質や栄養を十分に摂りたいときのためにストックしておくとよいでしょう。
BASE BREAD®
BASE BREAD®はパンタイプのBASE FOOD®です。
BASE BREAD®には次の8種類が用意されています。
- ミニ食パンプレーン
- ミニ食パンレーズン
- プレーン
- リッチ
- チョコレート
- メープル
- シナモン
- カレー
多くの種類が用意されているため、飽きずに継続しやすいです。ミニ食パンを使用してサンドウィッチにしたり、好みの食材と一緒に摂取したりなどアレンジもしやすいでしょう。
BASE BREAD®に含まれるクロムの量はパンの種類によりますが、クロムを多めに摂ることができるものもあります。また、BASE BREAD®にはクロム以外の必須ミネラルやビタミンも豊富に含まれています。
クロムはビタミンCと一緒に摂取すれば吸収率が上がるため、パンと一緒にパプリカやキウイなどの野菜や果物と食べるとよいでしょう。
BASE Cookies®
BASE Cookies®はクッキータイプのBASE FOOD®です。サクサクとした食感で、甘すぎない大人の味わいが特徴のクッキーです。
BASE Cookies®には次の5種類があります。
- ココア
- アールグレイ
- 抹茶
- ココナッツ
- さつまいも
1袋ずつ個包装されていて持ち運びしやすく、職場や外出先に持ち運んで、小腹が空いたときにおやつとして食べられます。
高たんぱくで食物繊維も多く含まれており、食事管理をしながらも、時々はおやつを食べたい方にもおすすめです。
クロムも含まれており、クッキーの種類により1日に必要な量のクロムを摂取できるものもあります。
クロムのみでなく、全部で26種類のビタミンやミネラルが配合されていて、ほかのBASE FOOD®と同じく体に必要な栄養素を摂りやすいです。
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まとめ
必須ミネラルの一つであるクロムは肉類や野菜、魚介類など幅広い食べ物や食品に含まれています。
クロムには、血糖値のコントロールや脂質の代謝の促進などの健康効果があることも特徴です。
クロムを摂取する際には、ビタミンCと一緒に摂取するとよい点や、シュウ酸の摂取に注意する必要があるなど気を付けるべき点もいくつかあります。
また、クロムを効率的に摂取したいなら、BASE FOOD®から摂取するのもおすすめです。
BASE FOOD®はクロムをはじめとして26種類のビタミンやミネラルを豊富に含んでいるため、クロム以外の栄養素も効率的に摂取できます。
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<参考文献>
※1 厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|1-7ミネラル (2)微量ミネラル
※2 文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※3 J Diabetes. 2012 May 31|“Anti-atherogenic effect of chromium picolinate in streptozotocin-induced experimental diabetes.”|Sundaram B, Singhal K, Sandhir R. 2012
※4 厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|1-7ミネラル (1)多量ミネラル