脂質制限ダイエットとは、食事中の脂質をコントロールするダイエット方法です。脂質は糖質やたんぱく質に比べて1g中に含まれるカロリーが高く、食べすぎることで内臓脂肪や皮下脂肪が増えてしまいます。
さらに、血液中の悪玉コレステロールを増加させて動脈硬化を含む生活習慣病を招くおそれもあるため、脂質制限ダイエットは減量のみでなく長く健康を維持するためにも効果的です※1。
今回の記事では、脂質制限ダイエットについての基本的な情報とともに、脂質制限ダイエット時におすすめの食品をまとめました。これから脂質制限ダイエットにチャレンジしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも脂質制限ダイエットとは?
1日または1食で摂取する脂質の量を制限するダイエットを脂質制限ダイエット、低脂質ダイエット、脂質カットダイエットなどと呼びます。
まずは脂質制限ダイエットの概要について説明します。
脂質の働きについて
脂質はエネルギー産生栄養素のひとつであり、体内でエネルギーを生むために欠かせない栄養素です。また体内では細胞膜の構成成分やホルモンの材料として機能しています。
脂質のなかには体内で合成できない必須脂肪酸と呼ばれるものもあり、食事からの摂取が欠かせません※1。脂質は脂溶性ビタミンやカロテノイドの吸収をサポートするようにも働きます。
必須ビタミンであるビタミンA、D、E、Kなどを不足なく摂るためにも、脂質の摂取は重要であることがわかるでしょう。
脂質の摂りすぎは太る原因に
脂質の摂りすぎはカロリーオーバーを招きやすく、摂りすぎると体脂肪を増やす原因になるため注意が必要です※2。エネルギー産生栄養素のうち、脂質のカロリーは1g中9kcalです。
糖質とたんぱく質が1gで4kcalであることを踏まえると、脂質のカロリー密度が高いことがわかるでしょう。高脂質の揚げ物や洋菓子、ジャンクフードではカロリーが高くなりやすく、太るリスクを高めてしまいます。
これらの食品の摂りすぎには十分注意すべきでしょう。
脂質制限ダイエットの効果
脂質制限ダイエットでは、カロリー密度の高い脂質を意識して減らすことで、効率的に摂取カロリーを減らせます。そのためカロリーコントロールがしやすく、効果が出やすいと考えられています。
また脂質の摂取量を減らすことで、飽和脂肪酸の摂りすぎによる血中コレステロールや中性脂肪の増加を防ぎやすくなります※1。これらの脂質異常を防ぎ動脈硬化の進展を抑えることができれば、心筋梗塞をはじめとする心血管疾患のリスクも抑えられるでしょう※2。
健康的に体重を減らすため、また生活習慣病を予防するためにも、脂質制限ダイエットは効果的であることがわかるでしょう。
脂質制限ダイエットのやり方
脂質制限ダイエットは、効率的に体重を落としたり、将来の生活習慣病のリスクを減らしたりするために効果的であることがわかりました。ここからは脂質制限ダイエットの取り組み方や、食品の選び方について解説します。
脂質制限ダイエットに取り組む際にはぜひ参考にしてください。
脂質1日あたりの摂取目安
脂質の1日あたりの摂取量は、日本人の食事摂取基準(2025年版)において、総エネルギー摂取量の20~30%が目標量として示されています※3。
身体活動レベル「ふつう」の推定エネルギー必要量を参考に、脂質の目標量を次のようにまとめました※4。
【男女別、推定エネルギー必要量と脂質の目標量】
男性 | 女性 | |
---|---|---|
18~29歳 | 2,600kcal
→ 約58~87g |
1,950kcal
→ 約43~65g |
30~49歳 | 2,750kcal
→ 約61~92g |
2,050kcal
→ 約46~68g |
50~74歳 | 2,350kcal
→ 約52~78g |
1,950kcal
→ 約43~65g |
脂質制限ダイエットでは一般に総エネルギー摂取量の20%以下になるように脂質を減らすため、1日あたり、1食あたりの脂質量は次の表のようになります。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
18~29歳 | 約58g以下
(1食19g以下) |
約43g以下
(1食14g以下) |
30~49歳 | 約61g以下
(1食20g以下) |
約46g以下
(1食15g以下) |
50~74歳 | 約52g以下
(1食17g以下) |
約43g以下
(1食14g以下) |
