街のベーカリーやスーパーのパンコーナーで、一般的なパンと並んでライ麦パンが陳列されているのを見かけたことがある方も多いでしょう。ライ麦パンは、一般的なパンよりも栄養豊富で健康的なイメージがありますが、具体的にどのような栄養素が含まれているのかを知っている方は少ないのではないでしょうか。
そこで本記事では、ライ麦パンの栄養や、食べることで得られるメリットについて詳しく解説していきます。また、おすすめの完全栄養食もあわせて紹介します。ライ麦パンに興味があり、食事に取り入れようか迷っている方は、本記事の内容をぜひ参考にしてみてください。
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ライ麦パンに含まれる主な栄養成分やミネラル成分
ライ麦粉を原料として作られているライ麦パンは、小麦粉を原料にして作られている通常の食パンよりも、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。ここからは、ライ麦パンに含まれている主な栄養成分とその効能について、詳しく解説していきます。
ビタミンB群
ライ麦パンは、一般的な小麦食パンに比べて、水溶性ビタミンであるビタミンB群が豊富に含まれているところが特徴です。日本食品標準成分表2020年版(八訂)における100gあたりのライ麦パンと小麦食パンの主なビタミンB群の含有量は次の表のとおりです※1。
ライ麦パン | 小麦食パン | |
ビタミンB1 | 0.16mg | 0.07mg |
ビタミンB2 | 0.06mg | 0.05mg |
ビタミンB6 | 0.09mg | 0.03mg |
葉酸 | 34μg | 30μg |
ビタミンB1、B2、B6、葉酸のすべての項目において、ライ麦パンは小麦食パンの数値を上回っています。ビタミンB群は健康な体を維持するために欠かせない栄養素で、主に次のような働きをしています。※2、3、4、5。
ビタミンB群 | 主な働き |
ビタミンB1 | 糖質の代謝をサポートする、神経機能を正常に保つ |
ビタミンB2 | 糖質、脂質、たんぱく質の代謝をサポートする、発育を促進する |
ビタミンB6 | たんぱく質の代謝をサポートする、正常な免疫機能の維持 |
葉酸 | 赤血球の形成やDNA合成に関与する |
ビタミンB群は、水に溶けやすい性質があり、多く摂取しても尿と共に排出されてしまうため、ライ麦パンのようにビタミンB群を多く含む食品からこまめに補うことが大切です。とくに葉酸は、不足すると胎児の神経管閉鎖障害を引き起こす場合があるため、妊娠中の方は不足しないように気をつけましょう※5。
食物繊維
食物繊維は人の消化酵素では消化されず、大腸まで到達するため、お腹の調子を整えて、便通をよくする働きがある栄養素です※6。また、血糖値や血中コレステロール値を低下させたり、老廃物を吸着して体外へ排出したりする作用もあります。
食物繊維は、水溶性の食物繊維と、不溶性の食物繊維の二種類がありますが、ライ麦パンには水溶性、不溶性どちらの食物繊維も多く含まれているところが特徴です。水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やして便をやわらかくする効果があり、不溶性食物繊維は便のかさを増やして便通を整える効果が認められています※7。
ライ麦パンと小麦食パンの100gあたりの食物繊維量は次の表のとおりです※1。
食物繊維 | ライ麦パン | 小麦食パン |
水溶性食物繊維 | 2.0g | 0.4g |
不溶性食物繊維 | 3.6g | 1.9g |
ライ麦パンと小麦食パンを比べると、水溶性、不溶性どちらの食物繊維量も、ライ麦パンの方が上回っていることが分かります。ライ麦パンは小麦食パンよりも便秘改善に効果が期待できる食物繊維が豊富なため、便秘が気になる方は、ぜひライ麦パンを普段の食事に取り入れてみてください。
鉄
ライ麦パンには、ミネラルの鉄も多く含まれています。鉄は赤血球のヘモグロビンに含まれる成分で、貧血を予防する働きがある栄養素です※8。100gあたりの鉄量は、ライ麦パンが1.4mgなのに対し、小麦食パンは0.5mgで、ライ麦パンは小麦食パンに比べて2.8倍の鉄が含まれています※1。
そのため、貧血気味で鉄を多く摂取した方は、小麦食パンよりもライ麦パンの摂取がおすすめです。鉄はレバーや赤身肉などに含まれる動物性のヘム鉄と、ライ麦や野菜などに含まれる植物性の非ヘム鉄の2種類ありますが、非ヘム鉄はヘム鉄に比べて吸収率がよくありません。
非ヘム鉄は、たんぱく質やビタミンCと共に摂取すると、吸収率が上昇するため、たんぱく質が豊富なサラダチキンや卵、ビタミンCが豊富な野菜や果物をライ麦パンとあわせて食べるとよいでしょう。
