多くの食べ物があふれ、飽食の時代ともいわれる現代でも、体に必要な栄養素が不足して、栄養失調になっている方は、実は少なくありません。
栄養失調になると、体にさまざまな不調が現れて、日常生活に支障をきたす恐れもあるため、日頃からバランスのよい食事をおこない、栄養失調を防ぐことが大切です。
そこで本記事では、栄養失調にならない食事について、詳しく解説していきます。また、栄養価の高い食品や、食事のポイントもあわせて紹介します。
栄養不足が気になる方や、栄養がある食べ物を食事に取り入れたい方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
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栄養失調とは
栄養失調と聞くと、食料が不足している国で起こる健康問題のイメージがありますが、食べ物が豊富な日本でも十分起こり得るため、他人事ではありません。
ここからは、栄養失調とはどのような状態で、どのような原因により起こるのかを詳しく解説していきます。
栄養が不足した状態のこと
栄養失調とは、体に必要な栄養素が不足した状態のことを言います。
人は、炭水化物やたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を食べ物から取り入れて、健康な体を維持しています。しかし、食べ物の摂取量が少なすぎると、健康な体を維持するための栄養素を補えず、体に不調をきたします。
また、食事量が少なくなくても、偏った食事をしていると体に必要な栄養素が不足して栄養失調になる恐れもあるため、注意が必要です。
栄養失調の原因
栄養失調になる原因には、おもに次の3つが挙げられます。
- 食事の摂取量が少なすぎる
- 偏った食事により栄養のバランスが崩れている
- 消化や吸収、代謝などに問題がある
高齢者の場合は、身体機能の低下により、年齢を重ねるにつれて食べる量が減少する傾向があります。そのため、高齢者は自覚がないまま栄養失調になりやすいので注意が必要です。
また、ダイエット中で極端に食事量を減らしている方も、食事量の低下により体に必要な栄養素が補えず、栄養失調に陥っている可能性があります。
一方、十分な食事量を摂取している場合でも、食事内容が偏っていると、体に必要な栄養素をまんべんなく補えず、体に不調をきたす場合もあります。
食べ物が豊富な現代の日本においても、若い世代から高齢者まで栄養失調に陥る可能性があるため、日頃からバランスのよい食事を心がけることが大切です。
新型栄養失調とは
偏った食生活により、体に必要な栄養素が不足する栄養失調は、新型栄養失調とも呼ばれ、偏食の方や無理なダイエットをしている方に多く見られます。
普段から、インスタント食品やコンビニの弁当、スーパーのお惣菜などで食事を済ませる食生活を送っている方は、栄養が偏りやすいため要注意です。
上記のような食品は、カロリーや糖質、脂質、塩分などは多く含まれていますが、体の調子を整える上で重要なビタミン、ミネラル、食物繊維はあまり含まれていません。
食事量はしっかり摂っていても、体に必要な栄養素が摂れていなければ、体に不調をきたす恐れがあるため、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
また、新型栄養失調は、体型を気にして極端なダイエットをしている若い女性の方にも多く見られます。
極端なダイエットは、栄養失調のみでなく、拒食症や過食症などの摂食障害や、将来的には不妊の原因にもつながる可能性があるため、無理なダイエットは控えましょう。
栄養失調の症状
栄養失調は、体重が減少しやせ細るイメージがありますが、その他にはどのような症状が体に現れるのでしょうか。
ここでは、栄養失調の症状について、詳しく解説していきます。
体重の減少
食事の摂取量が少ないと、食べ物から得られるエネルギーが低下します。
人は安静な状態でも呼吸や心拍、体温の維持などでエネルギーを消費しているため、摂取するエネルギーが消費するエネルギーよりも少ないと、体重は減少します。とくに高齢者は、加齢とともに食が細くなり、自覚がないまま栄養失調に陥っているケースも見られます。
体重が減少すると、筋力が落ちて免疫力が低下したり、ストレスに対する抵抗力が弱まり気力も低下したりするため、注意が必要です。
日頃から肉、魚、卵、乳製品、などのたんぱく質を多く含む食品を食事に取り入れて、筋力を落とさないように心がけましょう。
骨粗しょう症
食事量の低下や偏った食生活は、カルシウムの摂取量が減少し、骨粗しょう症に罹患しやすくなります。
骨粗しょう症は、骨の代謝が低下して骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨の形成には女性ホルモンのエストロゲンが関与していますが、エストロゲンは閉経後に分泌量が低下します。そのため、閉経後の女性は骨粗しょう症のリスクが高まるため、とくに注意が必要です。
骨粗しょう症を予防するためには、牛乳やチーズ、小魚、モロヘイヤなどのカルシウムが多い食品を積極的に摂り入れるとよいでしょう。