低脂質な食材や調味料を選んで脂質の摂取量を抑えましょう。
脂質制限ダイエット中に食べてはいけないもの
脂質制限中には、脂質の摂りすぎにつながる高脂質なものを避けることをおすすめします。脂質制限中に控えたいものとして、主に次のようなものがあります。
主食 | ラーメン、ピザ、パスタ、チャーハン |
---|---|
パン | クリーム系の菓子パン、クロワッサン、デニッシュパン |
間食 | 洋菓子、チーズ、ナッツ |
肉類 | バラ肉、ベーコン、ウインナー |
調味料 | マヨネーズ、ごまドレッシング |
果物 | アボカド |
揚げ物やジャンクフードはもちろん、ラーメンやパスタのように、汁やソースから脂質を多く摂る可能性のあるものも避けるべきです。野菜にかける調味料にも、マヨネーズやごまドレッシングのように高脂質なものがあるため注意しましょう。
脂質制限ダイエット中に食べていいもの
脂質制限中は糖質やたんぱく質から必要なエネルギーを摂る必要があります。脂質制限中に取り入れたい食品として、次のようなものがあります。
主食 | おにぎり、餅、蕎麦、うどん、そうめん |
---|---|
パン | ベーグル、フランスパン、あんパン、ジャムパン |
間食 | 和菓子、果物 |
肉類 | 豚ヒレ肉、鶏むね肉、鶏ささみ肉、ロースハム |
調味料 | ポン酢、青じそドレッシング |
果物 | ほぼすべて |
その他 | 野菜、イモ類、きのこ、海藻類 |
野菜、果物、イモ類、きのこ、海藻類は脂質の含有量が少なく比較的低カロリーのため、脂質制限ダイエットをおこなう際には積極的に取り入れましょう。主食はお米やうどんのような低脂質なものがおすすめです。
パンも低脂質なものを選べば食べられますが、カロリーオーバーにならないよう量は調節しましょう。
脂質制限ダイエット中に食べていい糖質食品
脂質制限中には糖質が主なエネルギー源となるため、不足なく摂る必要があります。低脂質なものを選び、食べ過ぎに注意して3食欠かさず摂れるようにしましょう。
米
お米は非常に低脂質な食品です。炊いた白米の脂質は100gあたり0.3gとごく少量のため、おにぎりやお茶漬けなどは脂質制限中の主食として重宝するでしょう※5。
ただし油で炒めるチャーハンは脂質量が増えやすいため注意が必要です。バラ肉を使用した肉巻きおにぎりや、揚げ物のライスコロッケなども避けるべきでしょう。
炊いた玄米の脂質は100gあたり1.0gと白米よりは多いものの、ほかの主食と比較すると低脂質です※5。噛み応えがあるため、食事の物足りなさを軽減したい場合には玄米の活用もおすすめです。
うどん
小麦粉を原料とするうどんも低脂質な食品です。茹でたうどん100gあたりの脂質は0.4gであり、脂質制限ダイエット中に麺類を食べたい場合の選択肢としておすすめです※5。
もちろん、うどんを食べる際にもトッピングには注意しましょう。揚げ物の天ぷらうどんや、バラ肉を用いた肉うどんなどを避け、わかめうどんやとろろうどんなどを選ぶと脂質を抑えられます。
そうめん
そうめんもうどんと同様に小麦を原料としており、茹でたもので100gあたり0.4gと低脂質な食品です※5。のど越しがよいため、夏場の主食として食べやすいでしょう。
トッピングの具材も錦糸卵やハム、キュウリ、トマトなど、高脂質なものが少ないため脂質制限ダイエットに向いています。ただしそうめん自体ののど越しのよさから、食べる量が増えやすいため注意しましょう。
もち
もちはもち米を原料としており、100gあたり脂質は0.6gと少なめです※5。少量で満腹感を得やすいため、食事の物足りなさを感じやすい方におすすめです。
海苔、砂糖醤油、きなこ、あんこなど、トッピングにも高脂質なものが少ないため、脂質制限ダイエットにも取り入れやすいでしょう。ただしもちは血糖値を急激に上げる性質があります。
食べ過ぎたり空腹時に食べたりすると、体に脂肪を蓄えるよう促すホルモンのインスリンの分泌が増えてしまい、ダイエットの妨げとなる可能性もあるでしょう。食事の際には先に野菜を食べ、もちは最後に食べるようにすると血糖値の急上昇を防ぎやすいでしょう。
脂質制限ダイエット中に食べていい肉類
脂身の多い肉は脂質の過剰摂取につながる可能性が高いため、脂質制限中は脂身の少ない部位を選ぶことが大切です。肉には豊富なたんぱく質が含まれています。
肉類の摂取を控えるとたんぱく質が不足しやすくなるため、低脂質な肉の種類を知り、積極的に取り入れることをおすすめします。
鳥軟骨