亜鉛
ライ麦パンは、正常な味覚の維持や、免疫反応などのさまざまな生体反応に関与しているミネラルの亜鉛も多く含まれています。100gあたりの亜鉛量は、ライ麦パンが1.3mg、小麦食パンが0.5mgのため、ライ麦パンの方が小麦食パンよりも2.6倍の亜鉛が含まれています※1。
亜鉛が不足すると、成長障害や味覚障害を引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。不足しないように、ライ麦パンや、魚介類、肉類、海藻類などから亜鉛を補いましょう。また、加工食品には亜鉛の吸収を阻害する添加物が含まれている場合があるため、加工食品を食べ過ぎないことも大切です※9。
カリウム
ライ麦パンは細胞の浸透圧を調整するミネラルであるカリウムも豊富に含まれています。カリウムには、ナトリウムを体外へ排出する働きがあるため、塩分の摂り過ぎによる高血圧の予防や、むくみの解消に効果がある栄養素です※10。
100gあたりのカリウム量は、ライ麦パンが190mg、小麦食パンが86mgのため、ライ麦パンは小麦食パンの約2倍のカリウムが含まれています※1。そのため、血圧やむくみが気になる方は、小麦食パンよりもライ麦パンの摂取がおすすめです。
主食をライ麦パンに置き換えるメリット
ライ麦パンは上記のとおり、栄養価が高く健康効果が期待できる食品ですが、実際に主食をライ麦パンに置き換えた場合、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここからは、主食をライ麦パンに置き換えるメリットについて、詳しく解説していきます。
通常の食パンよりも栄養が豊富に摂れる
ライ麦パンは、通常の小麦食パンに比べて、食物繊維やビタミンB群、ミネラル類が豊富に含まれています。そのため、いつも小麦食パンを食べている方が、ライ麦食パンに置き換えると、体に必要な栄養素をさらに多く摂取可能です。
ライ麦パンは便秘や貧血の改善や、血糖値や血圧、コレステロール値などを低下させる効果が期待できるため、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。
食べ応えがあるため少量で満腹感を得やすい
ライ麦パンは、もちもちとした食感の元になるグルテンが形成されにくいため、硬くてどっしりとしており、噛み応えがあるパンです。そのため、やわらかくて食べやすい一般的な小麦パンに比べて、よく噛んで食べる必要があります。
よく噛んで食べると、脳の満腹中枢が刺激されて、満足感を得られやすくなり、食べ過ぎ防止に効果的です。また、よく噛むことでホルモンの分泌量が増え、内臓脂肪が分解されやすくなるため、肥満予防も期待できます※11。
ライ麦の配合率が高ければダイエットにも効果的
ライ麦パンとして販売されているものには、ライ麦粉100%のものと、ライ麦粉に小麦粉や全粒粉などの他の粉類を加えて作られているものがあります。ライ麦粉100%のものは、グルテンが形成されにくいため硬めの食感ですが、他の粉類が添加されているものは、やわらかさがあり食べやすい特徴があります。
ダイエット効果を得たい場合は、ライ麦粉の配合割合が高いライ麦パンがおすすめです。ライ麦粉の配合割合が高いパンほど、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、便秘の改善や、余分な糖や脂肪を吸着して体外へ排出する効果があるため、ダイエットに効果的です※6。
また、食物繊維には血糖値の上昇を抑えてインスリンの過剰分泌を防ぎ、体に体脂肪がつくのを予防する働きもあります。体脂肪をつけたくない方は、ライ麦粉100%のようなライ麦粉の配合割合が高いパンを、積極的に取り入れるとよいでしょう。
おすすめのライ麦パン活用レシピ3選
ここからは、ライ麦パンを活用したおすすめレシピを3つ紹介します。気になるものがあれば、ぜひ作ってみてください。
食パンタイプ:アンチョビバタートースト
食パンタイプのライ麦パンなら、アンチョビ、チーズ、バターを使用したアンチョビバタートーストがおすすめです。作り方は、まずライ麦パンをフライパンで油を敷かずに両面焼き、取り出して一口大にカットします。
一口大のパンにチーズをのせ、魚焼きグリルでチーズが溶けるまで焼き、皿に取り出します。フライパンで熱したバターに、刻んだアンチョビを加えてソースを作り、パンの上からかければ完成です。
ベーグルタイプ:ライ麦パンのきのこグラタン