また、納豆や豆腐などの大豆製品には、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンが多く含まれているため、骨粗しょう症予防に効果的です。
きくらげや干ししいたけに含まれているビタミンDには、カルシウムの吸収をよくする働きがあるため、ぜひカルシウムが多い食品とあわせて取り入れてみてください。
また、ビタミンDは日光に当たると体内で生成される性質もあるため、適度な日光浴もおすすめです。
貧血・めまい
食事の摂取量が少ない方や偏った食生活をしている方は、鉄不足になりやすく、貧血やめまいなどの症状が現れることもあるため、注意が必要です。
食べ物から摂取した鉄は、血液の赤血球の中にあるヘモグロビンを作る材料になります。
ヘモグロビンは酸素と結合して全身に酸素を届ける役割があるため、ヘモグロビンが減少すると、全身に運ばれる酸素が低下して、めまいや頭痛、だるさなどの症状が現れます。
とくに女性は、月経によって血液が体外へ出ていくため、ヘモグロビンをつくる鉄を食事からしっかりと補うことが大切です。
鉄は、レバーやカツオ、小松菜、納豆、ひじきなどに多く含まれているので、積極的に食事に取り入れましょう。
便秘・肌荒れ
便秘や肌荒れは、食生活の乱れにより起こりやすい症状です。便秘は偏った食事や食物繊維の摂取不足により起こりやすくなります。
食事の摂取量が少ない場合や、外食やコンビニ、スーパーの弁当や総菜ばかり食べていると、食物繊維が不足しやすいため、要注意です。
食物繊維はキャベツやにんじん、たけのこ、豆類、海藻類などの食材に多く含まれているので、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。
肌荒れは、ビタミンやミネラルの摂取不足により肌のバリア機能が弱まることで起こりやすくなります。そのため、野菜や果物などのビタミンやミネラルが多く含まれている食材もバランスよく食事に取り入れるとよいでしょう。
栄養失調になりにくい栄養価の高い食品
栄養失調を予防するためには、栄養価の高い食品を摂取して、効率よく体に必要な栄養素を補うことが大切です。
ここからは、栄養失調になりにくい栄養価の高い食品を4種類紹介します。どの食品もスーパーで手軽に入手できるので、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。
きのこ類
しいたけ、えのきたけ、しめじ、舞茸、エリンギなどのきのこ類は、食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は便秘を改善する以外にも、肥満や糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を予防する効果があるため、積極的に食事に取り入れたい栄養素です。
また、しいたけに含まれているエリタデニンには、血中コレステロール値を下げる効果も認められています。きのこ類には、カルシウムの吸収をよくするビタミンDも多く含まれているため、骨粗しょう症の予防にも効果的です。
きのこ類は、天日干しによりビタミンDが増加するため、きのこの栄養をたっぷりと取り入れたい方は、干ししいたけやきくらげなどの乾物を取り入れるとよいでしょう。
ナッツ類
アーモンドやくるみ、落花生などのナッツ類は、LDL(悪玉)コレステロールを減らす作用がある不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
また、抗酸化作用があるビタミンEも多く含まれているため、老化予防や動脈硬化症などの予防にも効果的です。
ナッツは調理不要でそのまま食べられるため、小腹がすいたときのエネルギー補給にも適しています。料理のトッピングにも使用できるため、ぜひいろいろな食べ方でナッツ類を取り入れてみてください。
栄養豊富で手軽に食べられるナッツ類ですが、一度に多く食べると消化不良や便秘になる場合もあるため、食べすぎは控えましょう。
豆類
大豆や小豆などの豆類には植物由来のたんぱく質が豊富に含まれています。とくに大豆は畑の肉と呼ばれるほどたんぱく質が豊富です。
栄養失調になると、たんぱく質が不足して筋力が低下しやすいため、蒸し大豆や納豆、豆腐、豆乳、油揚げ、味噌、きな粉などの大豆製品を積極的に取り入れるとよいでしょう。
大豆製品には、女性ホルモンと同じような働きをするイソフラボンも含まれているため、骨粗しょう症を予防したり、更年期障害の症状をやわらげたりする効果も期待できます。
大豆製品は種類も豊富で、比較的手ごろな価格で購入できるため、ぜひ毎日の食事に栄養豊富な大豆製品を取り入れてみてはどうでしょうか。
発酵食品
それぞれの食品に含まれる栄養素を記載してください。納豆やヨーグルト、チーズ、味噌、キムチなどの発酵食品は、栄養価が高く体に吸収されやすい特徴があります。
発酵食品は乳酸菌や麹菌などの微生物が途中まで消化を済ませているため、発酵していない食品に比べて消化の負担が少なく、体に優しいところがメリットです。