鶏軟骨は100gあたり54kcalであり、12.5gのたんぱく質を摂取できる食品です。脂質は100gあたり0.4gと少量のため、脂質制限中にも取り入れやすいでしょう※5。
焼き調理や煮物にして、甘辛いタレと絡めて食べると脂質の摂取量をより抑えられます。軟骨は唐揚げが有名ですが、脂質制限中には避けた方がよいでしょう。
鶏ささみ
鶏ささみ肉は100gあたり98kcal、脂質は0.8gです。たんぱく質は23.9gととくに多いため、良質なたんぱく質の摂取源としても活躍するでしょう※5。
低脂質のまま食べるためには茹で調理がおすすめですが、パサつきが気になるかもしれません。片栗粉を事前にまぶしてから茹でると、しっとりとした食感になりやすいため、ぜひ試してみてください。
豚ヒレ
豚肉は脂身の多さが目立つ肉ですが、豚ヒレ肉であれば脂質を抑えて食べられます。100gあたり118kcalで、たんぱく質は22.2g、脂質は3.7gです※5。
豚肉からは糖質をエネルギーに代謝するために欠かせないビタミンB1を効率よく摂取できます。脂質制限ダイエット中は糖質が重要なエネルギー源となるため、豚ヒレ肉からビタミンB1を摂ることでエネルギー切れを防ぎやすくなるでしょう。
砂肝
砂肝は鶏の内臓を調理したもので、100gのカロリーは86kcal、たんぱく質は18.3g、脂質は1.8gです※5。たんぱく質、ビタミンB12、ビタミンK、鉄分、亜鉛を多く含んでいることから、ダイエット中のビタミンやミネラルの不足を補うための食品としても活用しやすいでしょう。
砂肝はおつまみに使用されることの多い部位ですが、唐揚げは避けるべきです。蒸し焼きにしたり、野菜とともに少量の油で炒めたりしたものを食べましょう。
脂質制限ダイエット中に食べていい魚介類
魚介類のなかには脂質が少ないものが多くあるため、食べる部位が限定されがちな肉類よりも脂質制限ダイエットとの相性はよいでしょう。
脂質制限ダイエットにとくにおすすめしたい魚介類を紹介します。
まだら
まだらは低脂質高たんぱく質で知られている魚であり、100gあたりの脂質は0.2g、たんぱく質は17.6g、カロリーは72kcalです※5。さらに強い抗酸化作用を持つビタミンEも含まれているため、血液を健康に保ち細胞の酸化を防ぎます。
比較的さっぱりした食感であり、さまざまなメニューにあわせられます。
たこ
たこのカロリーは100gあたり70kcalで、たんぱく質は16.1g、脂質は0.9gです※5。歯ごたえがありよく噛んで食べる必要ががあることから少量でも満腹感を得やすく、ダイエット中の食事における物足りなさを軽減しやすいでしょう。
茹でたたこを刺身にして食べたり、炊き込みご飯の具材として加えたりすると、脂質を使用せずおいしく食べられます。
あさり
あさりは100gあたり29kcal、たんぱく質は5.7g、脂質は0.7gです※5。あさり1つを8gとすると、カロリーは約2.2kcal、たんぱく質は約0.5g、脂質は約0.02gとなります。
あさりは貝類の中でもとくにビタミンB12の含有量が多いため、悪性貧血や慢性疲労の予防に役立つでしょう。汁物に使用すれば、効率よくあさりの栄養素を摂取できます。
海老
一般的な海老として使用されるバナメイエビのカロリーは100gで82kcal、たんぱく質は19.6g、脂質は0.6gです※5。海老の殻からはカルシウムのほか、動物性食物繊維のキチンも摂取できます。
食物繊維の不足を補いたい方にもおすすめです。
脂質制限ダイエット中に食べていい野菜・果物
脂質制限ダイエットでは多くの野菜や果物が食べられます。とくにおすすめの野菜と果物をまとめました。
きゅうり
夏野菜の代表と言えるきゅうりは非常にカロリーが低く、約95%が水分で構成されています。100g中のカロリーは13kcal、脂質は0.1gであり、ダイエット中も量を気にせず食べられるでしょう※5。
きゅうりからは塩分を排出する働きを持ったカリウムを摂取できるため、むくみ予防や美肌効果が期待できます。体を冷やす作用ももつことから、暑い季節に食べると体温の調節に役立つでしょう。
いちご
いちごのカロリーは100gあたり31kcal、脂質は0.1gです※5。果物のなかでも低カロリーであり、甘味と酸味のバランスがよいため満足感を得やすいでしょう。
いちごには水溶性食物繊維のペクチンや、ビタミンCも豊富に含まれています。腸内環境を整えたり、肌の調子を整えたりする効果も期待できるでしょう。
れんこん