穴の開いていないベーグルや丸い形のライ麦パンなら、おしゃれでおいしいきのこグラタンがおすすめです。まず、パンの上部を切り落とし、中をスプーンや包丁でくり抜きます。フライパンでバターを熱し、玉ねぎ、しめじ、まいたけ、エリンギを炒め、さらに小麦を加えて炒めます。
牛乳を少しずつ加えて、塩コショウで味を整え、とろみがついたら、くり抜いたパンに流し込みましょう。オーブントースターで焼き目が付くまで焼き、上からパセリをかければできあがりです。
コッペパンタイプ:ナッツとクリームチーズのスモーブロー
コッペパンタイプのライ麦パンなら、北欧の伝統的なオープンサンドをアレンジした、ナッツとクリームチーズのスモーブローを作ってみてはどうでしょうか。作り方は簡単で、スライスしてトーストしたライ麦パンにクリームチーズを塗り、アーモンドやくるみなどの好みのナッツを載せ、上からハチミツをかければ完成です。
ライ麦パンよりも豊富な栄養成分を含むBASE BREAD®
栄養価が高く健康的なパンを食事に取り入れたい場合は、ライ麦パンよりも豊富な栄養成分を含むBASE BREADもおすすめです。ここからは、BASE BREADの特徴について詳しく解説していきます。
1食で1日に必要な栄養素の1/3が摂れる
BASE BREADは、厚生労働省の食事摂取基準を元にした栄養素等表示基準値における、1日に必要な栄養素の1/3を1食のみで補える完全栄養食です※12。全粒粉を使用して作られているBASE BREADは、一般的なパンに比べて低糖質で、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
豊富な種類で飽きずに継続できる
BASE BREADは種類が非常に豊富なため、飽きずに継続して食べられるところも多くの方に支持されているポイントです。BASE BREADの種類は、ミニ食パン・プレーン、ミニ食パン・レーズン、プレーン、チョコレート、メープル、シナモン、カレー、リッチの8種類あります。
いろいろな味があるので、自身の好みに合ったパンを見つけやすいでしょう。
ダイエットや健康的な食事を意識する方におすすめ
一般的な小麦パンは、糖質が多く含まれているため太りやすくダイエットにはあまり適していません。一方、BASE BREADは、全粒粉ベースの低糖質パンのため、ダイエット中の食事や間食にピッタリです。
ダイエット中は、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が不足しがちですが、BASE BREADならそれらの栄養素も同時に補えます。ダイエット中にパンを食べたくなったら、ぜひ低糖質かつ栄養豊富なBASE BREADを取り入れてみてください。
まとめ
本記事では、ライ麦パンに含まれる栄養素や、主食をライ麦パンに置き換えることで得られるメリットについて解説しました。ライ麦パンは一般的な食パンに比べて、健康な体を維持するために不可欠なビタミンB群や、鉄、亜鉛、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
また、ライ麦パンは食物繊維の含有量も多いため、便秘改善や生活習慣病の予防、ダイエット効果なども期待できます。健康やダイエットに興味がある方は、普段食べているパンを、栄養豊富なライ麦パンにぜひ置き換えてみてください。
また、健康的なパンを摂取したい場合は、低糖質で栄養満点なBASE BREADもおすすめです。
<参考文献>
※1文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※2公益財団法人長寿科学振興財団|健康長寿ネット|ビタミンB1
※3公益財団法人長寿科学振興財団|健康長寿ネット|ビタミンB2
※4公益財団法人長寿科学振興財団|健康長寿ネット|ビタミンB6
※5厚生労働省|e-ヘルスネット|葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
※6厚生労働省|e-ヘルスネット|食物繊維
※7厚生労働省|e-ヘルスネット|便秘と食習慣
※8厚生労働省|e-ヘルスネット|鉄
※9公益財団法人長寿科学振興財団|健康長寿ネット|亜鉛
※10厚生労働省|e-ヘルスネット|カリウム
※11農林水産省|ゆっくり食べる
※12厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|総論
※各商品情報は公式サイトを参考にしております。
監修:宮本ゆか(管理栄養士)
町役場やドラッグストアでの管理栄養士を経験後、農業の手伝いや、無添加の中華料理店で勤務を通じて、食と健康の重要性を実感。2022年からはフリーランスの管理栄養士兼Webライターとして、執筆を中心に活動しています。