また、発酵食品は腸内環境を整え善玉菌を増やす働きもあるため、積極的に取り入れることで、免疫力の向上も期待できます。発酵食品は毎日食べ続けることで、より効果が得やすいため、ぜひ毎日の食事に発酵食品を取り入れてみてください。
栄養失調にならない食事のとり方
栄養失調を予防するためには、栄養バランスがとれた食事をとることが重要です。
ここからは、栄養失調にならないための食事のとり方を詳しく解説していきます。食事のとり方ポイントを押さえて、効率よく体に必要な栄養素を補いましょう。
三大栄養素のバランスを考えた食事をとる
食べ物にはさまざまな栄養素が含まれていますが、とくに重要な働きをする栄養素が三大栄養素と呼ばれる、炭水化物、脂質、たんぱく質です。
三大栄養素は次のような働きがあります。
・炭水化物:体や脳を動かすエネルギーになる
・脂質:ホルモンや細胞膜をつくる材料になる、エネルギーになる
・たんぱく質:筋肉や血液、内臓をつくる元になる、エネルギーになる
三大栄養素は健康な体を保つために不可欠なため、食事から過不足なく取り入れることが大切です。
三大栄養素は次のような食品に多く含まれています。
・炭水化物:ごはん、麺、パン
・脂質:バター、油
・たんぱく質:肉、魚、卵、豆類
上記の食品をまんべんなく取り入れると、バランスが取れた食事が実現できるため、栄養失調になるリスクは低下するでしょう。
また、ビタミンやミネラルを多く含む野菜や果物、海藻類もあわせて取り入れると、さらに栄養バランスの向上が見込めるため、ぜひ試してみてください。
間食で不足した栄養素を補う
食が細く食事量が少ない場合は、1日3食の食事では必要なエネルギーや栄養素を補えない可能性があります。そのような場合は、間食を取り入れて食べ物を摂取する回数を増やし、不足分のエネルギーや栄養素を補うとよいでしょう。
間食には、ゆで卵やサラダチキン、ヨーグルト、チーズなどのたんぱく質が多い食品や、ナッツや小魚などのビタミンやカルシウムが豊富な食品がおすすめです。
また、バナナも手軽に食べられて、素早くエネルギーに変換されるため、間食に摂り入れる食材に適しています。
BASE FOODを食事に取り入れる
栄養豊富な食品を手軽に食事に取り入れたい場合は、完全栄養食のBASE FOODがおすすめです。※15
BASE FOODは、厚生労働省が定める食事摂取基準を元にした、栄養素等表示基準値における1日に必要な栄養素の約1/3を、1食で補えます。※15
そのため、栄養バランスを考えて献立を考えたり、他の食品と組みあわせて食べたりする必要がなく、BASE FOODのみで手軽に体に必要な栄養素を補給可能です。
不足しがちな栄養素を手軽に補うならBASE FOODがおすすめ!
BASE FOODは体に必要な栄養素を手軽に摂取できるため、栄養不足が気になる方の食事や間食におすすめの食品です。
ここからは、BASE FOODの特徴をさらに詳しく解説していきます。
ミネラルやビタミンが豊富に含まれている
BASE FOODは原材料に全粒粉や大豆粉などを使用しているため、精白されている一般的な小麦パンよりもビタミンやミネラルが豊富含まれているところが特徴です。
また、スーパーフードと呼ばれているチアシードや昆布も使用しており、合計26種類のビタミンやミネラルを1食のみで手軽に補えます。
間食としてもおすすめ
BASE FOODは体に必要な栄養素がバランスよく配合されているため、間食に取り入れる食品として最適です。
パン、クッキー、パスタと種類が豊富で、自身の好みやライフスタイルに合ったものを選べます。種類が多いため、飽きずに食べ続けられるところも、BASE FOODが多くの方に支持されている理由の一つです。
料理の手間がかからない
BASE FOODの魅力は、料理の手間をかけずに、栄養のバランスがとれた食品を手軽に摂取できるところにもあります。
栄養バランスのよい食事を自炊する場合、献立を考えて調理をし、後片付けをする作業が必要なため、料理が不得意な方や、忙しい方はハードルが高く感じるでしょう。
BASE FOODの食品なら、そのような面倒な手間をかけずに栄養価が高い食品を摂取できます。パンやクッキータイプの商品なら、袋を開いてすぐに食べられるので、忙しいときの栄養補給に最適です。
まとめ
本記事では、栄養失調にならない食事について解説しました。栄養失調は、体に必要な栄養素が不足した場合に起こります。
そのため、現代の日本においても、偏食や極端なダイエットにより食事が偏ると、必要な栄養素を補えず、栄養失調になる恐れがあります。また加齢により身体機能が低下して食が細くなっている高齢者も、栄養不足に陥りやすいため、注意が必要です。
栄養失調は、栄養価の高い食品をバランスよく食事に取り入れることで予防できます。ぜひ本記事で紹介した栄養価の高い食べ物や、食べ方のポイントを参考にしてみてください。
栄養豊富な食品をバランスよく摂取して、健康な体を維持していきましょう。
監修:宮本ゆか(管理栄養士)
町役場やドラッグストアでの管理栄養士を経験後、農業の手伝いや、無添加の中華料理店で勤務を通じて、食と健康の重要性を実感。2022年からはフリーランスの管理栄養士兼Webライターとして、執筆を中心に活動しています。