れんこんは100gのカロリーが66kcal、脂質は0.1gです※5。シャキシャキ感が強く噛み応えがあるため、ダイエット中の食事の物足りなさを軽減するために役立つでしょう。
れんこんは糖質が14.2g含まれており、すりつぶすと粘り気が出る特徴があります※5。もちもち感を楽しみたい方は、ぜひれんこんもちで味わいましょう。
なす
さまざまな調理方法で楽しめるなすの脂質は100g中に0.1g、カロリーは18kcalです※5。含まれる水分が多いヘルシーな野菜ですが、甘煮や素揚げなど調理方法次第ではカロリーと脂質が高くなります。
脂質制限ダイエット中になすを食べる場合は、電子レンジでの蒸し調理にポン酢をかけたり、醤油ベースで甘辛く煮たりする調理法がおすすめです。
脂質制限ダイエット中に食べていい調味料
脂質制限中には調味料にも注意すべきです。バター、ラー油、ごまドレッシングのような高脂質のものは避け、低脂質かつ料理に深みを出せるようなものを選ぶべきでしょう。
脂質制限ダイエット中にも使いやすい調味料について紹介します。
味噌
味噌は味噌汁のみならず、炒め物や煮物など、さまざまな料理に使用できる調味料です。脂質量は大さじ1杯(18g)で甘味噌で約0.5g、辛味噌で約1gです。バター10gの脂質量が8gであることを踏まえると、味噌の脂質量は少なめと判断できます※5。
洋風のバター炒めではなく、味噌炒めに切り替えることで、脂質の摂取量を大きく減らせるでしょう。焦げ付きやすいため、炒める際には焦げ付き防止のフライパンの使用がおすすめです。
鶏がらスープの素
鶏がらスープの素は炒め物やスープ料理のほか、中華風の和え物を作りたいときにも活躍します。鶏がらにより味に深みが出るため、ごま油の量を減らしてもコクのある味わいを楽しめるでしょう。
うま味成分を摂取できる調味料は、油分や塩分を抑えるための手段として効果的です。脂質や塩分の摂りすぎが気になる場合は、ぜひ積極的に取り入れましょう。
七味唐辛子
辛味を出したい場合には、ラー油ではなく七味唐辛子を使用しましょう。少量で十分な辛さが出るため、手軽かつ脂質を抑えて刺激のある味わいを楽しみたい方におすすめです。
漬け物を作る際のアクセントにも活躍するほか、うどんや蕎麦のような麺類との相性も良好です。天かすを加える代わりに七味唐辛子や大根おろしのような、辛味のある成分を加えて楽しみましょう。
ノンオイルの和風ドレッシング
脂質制限中にサラダを食べる場合には、ノンオイルの和風ドレッシングがおすすめです。さっぱりとした味わいで野菜や海藻類との相性もよく、食べやすいでしょう。
たとえばマヨネーズ20gには約15gの脂質が含まれていますが、ノンオイルの和風ドレッシングに変更すれば脂質量はほぼゼロのため、15gもの脂質をカットできます※5。
なお、脂質の少ないドレッシングは代わりに塩分が多い傾向にあるため、摂りすぎには注意が必要です。ドレッシングの摂りすぎを防ぐためには、とろみの少ないサラサラとしたものを選びましょう。
サラサラとしたドレッシングは野菜の凹凸に溜まりにくく、自然と流れ出るため、量の調整もしやすいでしょう。
脂質制限ダイエット中のおすすめレシピ
ここからは、脂質制限ダイエット中に食べやすいおすすめのメニューと、そのレシピについて3つ紹介します。脂質制限ダイエット中の自炊で何を作ろうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
根菜とサワラのホイル蒸し
主菜の脂質量を減らすためには、脂身の少ない食材や、油を使用しない調理法を選ぶことが重要です。一例としてサワラと根菜を使用した蒸し料理を紹介します。
【材料(2人分)】
- サワラ(2切れ)
- ニンジン(1/2本)
- 玉ねぎ(1/2個)
- ショウガ(1片)
- ポン酢(大さじ2)
- 塩(少々)
【作り方】
- サワラに塩を少々ふり、5分ほどおいてからキッチンペーパーで水気を拭き取る
- ニンジンは約5cmの千切りに、ショウガも千切りにして、玉ねぎは薄くスライスする
- アルミホイルを人数分用意して、それぞれに野菜を敷き詰め、上からサワラをのせて包む
- フライパンに浅く水を入れて沸騰させ、アルミホイルを入れて強火で10分、野菜やサワラに十分熱が通るまで蒸す
- フライパンから取り出し、ポン酢をかけてそのまま皿に盛り付ける
蒸し料理では野菜のうま味が逃げないため、多くの調味料を使用せずとも味わい深い料理を楽しめます。ポン酢はノンオイルのため、脂質制限中にも食べやすいでしょう。
同じく低脂質な味付けとして和風の青じそドレッシングの活用もおすすめです。
レンジでよだれ鶏
鶏むね肉は高たんぱく低脂質で、脂質制限中のたんぱく質補給に適しています。しかしコンビニで購入したサラダチキンばかりでは、飽きてしまうこともあるでしょう。
鶏むね肉を少ない手間でおいしく仕上げる方法として、電子レンジ調理でできるよだれ鶏を紹介します。
【材料(2人分)】
- 鶏むね肉(1枚300g)
- 酒(大さじ1)
- 砂糖(小さじ1)
(タレ) - 醤油(大さじ1)
- 酢(大さじ1)
- おろしにんにく(小さじ1/2)
- おろししょうが(小さじ1/2)
- 砂糖(小さじ1/2)
- ラー油(大さじ1/2)
【作り方】
- 鶏むね肉の皮を取り除き、フォークで刺して穴をあける
- 酒と砂糖を加えて揉みこむようにしてなじませる
- 耐熱皿に入れてふんわりとラップをかけ、電子レンジで600W3分加熱する
- 鶏むね肉を裏返してふんわりとラップをかけ、再度600W3分加熱する
- 粗熱を取る間にタレの材料をすべてボウルに入れ、混ぜあわせる
- 鶏むね肉を5mm幅に薄くスライスする(十分に加熱できていなければ1分ずつ再加熱する)
- 皿に盛り付けて、上からタレをかける
たれに長ねぎや玉ねぎ、青じそなどをあわせると、よりボリュームが増して高い満足感を得られます。主菜をより豪華に見せたい場合にはぜひ試してみてください。
もずくサラダ
サラダを食べる際には、使用するドレッシングの脂質に注意すべきです。ごまドレッシングやマヨネーズは避けた方がよいでしょう。
ドレッシング不要のサラダとして、市販の黒酢もずくを活用したレシピを紹介します。
【材料(2人分)】
- もずく(3カップ入りのものを1カップ)
- ツナ水煮缶(1缶)
- オクラ(6本)
- 長いも(50g)
- キュウリ(1本)
【作り方】
- キュウリはスライスして、長いもは皮を剥き短冊切りにする
- オクラは塩もみでうぶ毛を取り、ヘタを切り落として熱湯で2分程度茹でる
- 茹でたオクラの粗熱を取り、3mm幅を目安にスライスする
- 野菜をボウルに入れ、ツナ水煮缶の水気を切り加える
- もずくを加え、全体を和えてから器に盛り付ける
もずくはオクラや長いものようなネバネバ食品と相性がよいため、おいしく食べられるでしょう。もちろんキュウリやレタス、トマトのようなオーソドックスなサラダのドレッシング代わりにも、もずくは活用できます。
低脂質な味付け役として、ぜひ試してみましょう。
脂質制限ダイエットが向いている方
脂質制限ダイエットは次のような方におすすめです。
- 空腹感に耐えられる方
- 糖質食品を食べたい方
- 自炊している方
それぞれの項目について、理由を詳しく解説します。
空腹感に耐えられる方
脂質は腹持ちがよい栄養素であるため、脂質制限ダイエットで空腹感を感じやすくなる場合があります。比較的空腹感に強い方の方が脂質制限ダイエットに適しているでしょう。
また、普段から脂っこいものが苦手な方は、脂質制限をしても食事の傾向が大きく変わらないため、食事制限の辛さを感じにくい傾向にあります。空腹感に弱く、空腹に負けて暴飲暴食をしてしまいがちな方には他のダイエット方法をおすすめします。
糖質食品を食べたい方
糖質制限ダイエットでは糖質を制限する必要がありますが、脂質制限ダイエットなら脂質の少ないご飯やうどんのような糖質食品を罪悪感なく食べられるでしょう。カロリーオーバーには注意する必要があるものの、主食を抜くまたは減らすことに抵抗がある方は脂質制限ダイエットが適しています。
脂質制限ダイエットであれば、糖質の摂取量を極端に減らす必要はありません。ご飯やうどん、イモ類などを食べながらダイエットを進められるでしょう。
自炊している方
外食が多い方には脂質制限ダイエットの継続は難しいでしょう。糖質制限メニューや低カロリーメニューを扱う飲食店は増えましたが、低脂質をメインに考えたメニューはまだ少ないためです。
普段から自炊をしている方であれば、食材の選択や調味料の調整を自身でできるため、脂質の制限を継続できます。
脂質制限ダイエットを成功させるポイント
脂質制限ダイエットを成功させるためには、次の点に気を付けましょう。
- 脂質が多い肉類・加工類を避ける
- 自炊を心がける
- 良質な脂質を摂る
- おやつは和菓子を食べる
- 調味料の脂質に注意する
- 食後に運動する
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
脂質が多い肉類・加工肉を避ける
脂質が多い肉や加工肉を食べると、脂質を摂り過ぎてしまう可能性があるため注意が必要です。たとえば先ほど紹介した豚ヒレ肉の脂質は100gに3.7gですが、同じ量でもロース肉になると19.2g、バラ肉になると35.4gもの脂質を摂取してしまいます※5。
ベーコンやコンビーフなどの加工肉にも脂質が多く含まれているため、使いすぎは禁物です。脂質制限ダイエット中はバラ肉や加工肉を避け、高たんぱく低脂質な赤身の肉や、皮を除いた鶏肉などを活用しましょう。
自炊を心がける
スーパーやコンビニの惣菜、および外食では、おいしい味付けのために脂質が多めに使用される傾向にあります。調味料の量や調理方法を工夫して脂質をカットしたい場合には、自炊の習慣化がおすすめです。
揚げ物や炒め物を避けて、茹でる、煮る、蒸す、などの油を用いずにできる調理法を心がけましょう。豚肉の脂身を取り除いたり、鶏肉の皮を剝がしたりする方法でも脂質のカットが可能です。
野菜サラダを食べる際には、ドレッシングも低脂質なものを選びましょう。
良質な脂質を摂る
脂質制限ダイエット中に少量の脂質を摂る場合、良質なものを選ぶことをおすすめします。脂質は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類に分けられます。
肉類やバターなどに多い飽和脂肪酸を摂り過ぎると、悪玉コレステロールや中性脂肪が増えて、心疾患、動脈硬化のリスクが高くなるため、健康維持のためにも不飽和脂肪酸の摂取がおすすめです。とくに必須脂肪酸とされるω-3系脂肪酸とω-6系脂肪酸を選んで摂るとよいでしょう※2。
- リノール酸(ω‐6系脂肪酸):大豆油、ごま油など
- α-リノレン酸(ω‐3系脂肪酸):エゴマ油、亜麻仁油など
- DHA、EPA(ω‐3系脂肪酸):青魚や魚卵など
リノール酸はさまざまな料理から摂取できるため不足のリスクは低いものの、α‐リノレン酸やDHA、EPAは意識的な摂取が必要です。脂質は亜麻仁油やエゴマ油、青魚などから優先的に摂るようにしましょう。
おやつは和菓子を食べる
洋菓子はバターや生クリームのような高脂質な食品ががたっぷり用いられることが多いため、お菓子を食べたい場合には和菓子を選びましょう。
たとえば1切れ100gのショートケーキ(果実なし)では15.2gもの脂質を摂ることになりますが、1個100gの大福もち(つぶあん)であれば0.6gまで脂質量を抑えられます※5。
もちろん和菓子も摂りすぎればカロリーオーバーにつながる点には注意が必要です。低脂質な大福やみたらし団子、もなかなどを選んで、食べ過ぎないよう注意して楽しみましょう。
調味料の脂質に注意する
効率よく脂質をカットしたい場合には、調味料の選び方にも注意すべきです。マヨネーズ、バター、マーガリン、ラー油のような脂質をメインとする調味料はなるべく避けて、使用する場合でも量を減らすよう心がけましょう。
ドレッシングも、ごまドレッシングやシーザーサラダドレッシングでは脂質が多めです。青じそドレッシングのようなノンオイルタイプのものを活用して、脂質の摂取を抑えましょう。
食後に運動する
ダイエットの効率を高めたい場合には、食後に運動の時間を作ることをおすすめします。有酸素運動でエネルギーを消費できれば、食べすぎた場合でも、体脂肪の蓄積を防ぎやすくなります。
食べてすぐに激しく体を動かすと胃腸に負担をかけるため、食後に運動する場合にはウォーキングや強歩などの軽いものにしておきましょう。なお、食事前の空腹の状態で運動すると、低血糖によるふらつきが生じる場合があるため注意が必要です。
食事前に運動する際には、エネルギー源となるお米やイモ類などを少量食べてからにした方がよいでしょう。
脂質制限ダイエット中の注意点
脂質制限ダイエットを成功させるためには、次の注意点を理解してください。
- 極端な脂質制限をしない
- 糖質制限と併用しない
- 主食にパンは避ける
それぞれの注意点について詳しく解説します。
極端な脂質制限をしない
脂質は人間に必要な栄養素の一つです。極端に脂質を制限し過ぎてしまうと、血管や細胞膜が弱くなり脳出血を引き起こす可能性があります。
さらに脂質の摂取量が減ると脂溶性ビタミンを十分に吸収できず、ビタミンの不足による不調を生じやすくなる点にも注意が必要です。すべての脂質を避けるような極端なやり方は避け、ω‐3系脂肪酸に代表されるような必須脂肪酸を摂れるよう、食事内容を調節しましょう。
糖質制限と併用しない
脂質制限ダイエットに取り組んでいる間は、糖質制限をしないよう注意しましょう。脂質を制限している状態では、エネルギー源を糖質に頼る状態になります。
糖質まで制限するとエネルギー切れを起こし、体調を崩したり、疲れやすくなったりする場合もあるでしょう。また、エネルギー不足の状態が続くと、体は筋肉を分解してたんぱく質からエネルギーを得ようとするため、筋肉が減りやすくなります※6。
筋肉量が減少すると基礎代謝が低下するため、太りやすい体になる可能性もあるでしょう。糖質の摂りすぎは禁物ですが、必要量は不足なく摂る必要があります。
米飯やうどん、フランスパンのような低脂質な主食を選んで取り入れましょう。
主食にパンは避ける
多くのパンは脂質が多めに含まれるため、脂質制限ダイエット中は控えた方がよいでしょう。チョコレートやホイップクリームを含む菓子パンをはじめ、総菜パンにも脂質が多めに含まれています。やわらかい食パンにもバターを多めに使用しているものがあるため注意が必要です。
脂質制限ダイエット中にパンを食べたい場合には、低脂質なベーグルやフランスパンを選びましょう。また、糖質や脂質、ナトリウムの吸収を抑える働きのある食物繊維が豊富な、全粒粉パンやふすまパンも効果的です※7。
食べるパンの種類を選び、脂質を摂りすぎることにないよう気を付けましょう。
脂質制限ダイエットにはベースブレッドがおすすめ!
脂質制限ダイエット中にパンを食べたい場合には、完全栄養食のベースブレッドの活用がおすすめです※16。ここからはベースブレッドの特徴と、脂質制限ダイエットとの相性について解説します。
1食に必要な栄養素がぎゅっと凝縮
ベースブレッドは、1食2袋で1日に必要な栄養素の3分の1を不足なく摂取できるよう開発された完全栄養食です※16。一般的なパンからは摂取の難しい、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素も、ベースブレッドを活用すれば手軽に摂取できるでしょう。
サラダチキンや野菜スープなどを追加して、栄養バランスを整える必要もありません。脂質制限ダイエット中に必要な栄養素を手軽に補給したい方は、ぜひベースブレッドを試してみましょう。
豊富な種類で飽きずに継続できる
ベースブレッドには食パン、ロールパン、菓子パン、総菜パンなど、さまざまな種類が用意されています。毎日の食事にベースブレッドを取り入れる場合でも、飽きずに続けやすいでしょう。
ここからはベースブレッドの各種類の特徴について解説します。
プレーン
プレーンはロールパンタイプの商品です。全粒粉小麦をベースにしたシンプルかつ香ばしい味わいを楽しめるでしょう。そのままでもおいしく食べられますが、軽くトーストしたり、半分に切り野菜やハムを挟んでバーガーとして食べたりする方法もおすすめです。

チョコレート

ベースブレッドのチョコレートは、一般的なチョコレートパンよりも糖質と脂質を抑えて作られています※20。マーブルタイプのパンのため、甘さや香ばしさのグラデーションが出ており、1袋を飽きずに食べ続けられる点も魅力的です。
ダイエット中にはチョコレートパンを我慢している方も多いでしょう。ぜひ低脂質かつ低糖質なベースブレッドのチョコレートを活用して、ストレスの少ないダイエットに取り組みましょう※14※20。

メープル
ベースブレッドのメープル味は、1袋2本入りの、片手で持ちやすいスティックタイプの商品です。一般的なメープルパンよりも甘さを抑えて作られているため、強い甘みを苦手とする方でも食べやすいでしょう。
トーストしたり電子レンジで加熱したりすると、メープルの香りが引き立ち、よりおいしく食べられます。

シナモン
シナモン味のベースブレッドは、メープルと同じく1袋2本入りの、スティックパンタイプの商品です。シナモンの豊かな香りと柔らかな食感を楽しめるため、シナモンパンを好む方におすすめです。
スティックパンタイプの商品は手を汚さず食べられる点も魅力的で、デスクワーク中の軽食や、出先での食事としても食べやすいでしょう。紅茶やコーヒーとも相性がよいため、リラックスタイムのおやつとしても楽しめます。

ミニ食パン・プレーン
ベースブレッドのミニ食パン・プレーンは、小さめの食パンを1袋につき2枚食べられる商品です。ボリューム感のある朝食を食べたい方や、野菜やハムを挟んだアレンジで、栄養価の高いサンドウィッチを食べたい方におすすめです。
トースターで加熱すると、全粒粉小麦の香ばしい香りや歯応えのある食感をより楽しみやすくなります。ホットサンドとしても使用できるため、アレンジのひとつとしてぜひ試してみましょう。

ミニ食パン・レーズン
ミニ食パン・レーズンは、ミニ食パン・プレーンと同じく1袋2枚入りの食パンを楽しめる商品です。レーズンのみずみずしい甘さを楽しめるため、レーズンパンを好む方や、食パンのみで十分なボリューム感を得たい方におすすめです。
市販のレーズンパンにはマーガリンが入れられているものが多く、脂質を摂りすぎる可能性もあります。しかしミニ食パン・レーズンであれば飽和脂肪酸も控えめに調整されているため、ダイエット中の方でも食べやすいでしょう※14。

ミニ食パン・オレンジ
ミニ食パン・オレンジは、ジューシーな柑橘系の甘みと、オレンジピールのほろ苦さを同時に楽しめる商品です。柑橘系のさわやかな風味は、特別な製法で作られた伊予柑オイルにより生み出されています。
オレンジピールはパンの製造過程で形が崩れにくい種類が厳選されており、食感の違いをより楽しめるよう工夫されています。柑橘系のさわやかな食パンを楽しみたい方は、ぜひミニ食パン・オレンジを試してみましょう。
こしあん
ベースブレッドのこしあんは、こだわりぬいた北海道産の小豆を使用した商品です。ふんわりとしたパン生地になめらかなこしあんが包まれており、本格的な味わいを楽しめるでしょう。
脂質が控えめであることに加え、一般的なあんパンよりも糖質オフに調整されているため、菓子パンからの糖質の摂りすぎが気になる方にもおすすめです※20。ダイエット中でも食べやすいあんパンを探している方は、ぜひベースブレッドのこしあんを試してみましょう※14。
ミルク

ベースブレッドのミルクは北海道産の牛乳の優しい甘さが際立つ、1袋2本入りのスティックパンです。ミルクの濃厚な味わいを楽しめるため、苦みやスパイスを苦手とする方や子どもでも食べやすいでしょう。
全粒粉ベースでありながらもちもちとした食感で、朝食や昼食のほか、リフレッシュタイムの間食にも適しています。ジャムとの相性もよいため、さまざまなアレンジを楽しめるでしょう。
カレー
ベースブレッドのカレーは、ベースブレッド唯一の総菜パンです。ボリューム感のあるカレーの具材と、もちもちとした食感のパン生地との相性がよく、栄養価の高いカレーパンをおいしく食べたい方におすすめです。
一般的なカレーパンと異なり、揚げ調理ではなく焼き調理で作られているため、脂質の摂取が気になる方でも食べやすいでしょう。カロリーも一般的なカレーパンより低いため、ダイエット中の食事にも適しています※14。

まとめ
脂質制限ダイエットは脂質を制限して減量を目指すダイエット法で、食品を選び脂質計算をしながら毎日の食事を進めます。脂質制限ダイエットで脂質を適正量に抑えれば、効率よく体重を落としつつ、脂質異常症をはじめとする生活習慣病のリスクを減らす効果も期待できるでしょう。
脂質制限を効率よく進めるためには自炊が適していますが、忙しい生活のなかでの自炊の継続を困難に感じる方も多いでしょう。より手軽に脂質の摂取量を抑えつつ、栄養バランスを整えたい方には、調理不要の完全栄養食、ベースブレッドの活用がおすすめです※16。
飽和脂肪酸を一般的なパンよりも抑えて作られているため、脂質やカロリーを抑えながら健康的な食事を続けられるでしょう。手軽に脂質制限ダイエットを進めたい方は、ぜひベースブレッドを試してみてください※14。
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<参考文献>
※1 農林水産省|脂質による健康影響
※2 厚生労働省|健康日本21アクション支援システム Webサイト|脂質異常症
※3 厚生労働省|「日本人の食事摂取基準(2025年版)|1-3 脂質
※4 厚生労働省|「日本人の食事摂取基準(2025年版)|1 エネルギー・栄養素
※5 文部科学省 | 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(食品成分データベース)
※6 国立長寿医療研究センター |体重減少の原因は?
※7 厚生労働省|健康日本21アクション支援システム Webサイト|食物繊維
監修:井後結香(管理栄養士)
大学卒業時に管理栄養士の資格を取得後、病院で栄養指導や給食献立管理、NSTなどに携わる。その後は在宅を拠点とした特定指導業務に従事、生活習慣病予防を目的とした相談を受け持つ。現在は並行してwebライターとして活動中。ダイエットや筋トレ、睡眠と食事との関係について情報提供を行う。